INTERVIEW
OKUBO KOYA

大久保航也

株式会社ELF 代表取締役 https://www.elf-tokachi.jp/

略歴

帯広緑陽高校卒業後、フットサル選手へ。19歳でイタリアに渡り、選手として活動しながら短大で文化や経済について学び、翌年はドイツへと渡った。国内・海外の複数クラブでプレーした後、23歳で第一線から引退。帰国後は、東京の大手商社繊維部門の会社で外資系ファッション・ラグジュアリーブランドのセールスアソシエイトを経験。その後、地元である十勝にUターンし、医療コンサル関連の会社での勤務経験を積み、個人としてIT関連や様々な仕事に従事する中、「株式会社ELF」の代表取締役社長に就任。飲食、スポーツ、ITを中心とした事業で地方創生を目指し、現在は十勝から初のプロクラブを目指す。社会人フットサルチーム〝ソルプレーサ十勝〟でGM業を務める傍ら、自治体と共に町おこし事業のプロジェクトリーダーとして奮闘中。新たにスポーツテック業界の参入も視野に、海外にも目を向けながらローカルスタートアップを目指している。今後の十勝の未来を背負う逸材として、注目度も加速している26歳。

-現在の仕事についた経緯-

元々アスリートとしての道を歩んでいたので、世界で活躍する選手になりたいというのが目標でした。
しかし、腰や靭帯の怪我が重なり、思うようなプレーが出来なくなり、結果的に23歳で第一線から退く形となりました。海外在住の経験があったため、好きなファッション分野で海外と繋がる仕事がしたいと思い、世界的にも有名なブランドで勤務し、様々な経験を積むことができました。

ただそんな世界で仕事をする傍ら、“自分自身が地元やスポーツ業界に貢献できることはないのか”と考え続け、選手時代にお世話になったスポンサーさんからの連絡もあり、Uターンを決意しました。地元に戻ってからはUターンのきっかけとなった薬局・医療関連のスポンサー企業で勤めながら、社会人アマチュアクラブで選手も続けました。今でもお世話になっていますが、Uターンのきっかけをくれたこのスポンサー企業には感謝しかありません。

会社員として勤務しながら、マーケティングやWEB関連の資格を取得したことや、自分と同期の選手がまだプロの世界で頑張っている姿を見たことがきっかけで、自分自身で地元やこの社会に貢献できることはないかと改めて本気で考え始めたことが起業したいと思った重要なターニングポイントでした。
同時期に飲食店経営のお誘いもあり、沢山の方からのご支援のもと起業へと至りました。

-仕事へのこだわり-

仕事へのこだわりや、大事にしている一番のことは〝ご縁〟を大切にすること、〝感謝〟の気持ちを忘れないことです。理由としては、その時に何気なく出会った人とその先の未来で再び出会い、助けてくれることがあるからです。僕自身、これまでの人生や今の事業のビジネスでも数え切れないほどの多くの方に支えられ、育てられ、今の自分がいます。

海外で日本人がいない地域で過ごした時、言葉も話すことができず、環境に馴染めず精神的に落ちた時がありました。でも、そんな時に手を差し伸べてくれたのは地域の大人や子供達でした。レストランを経営しているご夫婦は「困ったらいつでも食べにおいで」と言ってくれ、パン屋さんはいつも練習の時に僕のためにパンを焼いて持ってきてくれました。また、サッカーを通じて沢山の言葉を教えてくれたイタリアの子供達がいました。そしてドイツでも多くの人たちに支えられました。
苦労することや大変なことも多かったのですが、今でもその光景は鮮明に記憶として残っています。そこから、ご縁に感謝することを忘れずに生きようと思いました。

現在、GMを務めるフットサルチームでは、多くのスポンサー企業に支えられ活動できています。30近くの企業の社長さんはそれぞれ時系列はバラバラで、昔から知ってる方もいれば最近知り合った方もいます。数年前には憧れのように見ていた企業やその企業の社長さんと今、パートナーシップを結び、お取り組みをして、スポンサーとしてもご支援いただいてる現状は、数年前の自分には想像できない世界でした。それが実現できたのも全てご縁に対する感謝と、自分自身の目標を見失わずに進んできた過去があったからだと思います。
今、責任ある大きなお仕事も任せていただけるようになりましたが、それもこれも全て自分に関わってくれた方々のおかげです。過去も今もこの先も、感謝を忘れずに進んでいきたいと思います。

-若者へのメッセージ-

まだまだ僕も未熟な部分も多く若者のくくりかもしれませんが、とにかく挑戦し、一歩踏みだす勇気が大きな成長につながると思っています。
英語も話せなかった僕自身が海外に19歳で一人で飛んだのも、周りと同じことをしていても、突出することはできないと感じたからです。ただでさえ下手だった僕は、尚更、周りより努力する必要がありました。環境や自分を追い込むために、海外に行きました。なかなか大きな決断ですが、この決断がなければ今の自分はいないだろうと感じています。
周りと違うことをしたり、少し目立つようなことをしたりするのは、日本人の習性上なるべく避けたいことかもしれません。でも僕は周りと違う選択をして苦労したからこそ、ビジネスマンとして素晴らしい経験ができたのだと思います。
選択したその時は、その道が正解か不正解か迷い悩む時があると思います。僕もそうでした。でも最終的にその選択が正解だったかを決めるのは周りでなく自分です。今悩んでる方もいるかもしれませんが、自分の選択に責任を持ち、良かったと思えるように行動さえすれば、必ずその選択が良い未来を切り開くことにつながると思います。
20代のスタートアップがこれから沢山増えると、もっともっと面白い社会になると思います。自分も挑戦する気持ちを忘れずに、今よりもっと成長したいと思います。