INTERVIEW
SAKKA KENTARO

屬健太郎

フィールド&ストーリー株式会社 代表取締役 WaLaの哲学 座長 https://wala.jp/

略歴

早稲田大学政治経済学部卒業。新卒で丸紅株式会社に入社。10年目にセレクトスクエア事業をMBO。セレクトスクエア社代表取締役就任。2012年、高島屋と資本業務提携。2013年、高島屋クロスメディア事業部長就任。2017年、セレクトスクエア社を高島屋に売却。同年フィールド&ストーリー社設立。2019年、WaLaの哲学開講。

現在の仕事についた経緯

10年の商社での経験、10年の経営者としての経験を踏まえ、現在は「個をひらき 組織をひらき 場をひらく」というテーマで動いています。具体的には“WaLaの哲学”という「内省の型」を学ぶプログラムを中心に“T3(Transition to Transformation)”という個人の意識変容を組織の変容につなげる年間プログラムの企業への提供、BAC(Born Again Club)というWaLaの哲学の修了者にのみ提供している実践哲学プログラム、「人の変容」と「組織の変容」に関わっています。
また、一般社団法人Transcendental Corporate Field Associationという社団法人をPwCコンサルティンググループとともに運営し、企業超越場において、多くの大企業幹部の方々と、企業の枠を超えて、個人のポテンシャルを解き放ち、組織を変革し、社会を変革するための環境設計を進めています。

仕事へのこだわり

丸紅新入社員の頃、何も知らないため仕事を教えてもらわねばならないのですが、なぜそれをやる必要があるのか分かりませんでした。全体から見た機能としての必要性が分からないのではなく、なぜそれを“自分”がしなければならないかが分からなかったのです。その結果やる気が起きずそんな環境に反発していた期間が1年程度ありました。
幸い新規事業コンテストに応募する機会を得て、仕事が嫌いなわけではなく、自分のやりたいことであるならば寝る間も惜しんでやるほど楽しいことに気付きました。つまり、知らないのは“仕事の仕方”ではなく、“自分がやりたいこと”だったのです。
その後、自らの関心に基づき物事を進めることの面白さを知り、コンテンツ制作の会社、編集プロダクション、音楽、政治結社etc…いくつかの挑戦を仲間達としましたが、どれも突出したインパクトを生むことができませんでした。
そのことを内省する中、エネルギーを分散するのではなく、まずは目の前のことに集中すべきだという結論を得て、取り組んでいたファッションEC事業に全集中することとしました。その結果、数年後に前例のないMBOという形となり独立することとなりました。
その後、10年間経営者を続けることとなります。後半の5年は高島屋と資本業務提携の中、同社のDX戦略(当時は、オムニチャネル戦略といった)も担わせていただきました。
退任後、古巣の丸紅に講演で伺ったところ、多くの社員が内発的動機を持てないでいることに気付きました。一方で、企業はイノベーションが足りないと考えていました。これは、啐啄同時(卵が割れるとき、内側から雛が、外側から親鳥が突くこと)が必要なのだと気づきました。その結果として、社会には「個をひらき 組織をひらき 場をひらく」という大きな流れが必要であると考え、現在に至ります。

若者へのメッセージ

自分を知るというプロセスに就職活動時以外に多くの方が時間を割こうとしません。
その結果、自分が何のために働いているのか分からなくなり、やりがいを見出せないまま、自身の持つポテンシャルを発揮できなくなっています。
しかし、本来、人生の主人公は私たち一人一人です。自らが主人公である物語を生きたければ、自分の責任で「自分とは何者か?」「この世界とは一体なんなのか?」という問いに答えられなければならないでしょう。
これは言い換えると、物語における“主人公”と“場面設定”と言えます。これができないままだと、他者の作った虚構に巻き込まれる人生となります。
“WaLaの哲学”は、内省の型を学ぶための哲学ですが、ビジネスマンがこうした状態を抜け出すきっかけのために展開しています。
T3(Transition to Transformation)プログラムは、
1Q/内省の型を学ぶ
2Q/内発的動機を出現させる
3Q/内発的公共性に昇華させる
4Q/総論賛成各論反対の世界で着実にグラウンディングさせる
ということを目指したプログラムですが、みなさんが自分らしく生きていくにあたって大切なプロセスでもあります。
自分が本当にやりたいことがわからないという方はぜひ参考にしてみてください。そしてもし、より本格的に学びたいと思われたら、WaLaの哲学の門を叩いてみてください。