INTERVIEW
OMI NORIAKI

近江則明

ケイナンクリーン株式会社 代表取締役 https://www.keinan-clean.com/

略歴

1966年、神奈川県横浜市生まれ。高校卒業後、米カリフォルニアでヘリコプター事業用操縦士ライセンスを取得し、愛知県の会社で自家用機の機長を務める。1997年、ケイナンクリーン株式会社に入社。2012年、同社代表取締役就任。全国高純度バイオディーゼル燃料事業者連合会副会長、岐阜県環境整備事業協同組合副理事長、全国環境整備事業協同組合連合会副委員長。

現在の仕事についた経緯

今の仕事に就いたのは、パイロット時代に同じ会社に勤めていた妻と結婚し、妻の父親が経営していたケイナンクリーンに後継者として入社したことがきっかけです。廃棄物処理業という、今まで経験したことのない業種への転職でしたが、あまり深く考えず、将来自家用ヘリコプターが持てるかもしれないという軽い気持ちでした。
パイロットとしての仕事は常に流動的で、常に新しい経験を与えてくれました。一方で、廃棄物処理会社の経営は安定性が高く、将来への安心感を与えてくれました。廃棄物処理業界に関する知識はありませんでしたが、成功するために必要なことを必死で学び、規制、マーケティング、競合他社など、さまざまなことを調べました。また、義父であるケイナンクリーン前社長と1対1で何度も話し合い、理解を深め、成功のための戦略を立てました。

仕事へのこだわり

「法を守り、社会の役に立つ仕事をすれば、必ず道が開け結果はついてくる」
入社当時、社員は役員を含め9人。仕事はごみ・し尿収集や下水道・浄化槽施設の管理、清掃。まず驚いたのは「社員が、自分の働いている会社の名前を堂々と言えなかったこと」でした。しかし、自分でバキュームカーを運転していて、子供たちが鼻をつまむ姿を目にしたとき、社員の気持ちが痛いほど分かりました。そして、「必ず、社員が誇りを持って働くことができる会社にする」と強く心に誓いました。
最初の3年間は現場の仕事をしながら、事業に必要な資格を取得。4年目になると営業を任されましたが、右も左もわからず、考え付く限り様々な人のもとに足を運んで教えを請いました。業界、業種を問わずあらゆる事業所を訪問し、関係部署の担当者に話を聞きました。初めて訪問した先で「お宅は書類もまともに出来ない会社だから」と言われ、それが成長のきっかけとなりました。
当時の廃棄物処理料金は概ねどんぶり勘定でしたが、根拠の必要性を痛感して、会計を明瞭化。収集車両に計量システムを導入し、顧客がごみの排出量を把握し減量計画を管理できるように改善しました。また、県内で初めて一般家庭から出る処理困難物に対する中間処理事業の認可を取得しました。
そうして多くの人々の話を聞くうちに、「こんなことで困っている」「あんなことはできないか」と相談を持ち掛けられるようになり、難しいと思われる仕事も「できない理由」ではなく、「できる方法」だけを考えてクリアしてきました。
平成14年、業界に先駆けて環境マネジメントシステムの世界標準ISO14001を取得したのも、「地域で信頼され、社員が誇れる企業にしたい」という思いからです。地球環境を考え、廃油から、CO2ゼロの軽油に代わる地産地消の再生可能エネルギーを精製。2022年12月から地域の鉄道車両で採用され、地域の脱炭素化に貢献できるようになりました。

若者へのメッセージ

目標を持つことはとても大切です。目標を持つことで、人生に意味を持たせることができ、自分が何をしたいのかを明確にすることができます。そして、目標を達成するためには、計画を立て、その計画に向かって努力することが必要です。頑張ることと、必要な休憩を取ることのバランスを考えましょう。
世の中のプレッシャーに圧倒されることもありますが、ネガティブなエネルギーに負けないように、自分の体の声に耳を傾け、休息を取ることが大切です。そして、どんなことがあっても、ポジティブな姿勢を保ち、最終的な目標に集中し、良いことも悪いことも含めて、全ての経験から学ぶことがあることを忘れないでください。
時にはがっかりすることもあるかもしれませんが、一歩ずつ前進していくことが大切です。自分を励まし、自信を持たせるために、自分が達成したことを振り返り、その上に積み重ねていくことです。
最後に、具体的で現実的、かつ達成可能な目標に意欲を集中させることが、軌道修正につながります。人生には多くの困難がありますが、献身と忍耐があれば、どんな困難があっても、成功の雲の中に立っている自分に気づくことができます。
皆さんも、自分の目標を持ち、チャレンジし続けてください。諦めない限り失敗はない。