INTERVIEW
TOGE HIKARI

峠ひかり

Marche KANON 代表 https://marche-kanon.square.site/

略歴

武庫川女子大学教育学部卒業。新卒で某大手証券会社に入社し、営業職を経験。2023年、フェムテック製品を販売するブランド・KANONを設立。

-現在の仕事についた経緯-

前職では、金融機関で営業をおこなっていました。男女平等の社会と目標を追い求める日々で、周りからは“女性にはハードな仕事だ”と言われる生活でしたが、体質的に合っていたのか私はとても楽しく働くことができていました。
ただ一つだけ、ネックがあったのです。
それは「体力だけはどうしても男性に敵わない」こと。どうしても生理期間の煩わしさや自分でコントロールできない面倒なことがありました。
そんなとき新聞で目にした小さな記事。そこに「フェムテックと吸水ショーツ」が取り上げられていたのです。普段なら見落としそうな、そんな小さな記事に自分と全女性の人生の何かが少し変わる予感がして、姉(現在共同経営者)である古谷に話をし、2人で会社員をしながら、様々な既製品の比較を始めました。
そして、生理に特化したフェムテック製品の便利さと快適さに夢中になっていきました。しかしその反面、既製品にはまだまだ課題も残っていると感じたのです。
もっと若者にも手に取ってもらえるデザインで、今ある既製品よりも機能性を強化できる、私たちならもっといいものを作り出せる、そう感じ、工場を1社1社当たり出したのがKANONの始まりです。

-仕事へのこだわり-

信頼される人間であること。また、目標意識を持ち、自分の役割を理解し、達成への行動を取ることです。
堅苦しく感じますが実際はとても簡単です。でも意識しないと難しいのです。これは会社員時代に培われた意識で、当時は個人で目標を決め、上司に自己目標を宣言し、目標達成への業務取組をおこなっていました。そこで得た考え方が起業した今も活きています。
まず目標を立て、社内で共有し、意見交換を行う。文字の羅列だけを見るととてもシンプルです。目標を立てることで自分の考えを共有し、コミュニケーションを取り、会社が向かう方向性を共有できるツールになると考えています。
その達成のために個人に役割分担をし、私の苦手な部分を補ってもらったり、得意な部分を請け負ったりしながら仕事を進めています。
全てがうまくいくわけではありませんが、山あり谷あり、良いこと悪いことを乗り越え、お互いに信頼し合って相手を「信頼」して相手に仕事を託す。そして、その過程を繰り返し、小さなことでも成功や達成が生まれる。その過程こそが『信頼』に繋がると考えています。

-若者へのメッセージ-

昨今ネットやテレビでは、『これからの日本はもう人口減少の一途だ。』『所得は上がらない。』『税金は増税ばかり。』『モノの値上がりが続く。』などの暗い話ばかりが溢れている気がしてなりません。
間違ってはいない情報だと思います。でも視野を広げて今一度、世界から見た日本の存在の大きさを知ってほしいと思うのです。
こんなにも素晴らしい国はありません。私自身、ものづくりを始めて改めて痛感していますが、世界から得る“日本製”への『信頼』は尋常ではありません。どれだけ値段が張っても、「日本製だから欲しい」「日本製なら信頼できる」「日本は品質と技術の高さがある」「日本人の仕事は丁寧だ」と言われます。メイドインジャパンは、多くの国が日本の真似をしても追いつけない、追い越せない、飛び抜けた信頼を得ているのです。
これは間違いなく先人たちの努力の賜物でしかありません。感謝してもしきれません。
先人たちが築いてくれたこの礎をどのように活かし、さらなる信頼に繋げていくかが大切です。この高い信頼を崩さず、日本人であることが強みになる素晴らしい時代に生まれたことに感謝し、一緒に楽しい世界に立ち向かいましょう。改めて日本の強さを世界に見せつけていきましょう。