INTERVIEW
NARITA SUMIKO

成田寿美子

株式会社MCミューズ 代表取締役 http://mc-muse.com/

略歴

1984年、札幌大谷短期大学音楽科を卒業後、一般企業に就職。1989年、株式会社トーク札幌所属。1996年、FMノースウェーブにおいてニュース、お天気を担当。2001年、創立メンバーとしてMCミューズを立ち上げ。2003年、株式会社MCミューズ代表取締役に就任。コンサドー札幌場内インフォメーションDJ、G8北海道洞爺湖サミット、G20観光大臣会合関連シンポジウム、APEC国際会議レセプション等を担当。現在は札幌ミュージック&ダンス放送専門学校、デザイン&テクノロジー専門学校の非常勤講師も務める。

-現在の仕事についた経緯-

幼少時代からピアノをやっていたため音楽の道に進むつもりでしたが、才能の無さと手を痛めた経緯より進路を断念し、一般企業に就職しました。
自分のやりたいことが見つからず、様々な職業の総務、経理、営業に挑戦。そんな中で、友人結婚式の発起人挨拶をする機会が続き、司会者という存在を知りました。
司会者の力量で会の印象が大きく変わるのを目の当たりにし、フリーアナウンサーを目指したのが25歳のときでした。音楽で培った絶対音感が活かされ、多数のCMナレーションを担当しました。
独立をして株式会社MCミューズの代表となり、今年でアナウンサー歴35年になります。これまでにボイストレーナーとしても多数のフリーアナウンサーを輩出しています。

-仕事へのこだわり-

フリーアナウンサーとしては何のノウハウもないまま、プロダクションに所属をしたため、初めは失敗の連続で、音楽の道に進むという大義名分で勉強をしてこなかったことも大きく悔やまれました。
ふがいなさから何度も諦めようと思いましたが、自分の良さは絶対音感だという事も知っており、しがみつく思いで現場をこなしていました。
ですが、そこからある開き直りが生まれたのです。
「自分から湧き出てこないのなら、他人に教えてもらおう」という発想です。
「いいと思うコメントは取り入れる」「自分の感情を言葉にする」「感謝の気持ちを口にする」など、他人を見て良いと思ったことを先ずは真似てみたのです。単純なことですが、これを実行するだけで面白いくらい成功例が増え、劣等感から充実感に変わるほどになりました。
初対面でも良い所を見つけるという習慣が備わり、それを言葉にすることでコミュニケーション力もついたと思います。現在ボイストレーナーとしても活動しており、受講者の長所が何かを見つけ、未来へつながる風穴を探します。その風穴があくと、大きく前進し、時には「化ける」瞬間も見せてもらえます。
弊社はフリーアナウンサーの集団ですので日々様々な現場に乗り込んでいきます。ミスは許されませんので神経は使いますが、感謝の言葉を頂くことも多く、やりがいのある仕事です。
しかし時には失敗をし、大きく落ち込むこともあります。そこを引きずってしまうとその子の良さが霞んでしまうので、しっかり失敗に向き合った後は、前に進むことだけをアドバイスします。
「良い所だけに注力して進む」それが私の仕事のこだわりです。

-若者へのメッセージ-

様々な可能性がある若い皆さん、時にはどこに向かって進んでいいか迷う事もあると思います。
どの方向に進んでいいか迷った時こそ、まずは自分が好きだと思う方向に行動することをお勧めします。そして成功に向けイメージをし、努力を惜しまずに取り組んでください。
思いっきり取り組むことで自分の考え方がはっきりしますし、方向転換してもすぐに気持ちの切り替えができるはずです。
そして自分の良さが何か、早い時期にいくつも見つけてください。自分の長所は様々な困難を乗り切る際の大きな武器となります。武器はたくさんある方が戦えますよね。長所を見つけられない時は表裏一体である短所を見つけるといいですよ。自分の短所と思っていることも状況によっては長所に変換されます。
例えば、負けず嫌いなら「向上心が強い」、優柔不断であれば「比較検討ができる」、せっかちなら「対応が早い」など裏を返すとすべてが長所ですよね。是非自分を肯定して自信をもって進んでください。
相手に対しては謙虚な心を忘れず、自分に自信を持つことが前進の手助けをしてくれるはずです。「未来の自分」は「今の自分」の見ている方向が作り出します。失敗を恐れず、奢らず躊躇せず自分自身を信じ、高みを目指して進んでください。