INTERVIEW
-MITAMA-

巳碧

オフィスミタマ マジシャン https://mitamagic.jp/

略歴

2005年、17歳の時に独学でマジックを学び、高校在学中にしてプロデビュー。2012年、テレビ朝日で行なわれた“マジシャンの世界一”を決める番組「超マジシャンズリーグ」で先輩プロマジシャンをはるかに上回り史上最年少で優勝。これが噂になり海外での活動も広まる。24歳でアメリカにて州知事などが参加したレセプションパーティーにて特別ゲストとして初の単独公演も行い、翌年からはマジックのアイディアを取り入れた舞台演出や指導、イベントの企画提案などもこなし、マルチに活動を開始する。2017年から地上波などのメディアでもレギュラー番組を持ち、長澤まさみ、深田恭子、織田裕二、バナナマンなどの様々な有名人とも共演を果たす。現在ではメディアはもちろんのこと、各種企業イベントや様々なVIPのパーティーからも多数声が掛かり、観客の目の前で行われるクロースアップマジックから、数百人規模のイリュージョンまでこなし、これまで誰もが体験したことのない、新しい形のマジックも取り入れ、毎回観客を120%魅了させ、日に日に活動の幅を広げている。著書に『マジシャンが教える女性必見の恋愛心理術』(Galaxy Books株式会社)。

現在の仕事についた経緯

小さい頃からテレビでやっているマジックや大道芸、腹話術などのパフォーマンスを見るのが好きで、よく真似事をしていたのですが、飽き性の為ジャグリングなどが少しできるようになるとすぐにやめてしまいました。
マジックはタネがわからないため真似をすることができず手をつけていなかったのですが、高校2年生のある日突然チャレンジしてみたくなり、図書館にマジックの本を探しに行ったのを今でも覚えています。
始めてみると一切飽きることなく、自分でも驚くようにハマっていきました。元々人に楽しんでもらうことが好きな性格だったので、マジックを始めて1ヶ月後には「あ、僕はマジシャンを生業にするんだ。」と謎の確信があり、在学中に職場を探し、僕のプロマジシャンという道がスタートしました。

仕事へのこだわり

僕が意識していることは3つです。
①常にマイノリティになる。
これはシンプルに他のマジシャンがやってないマジックを行なったり、自分にしかない強みを作ってクライアントに提案したりすることです。
皆さんは普段の生活であまりマジシャンに会うことはないでしょうから、そもそも存在自体がマイノリティです。
ですが、沢山のマジシャンが出演しているマジックバーで、全員が同じようにトランプマジックをしたら、その場ではそれがマジョリティになり、お客様は【トランプマジックを見た】という記憶しか残りません。
悲しい事実ですが、マジックは現象自体にインパクトが強すぎるため、内容は覚えていてもマジシャンの名前を覚えていないことがほとんどです。
そんな中で全く違うアプローチ(例:観客が持っていた私物を借りてマジックをするなど)をすることによって、その中でもマイノリティになることができ、相手に覚えてもらいやすくなります。

②自分がやりたい事ではなく、相手が求めてるものを提案・提供する。
こちらは、僕のマジックを見に来てくれたお客様も、オファーをくれたクライアント様も一緒です。
「この人はどんな好みなのか?物が消えたり浮いたりなど目で見える現象がいいのか、思ったことを当てるなどの心理的なマジックが良いのか」を会話などのコミュニケーションで探って提供します。
ステージやイリュージョンなどのショーでは、途中で演目の変更は難しいので、依頼主に今回オファーをしてくれた理由を聞いたり、背景を見たりしていくつかのプランを提案します。
よく「表現者(演者)はこだわりがないとダメだよ」と言われますが、僕はマジックの形にこだわらないことがこだわりです。

③NOと言わない
シンプルに出来ませんと言わないだけです。オファーを受けたその瞬間では出来ないことも本番までに出来れば嘘ではありません。もちろん絶対失敗してはいけないというプレッシャーはありますが、僕は成長のチャンスだと思って堂々と「出来ます!」と答えます。
昔、おぎやはぎの矢作さんに鳩を出すマジックをレクチャーして欲しいという依頼を頂きましたが、僕は人生で1回も鳩のマジックをしたことがありませんでした。それでも実際にレクチャーする時には技術を身につけて仕事を完遂しました。
これをNOと言っていたら、仕事もなくなるし、成長もできないという勿体無い結果になっていたでしょう。

今フジテレビで約5年程レギュラー番組をさせてもらっていますが、芸能事務所に所属していないフリーのマジシャンが長い期間オファーしていただけているのも、この3つが要因なのではないかなと思います。
その他にも工夫はたくさんありますが、書き切れないので、気になった方はいつでもご連絡ください。

若者へのメッセージ

やりたいことが見つかったら、まず行動してみるのがオススメです。
いきなりチャレンジすることは不安かもしれませんが、必死にやれば案外どうにかなるものです。
そしてチャンスはいつ転がってくるか本当にわからないので、数少ないチャンスが来た時には絶対逃さないように準備をしておきましょう。
その準備や努力をついサボってしまう人には、自分を追い込む環境を作るのもいいですよ。
僕自身が結構サボり魔なので、周りに宣言したり、SNSで公言してわざと追い込んでひぃひぃ言いながら準備することも多いです。でも終わってから「あの時追い込んでよかったなぁ」と思うんですよね。
やりたいことが見つかったけれど、何をすればいいのか分からない人は、その道で将来(何歳で)どの位置にいたいかを考え、それを逆算していくと今するべきこと、しなくてはならないものがわかりますよ。
今書いたことは基本的に誰でもできることです。僕は誰でもできることを継続してやり続けることができる人が次の世代を育てていくのだと思います。
皆さんも自分に負けずに頑張ってください。マジシャンを目指したい人がいたら大歓迎ですよ。