INTERVIEW
OU HOURYU

王鵬龍

株式会社バタフライピー研究所 代表取締役社長 https://butterflypea.jp/

略歴

1991年生まれ、日本生まれの中国国籍。幼少期を日本で過ごし、中国へ卓球留学。17歳時に中国で起業後、日本企業の中国進出支援を手掛ける。日本帰国後、キャラクターやアニメなどのプロデュース事業を展開する「アイリス・ジャパン合同会社」を創業。2021年から“沖縄の農業・観光課題を解決したい”という想いから、バタフライピーの6次産業化を推進する「株式会社バタフライピー研究所」を設立。同年、バタフライピー産業推進団体を発足、代表理事に就任。

現在の仕事についた経緯

アイリス・ジャパン合同会社の一事業として“国内初のバタフライピー専門ブランド”を手掛けておりました。鮮やかなブルーがインスタ映えすることから、当社のマーケティング手法を活かして、市場開拓が実現できました。
当時は、タイや中国などから輸入したバタフライピーを使用していましたが、お客様から“国産のバタフライピーって無いの?”というお声をいただき、国内での生産を模索していた所、沖縄にたどり着きました。
これをキッカケに、私は沖縄の農業従事者の方々との交流が始まったのですが、農業の理解が深まるにつれ、沖縄の農業が抱える過酷な問題や課題が見えてきました。
苦しむ農家さんを目の当たりにし、沖縄に求められる題材を求め、学びました。
そして見つけたバタフライピーの研究にかかわり、バタフライピーの商材化、そして沖縄全体でのバタフライピーの産業化を通じて、少しでも問題解決の一助を担えればと、株式会社バタフライピー研究所を立ち上げました。
現在では、農業から生産・加工・販売と一貫したバリューチェーンを持つ、世界でもユニークな企業として、健康寿命の延伸、農業振興・地方創生、そして世界の健康被害の問題に取り組んでおり、当初私達が描いていた目標の達成に一歩一歩近づいてきております。

仕事へのこだわり

農業において全くの素人だった私は、沖縄でバタフライピーの農業を始める際に、バタフライピー栽培の委託をお願いするため沖縄現地の農家さんを巡りました。私は日本語が喋れるので、初対面の時には日本人として優しく会話をしてくださるのですが、名刺を渡したら“王鵬龍”という如何にも中国人の名前が書いてあるため、それを見て拒絶をする方もいらっしゃいました。
拒絶されてもめげずに、朝の5時から農家さんと一緒に収穫を行って、お昼前に出社をしてデスクワーク、夜はお付き合い…と、そんな生活を過ごしていると、農家さんとの信頼関係を少しずつ築くことができました。今では家族ぐるみでバーベキューをする仲になっています。
仕事というものは結局は“人と人”で成り立っていると実感しました。特に私が携わる農業では、何が起こるかわからない“自然”との戦いになるため、助け合いが何より大事になっています。人と人との信頼関係づくりを大切にしています。

若者へのメッセージ

私はアニメやキャラクターなどポップカルチャーに携わっていた人間ですが、バタフライピーに出会ったことで、農業という全く違う分野の事業に飛び込みました。
当然ながら仮設と検証を通して、バタフライピーの可能性が立証されたため、事業化に取り組みましたが、バタフライピーに関わろうと思った当初は、直観的に「イケる」と思ったのが大きな理由です。私はビジネスにおいて、直観的な感覚も大事な判断材料としています。
これからどうしよう...と迷った時には、“自らのインスピレーションに従う”ことも、時には役立つかもしれません。やるorやらない、どちらの選択をしても、進んだ道には新しい経験が待っています。