野里浩一

－現在の仕事についた経緯－

「人生一生に一度の買い物」とよく言われる通り、住宅の不動産売買は基本的に一度きりです。
関係を構築しても、購入または売却が済んだら担当者のミッションも終了ですが、貸店舗や貸事務所などの事業用不動産の賃貸仲介は、継続性があります。事業の推移によっては、拡張移転や縮小移転、支店展開や複数店舗の同時オープンなど、住宅の不動産取引とは異なるニーズがあります。同じクライアントから5件、10件のご契約をいただくこともよくあります。
多くの契約を通じて、都心の主要駅をある程度網羅されたクライアントからは、「他に面白い場所はありませんか？」といったオファーがあります。例えば、都心での物件契約をいただいたクライアントに対し、郊外の主要駅を提案すると、非常に喜ばれることがあります。売上は落ちない中で、都心と比較すると駅によっては半額近い物件もまだまだたくさん存在します。新宿駅のような乗降客数世界一を誇る駅、渋谷駅のような流行の発信地、池袋駅のような多様性に富んだ駅、銀座駅や表参道駅のような高級路線、様々なニーズに対応できる物件が求められます。
これまでも、都心の物件をご契約いただいたクライアントへ次の展開として郊外進出を提案していましたが、2020年の新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令され、他のクライアントも郊外に目を向けるようになり、ニーズが爆発的に増加しました。2023年現在、コロナショックは終息しつつありますが、事業用不動産の郊外ニーズは依然として高まっており、都心での新規開業には高いハードルがあります。そのため、スタートアップ企業にとっても郊外は魅力的な選択肢となっています。
東京の一極集中が問題視される中、都心と郊外を繋げる仕事をすることで地域経済に貢献できると感じ、株式会社首都圏ネットワークという枠組みを創るに至りました。

－仕事へのこだわり－

徹底したヒアリングと提案の質・量にあります。
クライアントに最適な物件を提供するために、物件情報や交渉内容など、幅広い情報を提供することを心がけています。具体的な物件情報の提案においては、松・竹・梅のように多角的な提案を行い、クライアントが多様な視点から判断できるようサポートしています。
不動産の探索は単純な作業ではありません。価格、広さ、立地、グレードなど、クライアントの優先順位は様々です。また、全ての条件を完璧に満たす物件は滅多にありません。だからこそ、クライアントのニーズに最も近い物件を提供すること、またはクライアント自身が気づいていないニーズを見つけ出し提案することが、クライアントに喜んで契約をしていただけるポイントとなります。
これを実現するために、お客様のこれまでの経歴や今後の事業展望など、背景を徹底的にヒアリングし、最適なソリューションを提供する努力を怠りません。インターネットで条件を入力して検索するだけで得られる情報ではなく、人間の洞察力と経験に基づく提案こそが真の価値を持つと思っています。
近い将来にAIの技術がますます進歩し、単純作業が自動化されると考えられます。しかし、人間の洞察力や共感力はAIには代えられません。AIは情報を提供できますが、相談者の背後にあるストーリーや感情に対する理解は、人間の専門家にしかできないことです。クライアントと真摯に向き合って話を聞くことで、それに基づいた素晴らしい提案を行い、クライアントの期待を超えるお手伝いを心がけています。

－若者へのメッセージ－

私自身、小さい頃から運動神経は良い方で、サッカー少年として体育会系で育ってきたので、エネルギーだけは人一倍の自信がありました。しかし、そのエネルギーをどこに向けるべきか悩んでいた時期がありました。
熱い人たちの中で、自分を見つけたいという漠然とした思いがありました。その中での私の答えとしては、情熱の溢れる場所が、経営者という常軌を逸した対象者と不動産という大金を取引するフィールドでした。
もし今、自分の進むべき道や状況に疑問や不安を感じているのであれば、少しの勇気を持って、明日を変える選択をしてみてください。自分を俯瞰して、まるでロールプレイングゲームの主人公のように、現実の自分をコントロールしてみることです。そうすることで、どんどんワクワクする新しいステージに進んでいけるはずです。
自分の情熱やエネルギーを信じ、そしてそれを形にしていく勇気を持って、あなたの人生を駆け抜けてください。きっと素晴らしい冒険が待っています。成功と失敗、全ての経験はあなたを成長させ、強くする貴重な宝物です。頑張って、未来の自分に誇りを持って歩んでいってください。