INTERVIEW
SHOJI ATSUSHI

庄司淳

庄司ビジネスコンサルティング 経営コンサルタント https://shoji-rmc.com/

略歴

東洋大学大学院経営学研究科修了(2022年)。大同生命保険株式会社所属。中小企業経営者向けの生命保険営業に従事した後、相続・事業承継の実務を習得する目的でりそな銀行プライベートバンキング室に出向。現在はFPコンサルタントとして、中小企業の事業承継支援やセミナー講師として活動中。著書『フレッシュ中小企業診断士による合格・資格活用の秘訣』(同友館)。中小企業診断士、MBA(経営学修士)、一級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®。

現在の仕事についた経緯

中小企業の事業承継ニーズの高まりを踏まえ、中小企業を対象に事業承継コンサルタントとして、事業承継支援を行っています。
現在の仕事についたきっかけとしては、親族に中小企業経営者が多く、やりがいを持って仕事に取り組んでいる姿を見ると同時に、経営に苦労している姿も身近で見てきたこともあり、企業の永続的発展を支える支援がしたい、不測の事態に備えるお手伝いがしたいとの思いがあったためです。
中小企業は資源(ヒト、モノ、カネ)に制限があり、不測の事態に備える必要性が高いと言えます。FP(ファイナンシャル・プランナー)として「カネ」に対する支援に加え、中小企業診断士として「ヒト」「モノ」に関わる大局的な視点で企業支援に取り組んでいきたいと考えています。

仕事へのこだわり

私は「お客さまにいかに“貢献”できたか」という視点を持ち続けることにこだわっています。
とは言っても、お恥ずかしながら20代の頃はそのような視点は持てず、「これだけのことをやっているんだから、もっと評価されるべき」等、不満を抱くことも多くありました。
“自分がどれだけ努力したか”、“自分にできることは何か”ではなく、“周囲へどれだけ貢献できたか”、これが仕事の本質であると考えています。
そのように考えられるようになってからは、不思議と仕事が円滑に回るようになりました。
例えば、私は30代後半まで中小企業を対象とした生命保険営業に携わってきましたが、自社の生命保険の優れている点を訴求して、どのようにしてお客さまに契約していただくか?という自社起点の発想(プロダクトアウト)でいると、お客さまニーズに応えられず結果が残せないことが多かった気がします。
一方、お客さまの抱えている真の課題は何か?その解決のために効果的な対策は?というお客さま起点の発想(マーケットイン)でいると、お客さまが主体的にリスク対策を検討し始め、保険加入いただけるというケースも多くありました。
※上記事例の詳細は、先日出版(共著)させていただいた書籍「フレッシュ診断士による合格・資格活用の秘訣Ⅳ」に記載しています。
また、貢献することに真剣に向き合うと、一人でできることの限界に気づきます。大事なのは「個人」という枠を超えて、「組織」でどのように貢献を最大化できるか?です。
そのためには、「チームワークの最大化」「社内におけるコミュニケーションの円滑化」「将来に向けた人材育成」などのキーワードが重要になってきます。
お客さまの期待を超える価値を提供するために自分がやるべきこと、それが自分の中では「周囲への貢献」という言葉に集約されています。

若者へのメッセージ

私は社会人になりたての頃、仕事に取り組むうえでの信念が固まっておらず、自信を持てないつらい時期が続いていました。
しかし、20代後半から「逆境はチャンス(※)」という言葉に出会い、仕事に取り組むマインドが大きく変わった経験があります。
※「思考は現実化する」の著者ナポレオン・ヒルの「失敗や逆境の中には、すべてそれ相応かそれ以上の、大きな利益の種子が含まれている」という言葉を略した言葉です。
そもそも、社会生活の中で同じ出来事に直面しても、捉え方は人それぞれ異なります。
つまり、【目の前で起きる出来事】→【思考(=人それぞれの捉え方)】→【感情・行動】というように、「出来事」と「感情・行動」の間には「思考」選択の余地があるわけです。
“逆境時こそ成長するための絶好の機会”と捉えることで、
20代前半の頃:「仕事で大きな失敗」→「失敗=無能」→「きつい、辞めたい」
20代後半以降:「仕事で大きな失敗」→「成長の機会」→「失敗を糧にがんばる」
と考え方を変えられるようになりました。
失敗は未来の成功に必要不可欠なものであり、考え方次第で、失敗は成功以上の価値を自分にもたらすはずです。