INTERVIEW
TAKAKU TOMOMARU

高久知丸

株式会社オーパスワン 代表取締役 http://fromopus1.com/

略歴

大学卒業後、100%完全成果主義の営業職の世界に飛び込みました。人間心理をついた営業トークやマーケティング手法を駆使した営業手法が功を奏し、全国1位の成績を修めることができました。その後「経営を知るためには会計を知る必要がある」と一念発起し、畑違いの会計業界に転身しました。そこでは、従来の会計事務所の枠にとらわれない様々なコンサルサービスを企画立案しローンチしていきました。結果、雑居ビルに入るわずか所員5人の“町の税理士事務所”を、5年で所員56人の中堅規模の事務所に育て上げました。2019年に独立。中小企業の経営力向上に貢献すべく、財務コンサルや資金調達コンサルを中心に経営コンサルティングを提供。近年では税理士事務所の経営コンサルも展開し、好評を博しています。

-現在の仕事についた経緯-

かつての日本は世界一の経済大国でした。今も昔も企業の9割が中小企業ですから、昔の中小企業は元気があったということです。
しかし今は元気がない。依然として高い技術力や優れた商品、サービスが中小企業には眠っていますが、どうしても資金力や人材、情報力などのリソースに乏しく、せっかくの優れた商品が世に広まらない。そこで中小企業の経営力を向上させる手助けができればと思い、コンサルタントを志しました。
特に資金繰りは企業の生命線ですから、財務数値を使ってコンサルすることで、施策の無駄打ちがなくなり、少ないリソースでも結果につながる経営ができますので、経営者の皆様には非常に喜んで頂いています。

-仕事へのこだわり-

社会人になってから常にこだわり続けていることは2つあります。
1つめは「柔軟であること」です。
人間は過去の成功体験にしがみつきたがる生き物です。だんだん仕事に慣れてきたり、積み重ねた努力が実ったら、ついそのやり方に固執してしまいます。しかし時代は変わります。過去に上手くいったことがこれからも上手くいくとは限りません。だからどんどん新しいことを取り入れ、挑戦し続けることが大事だと思っています。
また人それぞれ価値観は違います。つい自分の考え方が正しいと意固地になってしまいがちですが、相反する意見があっても必ず傾聴することを心がけています。しかも完全に自分の中をまっさらな状態にして一度は傾聴します。すると何かしらの発見がありますから、絶対に自分の成長につながりますし、人間関係も良好になるので、良いことしかないです。
2つめは「当たり前のことを当たり前にやる」ということです。
特に変わったことや特別なことをやる必要はないと思っています。なぜなら人間は基本的に怠け者で、弱い生き物です。ですから、デフォルトの状態ですと、つい手を抜きます。「ちょっとくらいいいや」とズルをしたり手を抜いたり、雑な仕事をしたり・・・。しかし「信用を得るのは大変だが失うのは一瞬」というように、ちょっとしたことで信用を失ってしまいます。
一方、正しいことをコツコツとやり続ければ信用が得られますし、その信用は何物にも代えがたい財産です。

-若者へのメッセージ-

最近の若い人達は優秀な人が多いですね。ITツールやSNSに小さい頃から触れているわけですから、情報収集力や処理能力がずば抜けて高いです。
そして優秀な先達の考え方や手法にも手軽にアクセスして知見を得てきていますので、非常に合理的で効率的な考え方を持っていると思います。その新しい価値観や行動を理解できない老害の言うことは無視して、どんどん独自の道を突き進み、新しい世界を切り開いていってもらいたいです。
「最近の若い者は元気がない」という中高年の人たちがいますが、私は違うと思っています。熱を入れる対象が違うだけだと思っています。例えば環境問題や人権問題などに対して意識が高い人も多いですし、社会に貢献したいという方も多くいます。素晴らしいことですね。
SDGsという言葉をよく耳にするようになりましたが、今の日本が置かれている立場を考えますと、本当にこれからの社会をどのようにデザインしていくかを真剣に考えなくてはいけない時代です。
ぜひ、そのようなマインドを大事にして、古い価値観にとらわれずに新しい世界を切り開いていってもらいたいです。