INTERVIEW
NAKAMURA HIROSHI

中村浩士

一般社団法人タグボート 代表理事 https://www.tugboat1213.com/

略歴

日本福祉教育専門学校卒業。社会福祉法人愛隣会が運営する養護老人ホーム白寿荘の生活相談員として就職。施設長補佐を経て同法人の総合ケアセンター駒場苑に異動。ケアマネージャーとして活躍しながら特養、ショートステイ、デイサービス、グループホーム、居宅介護支援、訪問介護の6事業の統括施設長を6年経験。その後請われて、西多摩地区にある社会福祉法人福信会の事務局長に就任。4年後に独立して現在に至る。その間、上智社会福祉専門学校非常勤講師、ヒューマンヘルスケア主催のセミナー、全国社会福祉協議会月刊誌「ふれあいケア」やシニアコミュニティ執筆、東京都社会福祉協議会生活相談員研修委員、目黒区指定管理評価(選定)委員、福祉サービス第三者評価者等を歴任。詳細はHPプロフィール参照。

-現在の仕事についた経緯-

福祉に興味を持ったきっかけは、高校時代に何の気なしに手にした学校案内を見て「福祉って聞いたことあるけど面白そう」と思った程度のものです。その後、専門学校や老人ホームの生活相談員、介護事業所の管理者を経て、別の社会福祉法人の事務局長在職中に知人より在宅サービスの相談を受けました。その際「そこまで熟知しているなら何故自分でやらないの?」と言われた一言がきっかけで起業を検討しました。
介護業界は経営的な厳しさがありますが、訪問介護での早朝や夜間のサービスは加算率が高く、収益が望める事は分かっていました。また、以前勤めていた養護老人ホームにその時間帯のニーズがあることも分かっていたので、現施設長(私の後輩)に打診をし、早朝と夜間に毎日複数利用者のサービスに入る計画を作成し、これを基に仲間を集めて事業を開始しました。

-仕事へのこだわり-

福祉とは「誰もが幸せに生きていけること」と解釈し、私は介護ではなく福祉をやりたいと心に決めてきました。若いころは老人ホームの生活相談員として利用者と向き合い、利用者の笑顔のため、幸せのために尽くすことを喜びとしていました。
しかし、一人の努力やスキルでは限界があり、組織的に行わなければならないことに気づきました。そこで「人」を育て「組織」を作ることが利用者のためであり、福祉の実現に欠かせないと考えるようになりました。
現在、介護人材が不足していると各事業所が躍起になって人材確保に励んでいますが、どこかに良い人材が転がっているわけではありません。良い取り組みを実践し、こういう人と仕事がしたいと思われる人材に自分がなり、それらを発信して、限りある人材に選ばれるための「種まき」をすることが大切です。
福祉業界は人について育てることを意識してきませんでした。人は「教えなければ育たない」のは当たり前なので、私はそのための教育を重視し、専門職を育てることに力を入れています。そうして必要な量が確保され、質が向上した段階で、お互いを尊重し合える仲間で組織を作ることを目指しています。
個人の専門性が向上し、組織力が強まれば事業所のサービス力が高まり、利用者の満足度が上がり、その対価として報酬を得ることができます。福祉循環を構築することが私の役割だと認識して今までやってきました。
大きく古い体質の組織では、考え方は共有出来ても実践において「今までのやり方」が重視され、イノベーションを起こすことが出来辛い福祉業界で、こういった考えを広めて、仲間を増やし、結果を出すことで業界を変えていきたいと考えています。

-若者へのメッセージ-

日本は起業率が低く、大手企業や公務員に人気が集まっています。もちろんそのことがいけない訳ではありませんが、仕事に対する意味が「安定した生活を得るため」という点に重点が置かれすぎている気がします。
一度きりの人生ですからもっと自由に、やりたいことにチャレンジしてもいいのではないでしょうか。
決して無謀な生き方をしろと言っているのではありません。私自身も子供たちが社会人になったのを機に、今までの経験や人脈を生かして起業しました。
私の好きな言葉に「人生夢求」という造語があります。夢を持ち続け、努力し続ければきっとその夢は叶う。という意味です。
同じような意味で「継続は力なり」という言葉がありますが、それには下の句があります。
「努力なき継続は無意味なり」といいます。ただ続けるだけではなく、夢に向かって努力し続けなさい、そうすればきっと叶います。ということです。
既に夢を持っている人はその夢に向かって進んでください。今夢を持てていない人にも、いつかその時がやって来ます。その時を楽しみに、様々な学びや経験を積んで下さい。
いつか若い皆さんと人生について語り合える日が来るのを楽しみにしています。