INTERVIEW
YAMANO MIKIO

山野幹夫

琥珀バイオテクノロジー株式会社 代表取締役CEO https://kohaku-bio.com/company/

略歴

日本の美容界のパイオニア、山野愛子を祖母に持つ。株式会社東急エージェンシー、ニューヨーク大学留学を経て、株式会社ヤマノビューティメイトグループに入社。【美容と健康を通して人を幸せにする】という理念を掲げ、1999年 同社代表に就任。さらに、2017年に琥珀バイオテクノロジー株式会社を起業。琥珀の研究を開始。理化学研究所や筑波大学と美容・健康についての研究を行い様々な特許を取得。現在は、世界の琥珀研究を牽引する岩手大学と新たに健康長寿へむけて、琥珀の効果・研究を進めている。

-継承事業から-

日本の美容界のパイオニアである祖母・山野愛子は世界中の美容情報や技術を積極的に取り入れてきた人物です。
1957年にドイツのバイエルン地方を訪ねた際に泥浴療法と出会い、その頃構想していたトータルビューティーを日本の美容にも取り入れたいと考えていたところでした。泥という自然の恵みは、健康と癒し、美容を与える素晴らしい素材だと気づき、早速、サロンでの泥美容の展開や商品開発を行いました。
父と母の代ではエステティックサロン展開に力を注ぎ、事業・経営基盤を広げていきました。
そういった事業を引き継ぎ、1999年に同社社長に就任。ある展示会で“琥珀の布団”と出会いました。
「琥珀の布団?寝転がったら痛かったり不快に感じたりしないのだろうか?」と思って試してみると、これが驚くほど気持ちが良い。手触りが良く、肌への馴染も良い。グッスリ眠れそうな感覚がすぐに伝わってきました。
調べてみると、琥珀が多く産出されるバルト海地域周辺では、琥珀は心を安定させたり、身体の不調を回復させたり、とても重宝される琥珀の布団は治療にも利用されているとのことです。
早速、現地に飛んで色々とリサーチしました。
ヨーロッパでは日用品や食品にも琥珀の素材が活用され、薬局では健康食品として置かれ、昔から人々の日常生活の中に根付いています。
天然の恵みである琥珀を使って人々を幸せにできないだろうかと考え、私はすぐに研究に取組みました。

-琥珀研究と健康長寿へむけて-

琥珀を商品化するためにはエビデンスが必要だと考えて研究をスタートしましたが苦労の連続でした。琥珀の優れた成分をなかなか商品化する段階へ進めなかったのです。
詳細は省きますが、試行錯誤を繰り返し、やっとの思いで琥珀エキスが抽出でき化粧品などに用いることが出来るようになったのです。
多くの研究機関にも協力していただき共同研究を行ってきています。
まず理化学研究所、続いて大学の研究室です。丁度、筑波大学の研究室で≪予防医学と抗老化を目指した機能物質を探そう≫という調査をしていました。
その研究室とタッグを組むことで、これからの健康長寿に向けて琥珀の力を活用できる舞台を作りだそうと考えました。
研究もすぐに結果がでるわけではありません。一つ一つに時間がかかりますし、徒労に終わることの方が多いものです。そのための資金の捻出も必要です。
しかし、常に考えたのは【これからの健康長寿の時代、琥珀という天然素材で身体をケアすることができたらこんなに素晴らしいことはない】という思いです。
これまでに、数々の特許を取得し、世界で唯一の琥珀研究ベンチャーだと自負しています。
現在も、琥珀研究の第一人者であられる木村教授率いる岩手大学との共同研究で更なる琥珀の魅力を発見すべく努力を重ねている進行形です。
人生100年時代に向けて、健やかに暮らしていける健康寿命も100年であるべきです。世界の中でもトップクラスの長寿大国である日本ですが、健康寿命も伸ばしていかなくてはなりません。いかに健康な状態で高齢期を迎えるかによって、これからの生活の質が左右してきます。
身体の内面と外面を整える、まさにトータルビューティーが求められる中で、琥珀の成分を活かした食品や、リラクゼーションを目的とする睡眠の質を向上させる「ヤマノ式健康メソッド」も開発し、全国のサロンで提供しています。
全国に2400店舗ある地域密着のサロンは、いつでも地域の方々の癒しを与える場であり、健康長寿社会へむけての伴走者であってほしいと願っています。

-若い世代へメッセージ-

25年前、琥珀という宝石と出会ったことで、その可能性を信じて今も突き進んでいます。琥珀の研究をスタートさせる時、大きな不安がありました。
一方で、壮大な夢とパワーを琥珀に託しています。
映画「ジュラシックパーク」では恐竜が蘇ったきっかけは琥珀です。琥珀の中に、恐竜の血を吸った蚊が包まれていました。そのDNAから恐竜を蘇らせたというストーリーです。
およそ6000万年以上前の生き物を原形に近いままの形で留める琥珀の力を信じているのです。
“思えば叶う”、成功するまで挑戦していくことが大切だと思っています。