INTERVIEW
YAMAMOTO KOWZY

山本コヲジ

株式会社オフィスカレイド 代表取締役 /「流す」研究家 https://flowflow.jp/

略歴

早稲田大学教育学部卒業。新卒で外国語教室に入社、5年間店舗運営・人材育成を経験。悪性疾患の治療・療養を経て起業。2006年、植物エキス発酵飲料・酵素サプリメント専門店をオープン。不調のある方々の話を聞きながら、心のサポートを続ける。また、クリスタルボウルと言われる水晶楽器に魅せられ、2005年から奏で始める。主宰サロンや教育機関、企業研修での体験型講義を通じて、響きの可能性を探求。サントリーホール30周年記念事業フロンティア・プロジェクト選出作品、国内屈指のアンビエント音楽フェス Off-Tone等、イベントや舞台、瞑想会に多数出演。現在、株式会社オフィスカレイド代表。人も地球も喜ぶような「こころ、からだ、にっこり」をモットーに活動中。心身の流れをテーマにしたブランド「フローフロー」の企画、商品開発を行う。

現在の仕事についた経緯

大学卒業後、企業に勤めていましたが、28歳の時に悪性リンパ腫という病気の告知があり、それがターニングポイントでした。それから身体の仕組み、心身相関やウェルネスに意識が向きました。その頃、微生物による共生発酵技術に出会い、見えない世界、酵母の営みにすっかりハマりました。
「いつまで生きているか分からない」「再発させたくない」「自分のペースで働きたい」という気持ちから、経験やスキルもないものの、思い切って起業しました。

仕事へのこだわり

・よい流れ
よい結果はよいプロセスから生まれます。取り組んでいる心の状態がサービスや企画に映し出されます。仕事をする中で困難に直面したり、追い詰められて気持ちがキリキリ、ヒリヒリしたりすることもあります。頭も体も固くなっているときこそ、深呼吸して整える。抗わず、丁寧に。業務の第一歩は自分に良い流れを呼び込むことです。
・遊び心
オフィスカレイドはカレイドスコープ(万華鏡)に由来します。光の加減で様々な要素が変わり続ける花。どんな状況でも、関わる人が幸せになるためにバランスをとること。偏って真面目で深刻すぎるときには、遊び心で風穴を開けます。
・ずっと素人
プロとして専門性が高まり、その分野に居続けると信念が強くなり、考えが固くなり、時には慣れでこなしてしまうこともあります。ワクワクしていた頃の初心、受け入れる柔らかさを持ち合わせた素人でいたい。突き抜けながら帰ってくるような、矛盾を愛でています。
・私とあなたと私たち
自分と向き合う、素直さに触れる内省時間を取るようにしています。本音が出発点。そこから、私の中にあなたがいて、あなたの中に私がいる。そんな相手の立場、気持ちになって話し合う。違いやズレはあって当然です。お互いにしっくりした感じを大切にすることで、私たちにとって良いものを目指しています。

若者へのメッセージ

「まず、やってみる」
技術の進化も手伝って、アプリやソフトは更新され続け、新たなサービスも次々と生まれています。今は20年前とは違い、誰もが自らの商品、サービスを作り出し、表現し、クリエイターとなる時代です。僕自身も新たな挑戦の日々です。アドバイスとなると躊躇いますが、言えるとしたら「まず、やってみる」これに尽きると思います。

以前、ある画家が絵を描く過程に立ち会いました。一筆一筆眺めながら、仕上がった龍の素晴らしいこと!僕は聞いてみました。「やばい、ミスった!のような失敗はないのですか?」と。返ってきた言葉は「失敗しかしていない。」でした。その答えに衝撃が走りました。ずっと軌道修正しているらしいのです。それを聞いた瞬間、失敗に対する思い込みや不安が吹き飛びました。

「いい感情を味方に」
それから軽々と試みては失敗をたくさん経験しました。成果が出ずに迷い、挫折したこともあります。それでも、真剣にやってみたことに無駄はなく、すべてに意味があったと、後で気がつきました。その時はわからなくても、「評価は気にせず、存分に取り組み、没頭して良いよ!」あの時、悩みの中にいた若い自分に、自信を持って言ってあげられます。

だれでも得手不得手はありますから、不得手はだれかに任せて、自分のいい感情を味方につける。「大丈夫」「やれそう」「いけそう」「できそうだ」。やってみた気づきを誰かと分かち合い、得たスキルを活かし合う。それは立派なコラボレーションで、お互いに良い流れの中で、楽しく進めます。仕事の醍醐味です。そして健康に気をつけながら。すべてを行う土台ですからね。