INTERVIEW
ODA RYOSUKE

織田亮介

Total Care Salon Seed 院長 https://kenyo-karna.com/

略歴

2006年柔道整復師免許を取得。その後オリンピック日本代表トレーナー等に師事しながら整骨院で修業し、2015年に東京都葛飾区に健陽整骨院・整体院と総合武道 健陽会をオープン。また治療家向け技術セミナーも多数開催。そして2024年、整骨院から整体サロンTotal Care Salon Seed、体が整う食料品店Seed Farmers Marketへとリニューアルオープン。現在は整体・武道・食を通して幅広く健康へのアプローチを行い、近隣だけでなく遠方からも多くのファンが通っている。

-現在の仕事についた経緯-

私は若い頃、プロのキックボクサーとして活動していました。しかし治療家との両立ができず、志半ばで引退しました。
その後、心身のダメージにより頭痛や膝痛、繰り返すぎっくり腰、蕁麻疹まで、さまざまな健康問題に悩まされるようになりました。紹介された病院や治療院など、どこに相談しても解決に至ることはなく、心身共に不安定で仕事も私生活も上手くいかず、その辛かった時期のことは今でもよく覚えています。

そんな中、のちに師事することになる先生に出会い、姿勢や動作からの分析による施術や運動療法により、驚くほど自分の症状が改善されました。
私はこれこそ「自分がやるべき事だ」と、その先生に師事し、知識や腕を必死に磨きました。治療家として少しずつ患者さんに喜ばれることが増える中で、自分に対しての自信を取り戻すようになっていきました。

また多くの患者さんを対応していく中で、なかなか治らない重い症状を持つ人や、なんてことないきっかけで酷く傷めてしまう人には、食習慣が大きく関わっているのではと考えました。栄養学を学び、施術に加えて食のアドバイスを行い、それを実践してもらったところ、症状がみるみる改善していく例を数多く経験しました。
更に私自身、数年にわたって続いた蕁麻疹も食習慣を変えることで完全に出ることがなくなりました。

これをきっかけに、治療家として姿勢や動作の改善に加え、食習慣のサポートも本格的に必要と考え、身体の外側、内側から健康をサポートする場として、整体院に食のマーケットを併設し、リニューアルオープンしました。

-仕事へのこだわり-

私の仕事のこだわりは、「いかに人に良質な気づきを与え、行動に繋げることができるか」です。
人は、過去の生き方、在り方、考え方が現在を作っています。今何か不調や問題を抱えていたとして、その要因の多くはその人の過去から現在までの過程の中に存在します。
例えどんなに凄腕の治療家が施術してその場で体が良くなったとしても、その人自身がその症状を引き起こした要因に対して肚落ちして、日常の行動や考え方に変化が無ければ、きっとまた同じ状況を作り出してしまうでしょう。

だからこそ私は、
整体サロンとして、
空手道場として、
ファーマーズマーケットとして、
気づきの種(Seed)を散りばめる様にしています。

整体では、なぜ今の症状を引き起こしているのかを姿勢や動作、運動連鎖、内臓との関連から紐解き、どんな背景からこの様な状態になってしまうのかを情報共有しながら、体感して納得してもらいつつ、施術を進めています。
困っている症状の要因がわかるからこそ、言われたからではなく、本人自ら進んでセルフケアや、食習慣、運動習慣、仕事や生活の取り組み方・考え方の改善を行なえるようになります。

道場では、武道の動作一つ一つを運動学、解剖学から紐解き、なぜこれを行うのか、この動きやフォームで行うとなぜ効果が上がるのかを体感してもらいつつ指導します。そして稽古の最後には必ず「気づきのシェア」を発表してもらいます。

ファーマーズマーケットでは、情報発信基地として食と健康、食と社会、食と環境など様々な情報を散りばめて、買い物をしながら「知れる」「気づける」「行動したくなる」店づくりを心掛けています。

身体の不調は自分らしさを奪います。心が曇り、態度や行動は排他的になり、自分がしたい事ができず、仕事や人間関係にも影響して、自分の望まない結果を生んでしまいます。それを私は身をもって経験しました。

私には2人の子供がいます。この子達が心身ともに幸せに生きることを願うと同時に、この子達が生きる世代、そして更にその先の世代にも、なるべく良い社会、良い地球を繋ぎたいと考えています。
その為にも、目の前の一人一人のお客様が自分らしさを発揮し、建設的な行動をすることができ、未来のための選択ができるだけの健康を取り戻し、そしてそれを周りへ波及させることが出来るよう、日々サポートしています。
子供たちに胸を張って背中を見せられる大人がたくさん増えていくように、これからも精進してまいります。

-若者へのメッセージ-

若い方たちに伝えたいこと。それは自分の心と体を大切にしてほしいということです。そして自分と向き合い、見つめ直す機会を設けてください。

今の社会は本当に目まぐるしくて、ついつい目の前のことに追われがちです。思わず自分を置いてけぼりにしてしまう場面はありませんか?
私が経験してきたように、身体の不調は心、態度、行動すべてに影響を与えます。逆もしかり、心の不調は身体にダメージを与えます。心身ともに崩れると、自分の本当の心の声が聞こえなくなります。

若い時は体力も活力もあるので、多少無理や無茶をしてもどうにかなってしまいます。しかし、その無理や無茶は必ず水面下で積み重なり心身に影響を与えます。
それが原因で、するべき行動を躊躇してしまったり、逆に自分でも思わぬ行動や態度をしてしまったり、望まない結果を生んでしまうものです。

たまにでもいいです。自分と向き合う時間を作ってみてください。
よく眠れていますか?
暴飲暴食はしていませんか?
日光を浴びたり、体を動かしたりする習慣はありますか?
家族や友人にありがとうは言えていますか?
夢中になれる事はありますか?

向き合って、必要と感じたら日常を見直してみてください。ほんのちょっとでいいのです。
その少しの軌道修正が、数年後、十数年後、望む未来に繋がります。あなたが自分らしさを発揮して、活躍することを心から願っています。