INTERVIEW
TOMIYAMA YOSHIKO

冨山佳子

Inbound Factory 代表 https://inboundfactory.jp/

略歴

2005年度全国通訳案内士の資格取得をきっかけにインバウンドデビュー。2010年からインバウンド講師として全国の自治体・観光案内所・宿泊・飲食施設等へインバウンド接客講習の経験も多数。現役のプロ通訳ガイドとして外国人をもてなしてきた圧倒的な経験値から導き出された、おもてなしメソッド「外国人おもてなし術」を開発。インバウンド対応で困ったり悩んだりしている現場を数多く見てきた経験から、少しでも力になれたらとの思いでインバウンドファクトリーを立ち上げ、観光庁ツーリズムプロデューサー養成講座を経て、外部専門人材として全国のインバウンド対応や広域周遊観光を幅広くサポートしている。その他「唎酒師・日本酒品質鑑定士」や「全日本ソムリエ連盟ワインソムリエ・ワイン品質鑑定士」「JGN日本ジオパークアンバサダー」を兼任。

現在の仕事についた経緯

社会人になって、得意の英語を使って仕事をしたいという願望は叶えられました。しかし海外から日本を訪れるクライアントの接待を依頼されて京都にご案内した時に、お客様の質問に何ら満足に答えられない自分にOh,My God!となりました。
自分の国のことをもっと知りたい、もしかしたら毎日働かなくても良さそうだ、とよこしまな動機で、日本で唯一の語学の国家試験、全国通訳案内士の資格を取得。インバウンド顧客と全国各地を訪れる中、インバウンド対応に悩んでいる事業者や現場を多く見かけました。
ほんの少しのことで誰でもラクに外国人を受け入れできる独自メソッド開発して、全国のインバウンド対応に悩んでいる方々にお届けしています。

仕事へのこだわり

長いフライトを終えて、日本を訪れてくれたお客様がいます。目の前にお客様がいらっしゃることは当たり前のことではなく、自分がここにいることは奇跡だと思っています。毎回お客様とお会いする前には、今まで自分はいったい何をお話ししてきたのだろう、と緊張でガチガチになります。空港や新幹線のホームでお客様をお迎えし、バスで日本のこと、最近のこと、自分自身のことなどを、遠い親戚に話すようにお伝えするように心がけています。
出逢うお客様全てに、日本のファンになってもらい、またきっと日本に来ていただけるような楽しい時間を過ごしていただくために、心を込めたおもてなしを心掛けてきました。プロのガイドとして、報酬をいただいてご案内しているので、駅伝の最終走者の気持ちで、これまでバトンを繋いでくれた多くの人々に感謝の気持ちを持って、転ぶことなくゴールしたいと思っています。たとえつまずいたとしても、時間がかかっても、責任を持ってゴールすることが大切です。失敗したら次は無いと思って、毎回、真摯に仕事に向き合い、できる準備は全て行い、海外からのお客様をご案内しています。

若者へのメッセージ

コロナ禍はとても大変な時代だったと思います。友達や仲間に会えない中、リモートの環境で模索しながらそれぞれの道を探している現代の若い世代のみなさまには、心からエールを送りたいです。
そして、何でも検索したら答えらしきものが見つかる今だからこそ伝えたいこともあります。
たとえばあなたが大谷翔平のようなメジャーリーガーに憧れているならば、彼のプレイを見ることでインスピレーションを得るでしょう。ただし、それだけでは妄想に終わってしまいます。自分の未来を描きたいならば、自分の足で打席に立つことが何よりも大事です。そして初めての打席でホームランを狙うなかれ。何千、何万回と素振りをした者だけが、ホームランを打った感覚を味わうことができます。ホームランを打つことができるようになった時にだけ見える景色があります。
大人になると、とにかく失敗を恐れてしまいます。どうかそんな大人になる前に、思いっきり空振りをしてみてはどうでしょうか。ヒットが生まれなくても、実際にバットを振った人にだけ見える景色はあります。そんな人生は、そんなに悪くはないと思います。