田中歩

現在の仕事についた経緯

正直に言うと、「あのときこれがあったから、今起業できています」というような、一言で語れる過去は持ち合わせていません。この8年間、毎日がむしゃらに生きて、いろいろな壁にぶち当たって、それでも這い上がって、なんとか乗り越えてきた日々の連続でした。
起業したときも通過点としか思っていなく、「いよいよスタートラインだ」とさえ思っていました。今は次の目標に向かって、また新規事業を興すために、ビジョンをたくさんの人に伝えています。
起業はその繰り返しなのだなと実感していて、振り返ると泥臭いことばかりですが、同時に「いつの間にかこんなにも成長していたのか」と自分に驚きます。

仕事へのこだわり

ビジョンを持ち続けること。まずあなたが、自分の人生をかけて何を実現させたいのか、それを明確にし続けることです。なぜ経営をしたいのか？なぜ事業をしたいのか？なぜ社長になりたいのか？その軸は会社を立ち上げてからもずっと必要になります。自分勝手な軸よりも、それを実現させることによって周りの人も幸せになるかどうか、という視点を持つと良いでしょう。少しでも軸からずれた行動をすれば、あっという間に赤字になります。しかし、自分が軸をぶらさずにいれば、それは世の中に価値を提供し続けることに繋がり、利益を生みます。
そのために自分自身が魅力的な人になることが必要です。魅力的な人とはどういう人かを具体的に書き出し、まずは自分がそれを体現する人物になること。自分の周りには自分に似た人が集まってくるため、自分の人としての魅力を高めることができれば、それに応じた人が集まってきます。
極論を言うと、金遣いが荒く、人の悪口を言っていて、自分の身なりに気を遣わず、仕事に手を抜いている人の周りに、プロは集まりません。どのような人と一緒に仕事をしたいのか、どのような人と一緒に人生を歩みたいのか、どのような人と感動を分かち合いたいのか、それらを描き、まずは自分自身がその人物像になることです。

若者へのメッセージ

人脈を広げよう。そして仲間をつくろう。人脈や仲間は、この上ない財産となります。私は最初、人脈がどれほど仕事もプライベートも充実させるか、まったく想像できていませんでした。しかし、何も持っていない時から人脈づくりを続けていたおかげで、会社を立ち上げた時、すでにお客様がいる状態でした。このありがたみは、実際に会社を立ち上げてから実感しました。
時間がかかるものではありますが、だからこそ面白く奥が深い。しかも人脈をつくるのに、スキルや年齢は関係ありません。やろうと思った今この瞬間からできるものなのです。
また、自分の強みをさらに尖らせましょう。学校では自分の弱みをどう平均値まで持っていくかに固執しやすいです。テストで国語90点、数学45点、英語85点だとしたら、数学の勉強に力を入れさせます。
しかし、仕事はチーム戦です。個々人の強みを生かして仕事を進める。自分の弱みは、それを得意な他の誰かがカバーしてくれる。だからこそ、自分の今の強みを見極めて、それを尖らせることに集中しましょう。
そして、とにかく早く行動しましょう。毎日1時間悩んでいたら、1ヶ月間で30時間、1年間で360時間です。その間にとにかく行動しまくって、失敗してもいいから自分の経験をできるだけ多く作りましょう。
エジソンも「私は失敗したことがない。ただ1万通りの、うまくいかない方法を見つけただけだ。」と言っていました。行動こそ最大の価値です。考えているだけではなにも変わらないし始まらない。さあ、行動だ。