INTERVIEW
NISHITA YUTO

西田悠人

合同会社白ねこグループ 代表社員 https://shironeko.gr.jp/

略歴

2005年、岐阜県羽島市で出生。2020年、芝浦工業大学附属中学校在学中に個人事業主としてウェブ制作事業を創業。2022年、新規事業開始に伴い日本航空高等学校・トライ式高等学院在籍中に法人成り、代表社員となる。2023年、令和四年度パテントコンテストにて特許庁長官賞を受賞。現在はウェブ制作事業を行いながら研究開発事業、ESG推進事業等を行う。

-現在の仕事についた経緯-

現在は、代表社員としての管理、研究開発事業とESG推進事業に従事しています。このような仕事についた経緯には以下のような背景があります。
私は幼少期から電気やものづくりに関心を抱き、小学生の頃からDIYや電子工作を行い、自ら手を動かして物を作り上げることに熱中していました。中学生になるとプログラミングの勉強を始め、数年間にわたって勉強を続け、中学生の時に個人事業主としてNishitaCloudというウェブ制作事業を創業しました。
その後、自身の服薬経験を活かし、薬剤関連の機器の開発に携わるようになりました。最初は趣味の範囲でしたが、薬局の取材などを通じて医療業界の課題に直面し、課題解決への思いを強め、事業を本格化しました。事業を本格化させるため、私は法人化を行い、合同会社白ねこグループを設立しました。これにより、円滑な資金調達や開発、商品化の準備が可能になりました。
また、私は幼い頃から社長になるという強い願望をもっており、白ねこグループという社名で起業するという固い意志を抱いていました。このような理由から調剤関連機器の開発事業に携わることとなり、現在の代表社員という役職に至ります。
さらに、昨年の私と現弊社小川との出会いをきっかけに、弊社はESG(環境・社会・ガバナンス)推進事業を開始しました。この事業は会社の目玉となり、私は全体のマネジメントを担当する役職に就くこととなりました。

-仕事へのこだわり-

私が今の仕事をする中で主に以下の3つの点にこだわりを持っています。
・人と人との関わり方
私はメンバーとの関係を大切にし、信頼関係を築くことを最重要視しています。そのため弊社は上下関係を少なくし、意見を取り入れる仕組みやお互いがコミュニケーションを取りやすくする環境を作っています。代表となると、つい上から目線になりがちですが、腰を低く接し、相手を怒らない、毎回挨拶をするといった基本的なことを徹底し、メンバーの仕事に対する意欲向上に繋げています。また、私は商談、営業等のミーティングは対面を徹底しています。今日の情勢によりオンラインでのミーティングが主流になってきてはいますが、弊社全体で信頼関係を重視していることもあり、ミーティングの際には足を運び、目を合わせ、直接名刺交換をすることで先方との信頼関係の向上につながると考えています。
・責任感
私は会社の代表としては当たり前ですが、メンバー全員の責任を負う立場としてリスクマネジメントを徹底しています。起業したてのときは中学生であり、メンバーも私一人でしたので責任感などほとんどありませんでした。しかし、法人成りし複数人メンバーもいる今日、メンバー一人の行動で私の人生を棒に振る恐れもあるということを自負することで、メンバーを監督する責任感はもちろん、メンバーを信用することにつながっています。具体的には詳細なチェックや監査体制を設け、シロクロを明確に線引きすることで、組織の透明性と信頼性を高めています。また、代表一人が全権限を握ると、会社が誤った方向に進んでしまうことが懸念されますが、弊社は部署ごとに役割や責任を明確にし、メンバー共同で意志を決定することで意見が割れないようにし、私自身が誤った判断をすることを防げるような仕組み作りも徹底しています。
・現場に寄り添った開発
私は何かを開発するときに、ユーザーに寄り添った開発をすることを徹底しています。人と人との関わり方につながる部分もあるため、開発をする中で求めている現場には足を運び、一人一人からの聞き取りを行ってきました。開発を行っていると開発者の想像が主になり、ユーザーが求めているものを見失うことがよくあります。これは、開発者はいいものができたと思っているものの、ユーザーからは不評という結果を招きかねません。私も過去にこのような経験をしたことがあるため、常にユーザー目線で開発を行うことを意識し、ユーザーに喜んでもらうものを開発するというポリシーを徹底しています。また、開発メンバーを少人数とすることで、メンバー内での方向性のズレを最小限に抑える努力をしています。

-若者へのメッセージ-

将来を見据えて行動することは重要ですが、同時に将来に囚われすぎることも避けるべきだと考えます。将来に対するリスクを判断し、解析することは重要ですが、それに固執しすぎると柔軟性や現在のチャンスを見逃すおそれがあります。
人生は計画通りに進まないことが多くあります。そんなときでも、現実を受け入れながら、その時点でできることを精一杯やることが重要になります。その時できることを精一杯取り組むことは、後悔のない人生を送るための鍵です。自身でリスクを判別・解析した後に、その課題に対して少しでも兆しや突破口を感じたら、リスクを恐れずに挑戦することが大切です。私はこのことを「今を生きる」と表現しています。
将来を見越して行動することは大事ですが、同時に今できることにも注意を払いましょう。未来の変化や技術の進歩を考慮しながらも、その時点でできることに全力を注いで充実した日々を送ることが重要です。将来への期待と現在への集中をバランス良く保つことが、より豊かな人生を築くためのポイントとなります。
私自身も起業の過程で数々の苦難を経験しました。自分のやりたいことができなくなったり、試練に直面したりすることもありました。しかし、そんなときでも、あるがままを受け入れ、その時点でできることに焦点を当て、一生懸命取り組んできました。このように、その時できることを精一杯やることは、後悔のない人生、すなわち充実した日々を送ることやリスクを恐れなくなることにもつながると考えています。
私がこのことにこの若さで気づけたのは起業する中での経験があったからです。その時できることを精一杯やることは、起業するしないに関わらず、人生の可能性を広げることにつながります。あらゆる効果をもたらすので、みなさんも日常から心がけてみてください。
将来の進路や夢を考えるときには、今の情勢だけで判断するのではなく、今行われている政策の効果や今後発達するであろう技術などに重きを置いて、10年後の世の中を想像して行動してみてください。その一方で、将来に囚われすぎるのではなく今も大事にしてくださいね。
人生は計画通りに進まないことだらけですが、その時できることを精一杯やればいいと思います。その姿勢は後悔のない人生を送ることや、リスクを恐れなくなることにもつながります。将来の変化や動向を意識しながらも、現在を大切にし、その時点でできることに全力を注ぐことで、充実した日々を送ることができるでしょう。