INTERVIEW
TANAKA YASUO

田中康雄

キップス株式会社 専務取締役 http://kips-web.com/

略歴

立教大学法学部を卒業後、新卒で某医療機器販売会社に入社。約3年程勤務後、キップス株式会社に入社。

現在の仕事についた経緯

キップスは代々続く実家の家業であり、現在は創業100年を超える会社となっておりますが、当時は会社を継ぐという意識はありませんでした。
しかし、先代の社長が倒れ、当時専務だった私の父が急遽社長に就任。その際に現場を仕切る人材が不足となった為、身内である自分に声がかかり入社を決意しました。

仕事へのこだわり

仕事へのこだわりと言えるほどのものはありませんが、自分はアパレル業界の経験も無いですし、専門学校に通ってもいない状況だったので、(ある程度の知識は勉強しながらも)あえてどっぷりと業界内に染まることは避けました。外から入って来た人間だからこそ気づける矛盾やムダがあると思ったからです。
どうしても業界内に染まってしまうと慣習やら固定観念やらに、気づかないうちに慣れてしまうところがあると思いますので、そういう意味では客観的に見ることは大切にしています。
また逆に業界外の方と話す機会を増やしたり、外のコミュニティに属してみたりすることで、新たな視点も手に入りましたし、そこは意識して行動できている方だと思います。
異業種の方にも目を向け、得てきたものを自社に置き換えてみる。それを繰り返すことで、今までできなかった事や、新たな分野へのチャレンジにも繋がっていると思います。
弊社の主軸はあくまでアパレル製品の製造業です。しかしそれだけをやっていてはダメで、常に新たな領域で何ができるかを考え、会社としての軸はしっかりと持ちながら、その範囲内で今までとは違う事をやってみるようにしています。その経験値はオリジナルになり、次の時代への糧にもなると思っています。
結果的に現在は本業以外にも、不動産や、マルチコミュニティスペースの運用、「KIPS works」というワークウェア(作業着)事業、オリジナルブランドのとして「3ico(ミコ:廃棄ぶどうで染めたウェア開発)」と「Off-low-buff-companys(銭湯・サウナ用ライフスタイルブランド)」の立ち上げ、墨田区の若手家業持ちで企画するユニットの設立など、全ての取り組みが本業を中心にリンクし合う、マルチな業務も始めています。
先ほどの経験から得た発想がこういった動き方に繋がっているのだと思います。

若者へのメッセージ

若い方に偉そうに言えることは、まだ無いです。自由にやったらいいと思います。
今の若い方は、デジタルに対してもネイティブで、我々の世代よりも詳しいことも持っていると思います。むしろそういう時代ですよね。
しかも若いうちから予想を超えるような災害やコロナ、大きく畝る社会情勢など、すごい時代を経験している訳ですし、もっと多様な事が出来る世代だと思います。そういう意味では、あまり上の人の話を真剣に聞く必要もないのかもしれないですね。
昔の、例えば伝統的なモノとかになれば、それはツールとしては使えるかもしれないけど、慣習とか習わしみたいなモノは、これからの時代では使えなくなることの方が多いかもしれないので、若い方の感覚的なところの方を大切にすべきだと思います。
全く新しいビジネスもどんどん生まれてくるし、自分もまだ様々な事にチャレンジしてみてはいるものの、正解が見えていないです。むしろ新ジャンルのビジネスなどある程度開拓されてきたら、ロールモデルのようなものは出来ているでしょうから、そういうのを活用するくらいは良いかもしれないですね。
若い方にとっては、働き方も様々になるだろうし、起業する方も増えると思うので、そういった意味で、「自由」にやったらいいと思います。