INTERVIEW
SONOURA HIROYUKI

其浦寛幸

マジーアGOLDEN AGAサッカースクール 代表 https://ss-majia.com/

略歴

四日市中央工業高校卒業後、サッカー王国ブラジルで2年間プロを目指す。夢叶わず帰国後、様々な仕事を経験しワーキングホリデーを利用するなど海外を旅する。その後、サッカー指導者専攻が新設された専門学校で2年間学び、国内外(ブラジル•イギリス•スペイン•アルゼンチン)で視察や研修を重ね、コーチとして約4年の下積み後、独立。現在に至る。

-現在の仕事についた経緯-

中学3年の秋、地元高校への願書を出した後、顧問の先生から再考を促され当時の全国優勝校へ挑戦して以降、当時の南米王者「クルゼイロEC」に挑戦した19歳まで常に「挫折の連続」でした。
後に9~12歳の「ゴールデンエイジ期間の練習量不足」という自らの挫折の原因を知りました。まだプロもなかった時代、私はその期間サッカーに打ち込んではいなかったのです。
選手としては大成できませんでしたが、ブラジル留学時、身近にブラジル代表選手や後にFCバルセロナでプレーする選手などがいた環境に身を置けたことや「出来ることはやりきった」と自らのプレー人生を納得して終えたことが、その後の様々な経験も重なり、現在の仕事につながっています。

-仕事へのこだわり-

近年の日本人選手は欧州での評価も高くなり、競技スポーツのトップレベルに求められるトレーニングの「質と量」も昔とは比べものにならなくなりました。
現在指導対象を高学年・中学生に絞っていますが、下積み時代には低学年や幼稚園児に関わる機会も多く、年長になると非常に上手な子も珍しくありませんでした。しかし技術があっても彼らの精神・心はまだ子どもです。早く燃え尽きてしまう「早熟の天才」にさせないよう、時には出来そうな子に対しても一気に難易度を上げるのではなく、少しずつ「出来るようになる喜び」の回数を増やすことで努力の継続をサポートすることが大切だと考えています。
「ゴールデンエイジ」と言われる高学年に近づくと競技スポーツの厳しさを必要とする子どもが増え、「楽しい」定義も変わってきます。
「一万時間の法則」を一つの基準と考えると、積算の練習量が足りない子が多く、「人並み以上の努力」とその時間の「質」を高める必要があります。大手に多い「短時間・多人数」のスクールではなし得ない、独自の工夫により練習効率を圧倒的に高めるクラス(超倍速)も今年度より新設しました。
毎日何時間もサッカーをしている南米の子どもたちと将来欧州でポジションを争うことを想定し、同一時間で多くの学習や反復をこなし、さらに練習時間を積み上げることに重きを置いたカリキュラムを策定しています。
私たちがトップページに大きな目標を掲げることで、縁あって関わることの出来た子どもたちの潜在能力を引き出し、大人になってから後悔することのない9~15歳の練習環境を提供することが、志高き子どもたちのサポートになると確信しています。

-若者へのメッセージ-

私は小学校の恩師に「自分の人生は自分で切り開け」と教えられました。進路を決める際の中学の顧問の言葉にも感謝しています。
挑戦しなければ良かったと思ったことは一度もありません。高校2年までは「絶対に上で活躍する」と毎日自分を鼓舞していましたが、三年になり違う道を考え始めていた時、図書室で「人間は自分の考えているような人間になる」という本に出会い「まだ諦めるには早い」と留学に至りました。
物事には重要なタイミングがあり、機を逃すとその後どれほど頑張っても適切な努力を積み上げた人には追いつきません。
私は「ゴールデンエイジ」というサッカー選手になるための重要なタイミングを逸していましたが、そのことを知らなかったからこそ無謀な挑戦が出来たとも言えます。
全てがわかってから、準備が出来てから行動しようとしても、世の中自分にだけ都合良くは動いておらず結局動けません。
挑戦する人生かしない人生か、選ぶのは自分です。
若い方々へメッセージを問われるなら、やはり「自分の人生は自分で切り開け」と伝えたいと思います。