INTERVIEW
SHUTO TAKATOSHI

首藤隆利

株式会社テイト微研 代表取締役社長 https://www.teito.org/

略歴

福岡大学工学部化学工学科卒業。信用金庫で集金と両替業務を12年間経験。営業技術として微生物を使用した環境会社に就職。入社後直ちに業務用生ごみ処理機のソフトを開発し、その後は飲食店のグリストラップ改善装置を開発。環境関係の会社を転々とし、15年前に独立起業。現在は防災用品の排便処理剤を開発して、水処理施設で発生する脱水ケーキの消臭に成功。堆肥化プラントにおける温室効果ガスである亜酸化窒素抑制理論を発見。北区代表で都産研にて「ニトロニュートラル」宣言をする。

-現在の仕事についた経緯-

約32年前に環境を目指した会社に入社しました。この時に生ごみ処理機のソフトを日本で初めて開発してから堆肥化の勉強を始めました。元々は化学工学科の出身でしたので40歳で1年間、微生物の勉強で大学に通いました。
これをきっかけに微生物による環境修復であるバイオレメディエーションを目指すようになり、色々な会社を転々としましたが、どこも技術レベルが低いことから独立することになりました。

-仕事へのこだわり-

オイルショック後の就職氷河期に卒業して、女系であったため住んだことも無い田舎に跡取りとして住みましたが、地方では特に理系の就職先は公務員ぐらいしかなく地元企業では採用先がありませんでした。とりあえず働きましたがビジョンは全く見つけられなかったので、本社が都会で地方に営業所があり、技術系、特に営業技術者を募集している会社に運良く転職しました。
技術開発に貢献して売上も全国の営業担当より良かったことから、この街から出ようと決心し、本社(当時は名古屋)に開発を兼ねて長期出張となりました。元々この人生プランは以前から密かに考えていましたので、自分の技術能力を他社にPRすることでヘッドハンティングされ、中企業では比較的大手に転職しました。
しかし、更なる技術を勉強していましたが、日本の会社では自分の描く技術を活かすことができない毎日でした。東京に転勤して驚いたのは営業技術者が居ないことです。つまり「セールスエンジニア」は、最近では欧米や中国でも都会に住んでいるのに、この日本には「セールスエンジニア」の地位は都会には存在しないことが分かりました。
これは良くないと思い、自ら「セールスエンジニア」として独立し、国内外の環境に微生物を利用した技術を広げていくことで日本社会に貢献して行く、という壮大な取り組みが仕事と生き方のこだわりだと思っています。

-若者へのメッセージ-

東京に住んでみて30~40代の人達が独立起業する姿を見て大変驚きでした。しかし100社の独立起業家は10年以内に数社しか生き残れない実態があり、挑戦するのも必要ですが雇われながら学ぶことは大変重要です。
時間の無駄、技術の程度が低い、社員の成長が見られない社風、尊敬出来ない上司、経営者等色々あると思いますが、不満の前に、自分が死ぬまでに何ができるのか、社会に何が貢献できるのか、自分だったら会社はこういう風に改善したい等、夢と希望をいつも持ち続けることが大事なのです。
サラリーマン時代の人達と会うといつも上司や経営者への愚痴を言う人が多いですが、これでは進展を見ることはできません。常に謙虚で反省と野望を持つことが大切だと思います。
また、もし独立に失敗した時に食べて生きる金がない時は「ぺんぺん草を食べながら生き抜いていく」という精神を持っていれば、いつかは事業に成功すると思います。