INTERVIEW
TASAKI HIROKATSU

田﨑博勝

日本橋とやま館 統括館長 富山県首都圏本部 副本部長 https://toyamakan.jp/

略歴

新卒で富山県庁に入庁。観光(企画・ロケ対応)、航空、企業誘致、危機管理、中央病院、東京事務所(首都圏本部)などを経験。東京勤務は通算3回、10年を超え、「富山(地方)と東京」「官と民」の両方の視点から、首都圏メディア戦略や情報発信拠点(日本橋とやま館)の開設などに携わる。現在は日本橋とやま館統括館長として、富山(地方)と東京をつなぐ活動を展開中。

現在の仕事についた経緯

「人の役に立つ仕事に就きたい」というシンプルな思いで公務員試験を受験して、富山県庁に入庁しました。
学生時代に「官僚たちの夏」(城山三郎著)を読んで、役人の熱意や役割などに魅力を感じたことが、公務員という職業を目指した背景にあります。

仕事へのこだわり

「現場感覚」を大事にしてきました。県庁組織の性質上、市町村と違い住民との接点が少なく、ともすれば組織内の常識や机上の空論で物事を進めがちになります。自分は、幸いなことに現場と直結する様々な部署を経験することが多く、現場で課題を発見し、それに対する解決策にアプローチすることの大切さや、現場でのリアルな喜び、悲しみなどを体験することで現場感覚の大切さを学びました。
また、「弱者の視点」は行政が常に意識しておくことだと考えています。勝者が称えられ、人々に勇気を与えることは素晴らしいことだとは思いますが、そればかりが評価される社会はウェルビーイングな社会ではないと考えます。
人生は良い時も悪い時もあります。富山県出身の社会学者、上野千鶴子さんの「弱者になっても安心できる社会」という言葉に強く共感し、おごらず弱者の視点で物事を捉えられる人間でありたいと自戒しております。
そして、「つなぐ」という形で社会に貢献することが自分の役割だと自覚しています。富山県職員でありながら東京での生活が長くなり、家族の拠点は東京に移すという珍しいライフスタイルになったことで、富山(ローカル)と東京の両方の視点が身に付きました。
その結果、東京一極集中という日本の社会構造に大きな課題を見出し、ローカルと東京がフラットに循環する社会の実現に向けて、つなぎ役として活動することに意義を見出しています。
現在運営している「日本橋とやま館」は、単なる地方産品の販売店ではなく、富山と東京をつなぎ、人、モノ、お金が循環するエコシステムの拠点としての役割、ロールモデルになることを目指して活動しています。