INTERVIEW
WATANABE AYUMI

渡辺歩実

Coconialy 代表 https://www.coconialy.com/

略歴

大阪大学経済学研究科 経営学修士課程修了。新卒でリクルートスタッフィングに入社、法務部で相談事業に従事。延べ一万件の相談に乗る。その後、学校支援員を経て、公立小学校教諭に。2018年に起業し、現在は子育て中のお母さんにアドラー心理学をベースとした心の整え方、自分軸をつくる講座などを展開中。自分はじめサポーター協会代表。

現在の仕事についた経緯

小学校教員として働いていた時に、第一子を出産。育児に全エネルギーを注ぐ日々でしたが、思い通りにならない子育てと孤立感で、自分の存在価値が分からなくなりました。なんとか抜け出さなくては…と、アドラー心理学を学び始め、子どもよりもまずママ自身が自分軸で生きることの大切さに気づきました。
自分の気持ち、やりたいことに目を向け始めると、子どもへのイライラが激減しただけでなく、子どももやる気と自信がアップし、家族全体に笑顔が増えました。私自身もたった1年で夢を見つけ起業が実現し、仕事も子育ても同時に上手く回り出したことから、現在はこの経験と学びを、子育てで自分を後回しにしているママたちに向け、「アドラー流幸せ自分軸メソッド」として体系化し、発信しています。

仕事へのこだわり

目の前にいるお母さんやお子さんがどんな状態であったとしても、「必ず、その人のタイミングで変わっていく」と、信じて接するようにしています。たとえ、今、仕事や子育て・人間関係などでつまずいて上手くいかなかったとしても、それは適切なやり方を知らないか、知っていても経験不足でできないか、支えてくれる人や環境がいないか、いずれかの場合が多いのです。
逆に言えば、適切な方法を知り、信頼・応援してくれる仲間と一緒に練習を続けていけば、どんな人でも変わっていきます。実際、教員時代に出逢った子どもたちやお母さんたち、そして私自身も、学んだり、関わり方を変えたり、信頼してくれる人と出会ったりしたことで、別人のように進化・成長する姿を見てきました。
反抗的で友達とのトラブルが絶えなかった生徒が、1年後にはクラスをまとめ、「先生、手伝おうか?」と声をかけてくれるようになったり、自分のことが大嫌いと言っていたお母さんが、半年後には夢を見つけて習い事教室を開いていたり…。
だからこそ、「今、ここからできることを始めることで、いくらでも未来は変わる!」と、信じていますし、私自身がまずはお母さんたちの味方であり応援隊でいたいと思っています。
アドラー心理学では、“まずこちらから”、そして“より多く”相手を信頼することで、その人が持つ能力や魅力が開花していくと言われています。そして、自分自身のことを信頼できなければ、本当の意味で相手を信頼することもできません。
なので、まずは私自身、やりたいことにチャレンジをして、来てくださるお母さんや我が子たちに、挑戦する姿、進化する姿を見せ続けられたらと思っています。

若者へのメッセージ

まだ知識や経験が浅いうちは、なかなか自分に自信が持てず、「自分なんて」と落ち込むこともあるかもしれません。私自身も、落ち込むことの連続でした。
でも、20年弱社会人経験を積んできて感じるのは、「どんな自分であっても、今出来ることがあるし、役立てる人や場所がある」ということです。例えば、若い先生には、ベテランの先生のような指導力や威厳はありませんが、子どもと年齢が近い分、より子どもの気持ちが分かるし、一緒に遊べる体力もあります。
「ないもの」「足りないもの」に目を向けるのではなく、自分の中にすでに「あるもの」「活かせるもの」に目を向けてみてください。体力、気力、丁寧さ、スピード感、話し上手、聞き上手などなど。“誰にも負けない飛びぬけた強み”がなくても大丈夫です。「あるもの」や「できること」のかけ算で、あなただから貢献できる人や場所が必ずあるはずです。
もし、すぐに見つからない場合でも、とにかく、今、目の前にいるお客様や与えられた仕事に真摯に向き合い続けると、自分の「ある」がどんどん見つかりますし、「できること」も増えていきます。まずは、根拠なく、自分の可能性を信じてやってみましょう。