INTERVIEW
WATANABE AKIRA

渡辺亮

株式会社CyberomiX(サイバーオミックス) 代表取締役/創業者 https://cyberomix.com/

略歴

東京大学大学院工学系研究科で工学博士を取得後、東京大学先端科学技術研究センターにて博士研究員として、癌ゲノミクスの研究に携わった。2009年に京都大学に移籍し、iPS細胞研究センターにて特定拠点助教・主任研究員として、細胞の性質をDNAレベルで解析する研究を行った。京都大学大学院医学研究科特定准教授を経て、2023年に株式会社CyberomiX(以下、CX)を創業し、代表取締役として、現在に至る。100を越える論文や多数の著書を世に送ってきた。

-現在の仕事についた経緯-

学部まで化学を専攻していましたが、身近な方が難病(免疫疾患)になったことをきっかけに、「社会の一員として何かできるか」を考えて、大学院では生物学を専攻することにしました。
大学院卒業後、患者さんに届ける研究成果をもとめて、大学にてがんの研究を続けてきました。
著名な研究者と一緒に行った大学での研究は、ワクワクだった一方で、予算を含む研究環境の制約が原因となって欧米そして中国などとの格差が広がっているように感じました。
主体的に活動を行うべく、10年ほどの準備期間を経て、今年、創業しました。

-仕事へのこだわり-

創った会社は、ものやサービスを提供するだけでなく、私たちの子どもたちが将来、健やかに生活できる時代を実現するために、「新しい社会を創る」ことを最優先にしています。
大学で担ってきた最先端技術を使った基礎研究力を基盤にしつつ、常に社会実装を意識するプラットフォーマーになって、研究のあり方を変えたいと考えています。
日本の大学は、人的・知的にも高い優位性を持っている一方で、研究費は欧米に遅れを取っていて、その結果、基礎研究力が年々低下していると言われています。
私は、研究開発の新しいシステムを構築し、世界における日本のプレゼンスを守っていく一翼を担いたいと考えております。

-若者へのメッセージ-

CXでは、数多くの学生が働いてくれています。彼らに期待していることは「何か面白いことをしてほしい」ということです。
それがCXの利益につながるかは別として、彼ら、彼女らが固定概念を越えて面白いことをやっている姿を見て、目に見えないことが得られた経験がいくつもありました。
このような経験から、若い方々には、彼らの世代なりの見方を大切に、社会をよりよくしてくれること、そして、我々に活力を与えてくれることがあれば幸いです。