九州大学卒業後、住友建設(現三井住友建設)に入社。在職中に米Arthur D. Little MEI(現Hult International Business School)にてMBAを取得。2000年にクリードに入社、デューデリジェンス、ソーシングなどに従事。2004年にオランダ系再就職支援会社に転職。2006年から不動産金融・不動産ファンド業界に特化した転職エージェント エムユーシー株式会社を設立し、現職を務めるとともに業界人向け勉強会「不動産金融塾」を主宰。
略歴
現在の仕事についた経緯
ゼネコンから黎明期の不動産ファンド業界へたまたま転職をしたことが人生の転機となりました。
当時新しい業界が誕生する真っ只中に居合わせることができたのは本当にエキサイティングな経験でした。
数年が経ち、不動産ファンド業界に世の注目が集まる中、私自身はマネー第一主義の世界に違和感を覚え、以前から興味のあった人材ビジネス業界に思い切って転身、人材紹介会社、メンタルヘルスケア会社の立ち上げなどを経験しました。
そして不動産ファンド業界へ人材にプロダクトを替えて戻ることを決意。
2006年12月、エムユーシー株式会社を設立し「不動産ファンドに特化した転職エージェント」としての活動を開始しました。今年で17年目となります。
仕事へのこだわり
私の座右の銘は「人生楽ありゃ苦もあるさ」です。言い換えると、良いことも悪いことも長くは続かない。良い時にいい気にならず、悪い時に悲観的にならないように心がけて生きてきました。この考えは仕事、友人関係、夫婦関係、趣味、体調管理など様々なことに活きている気がします。そもそも不動産ファンド業界は相場の浮き沈みがつきもので、私のこの考え方は、この業界の性質ともマッチしているように感じています。
次に大切にしていることは、何事にも行動規範を作り守るということです。起業するにあたっても最初に行ったのは、企業理念、ビジョン、行動規範の作成でした。この行動規範に則った行動を徹底して行うことこそが企業活動であり、唯一の成功の鍵であると信じています。行動規範に沿わない行動はたとえ会社の利益となったとしても決して行いません。
このフレームワークは、プライベートにおいても有効です。私は結婚するにあたって、愛のある結婚生活を送るための行動規範「幸せ十か条」を定めて自分自身にそれを遵守することを課しました。といっても、「トイレの便座をあげたままにしない」「疲れていても相手の話をきちんと聞く」などのごくごく当たり前の些細なことに関するものばかりです。この些細な気遣いの積み重ねこそが愛のある結婚生活の実現に必要不可欠であると今でも信じています。
最後にもう一つ大切にしている言葉は、「継続は力なり」です。同じことを飽きることなく継続することこそが、何かを成し遂げるための唯一の方法であると信じています。仕事はもちろんのこと、プライベートなことでもすべてに当てはまりますし、行きつけの居酒屋に長年通って、店主や常連客を生涯の友にするということも共通の原理だと考えます。
若者へのメッセージ
将来大きな成功を収めるために最も必要かつ有効なことは、「将来こうなりたい、これを実現したいという目標を持つこと」です。将来実現したいWHATを決め、それに必要な行動を積み重ねていくという成功ストーリーはスポーツ選手などの例をみるとよくわかります。
しかし、一般に、実現したいWHATを決めるというのは実はたやすいことではありません。その場合はWHATの代わりにHOWを決めることをお勧めします。目標を決めるのではなく、どのように生きるかという生き方を決めるのです。例えば、「うそをつかない」でもいいし、「目の前のことに全力投球する」ということでも構いません。
私も若い頃どうしてもWHATを決められなかったので、「自分のやりたいように生きたい」という性格をHOWとして大切にして生きようと決め、初めての転職と結婚を同時にしたり、子供が生まれたばかりの頃に起業したりと自分の想い優先で人生を歩んできました。
その結果、起業した会社ではWHATを定めることに成功することができました。WHATのアプローチは演繹法的、HOWのそれは帰納法的といえるかもしれません。若いうちにできればWHAT、難しいようならHOWを決めることから始めてみてはいかがでしょうか。