INTERVIEW
TANAKA KAZUMA

田中一真

株式会社CS Technologies 代表取締役 https://cs-technologies.co.jp/

-略歴と現在の仕事についた経緯-

1992年、兵庫県尼崎市生まれ。
履正社高校→立命館大学(中退)→株式会社DeNA→株式会社Re-Raise創業→電通アイソバー(現電通デジタル)→三菱UFJリサーチ&コンサルティング→株式会社CS Technologies創業。
学生時代は、野球に打ち込み、プロ野球選手を目指す。野球への未練を一切捨て、学業にシフトチェンジし、 立命館大学へ入学する。大学時代は、これまで打ち込んできた野球への熱量をビジネスへ注ぐことを決める。ビジネスの基本を理解すべく、大学1年生の何もない自分が始められると感じた、 イベントプロデュースを実施。企画、プロセス設計、数値管理を一貫して行い、当時大学生でのイベントで 最大の集客数を実現。
それと同時並行で、ITの可能性に魅入られ、独自でプログラミングを勉強し、 簡単なWebサイトやアプリを作れるようになり、学生街の飲食店や美容院に対してスマホサイトの開発を実施する受託ビジネスを立ち上げ、初めての起業を経験し、テクノロジーや会社経営の基礎を学ぶ。同社で、アプリ事業(介護領域)・キュレーションメディア事業を立ち上げ、事業バイアウトを経験。ビジネスの世界にどっぷり浸かっていたため、大学2年時に大学に通うことへの疑問が生じ、 中退を決意する。
大学時代の起業での知名度が功を奏し、当時の新規事業責任者に声をかけていただき、DeNAへ入社する。 DeNAでは、企画から広告投資まで行い、マネージャーを務めた。ほぼ寝ずに働き続け(笑)、これまで培ってきたスモールビジネスの基本的ないろはに対して、 ビッグビジネスの基礎基本を叩き込んだ。
2年弱勤務したタイミングで、起業への想いを多くの方々に相談し、 大きな後押しをもらい、起業する。起業後は、メディア運営やコンサルティング業で売上を作っていたが、当時のメディア運営では世の中のビジネスにおける企業と顧客のコミュニケーションのあり方に対して疑問を感じていたため、当時趣味として嗜んでいたゲーム領域でコミュニティプラットフォームを作り運営した。 結果、業界ナンバーワンのコミュニティとなり、2年でバイアウトする。
その後、デジタルエージェンシーにてエンタープライズのSaaSにおけるビジネスを学び、シンクタンク系コンサルティングファームで1年勤務後、 これまで蓄積したコミュニティ作りのノウハウを駆使し、より日本全体のプレゼンスを高めるため、 「コミュニティ創り」の観点から、大きな支援を行いたく、 CS Technologiesを創業。「コミュニティプラットフォーム CSエリート」の創り込みを行う。
創業半年で、1,1億円の資金調達を実現。 現在に至る。

- 仕事へのこだわり-

コントロールできないものを捨て、コントロールできるもののみに注力する。
私たち人類は、将来的に必ず死ぬという事実を受け入れる必要があります。
どういうことかというと、人生の時間は無限ではなく有限であるということ。
言い換えれば、人生は有限な時間をうまく使えるかのゲームであると言えます。
人生において多くの時間を費やす”仕事”で言えば、如何に限られた時間の中で成果や価値をを出せるかのゲームと言えます。
ここで1つ、1人のスポーツ選手のお話をさせてください。
当社は、プロゴルファーの片岡尚之選手に所属として、スポンサーさせていただいているのですが、片岡選手は現在プロツアーにおいて賞金ランキング27位につけているトッププロです。
そんな片岡選手が、先日セガサミーカップ2023にて3日目が終わって、1位と3打差をつけられ、全体の2位に位置していました。
あるメディアの記者から「1位と3打差ですが、17番ホールのボギーは悔やまれますか?」という質問がありました。
(3日目の17番ホールで池に入れてしまい1打スコアを落としてしまったことについての記者からの言及)
その中で片岡選手は「終わったことは仕方ないので、目の前のできることを全力でやっていきます」と回答しました。
至極当たり前と言えば、当たり前のことですが、ここには非常に重要なメッセージが隠されています。
”コントロールできないものを捨て、コントロールできるもののみに注力する。”
当たり前ですが、未来はコントロールできますが、過去に起きたことはコントロールできません。
明日の晩御飯は何を食べるか自分でコントロールできても、昨日食べた晩御飯は変えることはできないですよね。
片岡選手は、過去の変えられないものを捨て、すぐに明日のプレーに集中するために切り替えを行なっていました。これはアスリートにもビジネスマンにも、非常に重要なマインドです。
例えば、「本当に悔やまれたので、反省します。」とか、「1位の選手と3打差があるので、相手にミスに期待ですね」みたいなマインドであれば片岡選手は現在この位置にもいなかったでしょう。
他にも、自分自身はコントロールできても、他人はコントロールできないですし、思考はコントロールできても、感情はコントロールできない。行動はコントロールできても、生理反応はコントロールできません。
もっと大事なことを言うと、過程はコントロールできても結果はコントロールできません。
このように世の中には、コントロールできるものできないものが存在しており、限られた時間を生産的に使い、人生の濃度を高めるためには、コントロールできとされる自分自身の思考や行動、過程において目の前のことに最善の一手を積み重ね続けるしかありません。
皆さんも、自分の行動を意識的に見直し、最善の一手を積み重ねていくことを心がけてください。

-若者へのメッセージ-

若いうちほど、夢や目標が大きくなり、年を重ねれば重ねるほど、夢や目標は小さくなる。
何も知らない若者は、戦ったことがないため、自分の実力値がわからず、怖いもの知らずにいいたい放題できるが、次第に、戦いの中で、自分の実力値を正しく認識し始め、自己認知が高まり、夢や目標の基準を下げ始める。
これは人間の原理原則だと思っていますが、だからこそ、成功する人間はこの原理原則に則らない外れ値だと言えると思っています。
何が言いたいかというと、常に目標や夢は言い続けてほしいし、発信し続けてほしい。
年を重ねても目標や夢の基準は下げないでほしい。
そして、夢や目標を継続的に追い続けるために、重要なポイントを僭越ながら、お伝えしたいと思います。
このポイントは私が尊敬する経営者からいただいた言葉で、普段私も意識しながら生きているので、是非参考にしてほしいです。

”夢や目標は”状態や肩書き”でなく動詞で発信してほしい。”

多くの場合、夢って「肩書き」で語られます。職業や、大学などです。
でも、仕事や夢って本質は「動詞」なんです。
どういうことかと言うと、例えば、「プロ野球選手」になりたいと言う夢があったとします。
でもそれでは、プロ野球選手になった瞬間に夢が達成されたことになり、それ以上のものにはなれないし、成長が止まります。
プロ野球選手であればプレーでファンに”勇気や元気を与えたい”。ということが本質です。
つまり動詞が本質という訳です。
でもなぜか私たちは、それを見失って「状態」や「肩書き」で夢を語りがちです。
例えば、「小説家になりたい」という夢ではなく、「心を揺さぶる物語を紡ぎ続ける」という夢。
また、「映画監督になりたい」のではなく、「観る人の心に響く映画を創り上げる」という夢。
こうやって夢を動詞で語ることで、本質を見失わずにすみます。
そしてその本質を忘れない限り、いつまでも成長するチャンスが生まれます。
是非、実践してください。