INTERVIEW
MIDORI KENJI

緑健児

NPO法人全世界空手道連盟新極真会 全世界空手道連盟新極真会 代表理事 https://www.shinkyokushinkai.co.jp/

略歴

1962年奄美大島生まれ。1978年に空手修行のため上京。1991年、極真会館第5回全世界大会に優勝。2000年、NPO法人極真会館の代表理事に就任。2001年、IKO国際空手道会の会長に就任。2003年、NPO法人全世界空手道連盟新極真会に名称を刷新。現在は世界103カ国における新極真空手支部の運営支援・大会運営を中心に、骨髄バンク支援や青少年指導を行う。

空手で育んだ人間性

私たちは、新極真空手を世界中に広めている団体です。故・大山倍達総裁が1956年に創始した極真空手の伝統と意志を受け継ぎ、現在は103カ国に支部を置いています。「心極める」の理念のもと、「青少年育成」「社会貢献」「国際交流」3つの活動方針を掲げ、国内外支部の活動、骨髄バンクチャリティー活動、献血活動、国際協力隊活動なども行っています。

空手には、直接打撃を避けた寸止めの「ノンコンタクト空手」と、直接打撃制の「フルコンタクト空手」の2種類があり、私たちは後者を採用しています。直接打撃することで、人の痛みが分かる人間を育てています。
私は子どものころ体が小さく、喧嘩に強くなりたくて空手を始めました。気が小さくて、すぐに物ごとを諦めてしまう性格も変えたいと思っていましたね。初めは通信教育で練習していましたが、本格的にやりたいと東京の高校に進学しました。自分を変えるために、誰よりも稽古して、極限まで自分を追い込みました。ジャンピングスクワット350回を目標に掲げ、毎日徐々に回数を増やしていったものです。それを達成できたとき、初めて「自分は行ける」と自信を持て、そこから徐々に試合で決勝に行けるようになりました。人生を変えたのは、世界大会での15秒間。絶対に諦めない心で戦い抜くことができ、世界チャンピオンになれたのです。あの瞬間を乗り越えられなかったら、今私はここに居ないでしょう。

自分で限界をつくらない

会長を務めて23年、世界中の仲間には心から感謝しています。弟子が世界で活躍していること、子どもたちが空手を通して成長していく姿を見られることを誇りに思っています。引き続き仲間と友情を深めながら、フルコンタクト空手をメジャースポーツにして、日本の武道精神を世界に広めていきます。空手を通して強いリーダーシップを発揮できる人間を育成し、困っている人に手を差し伸べられる人間を輩出していきます。

先日還暦を迎えましたが、いくつになっても健康でいたいですね。還暦は人生の再出発地点。人のために行動できる人であるために、常に大きな目標を持ってチャレンジし続けていきます。私は新極真会の代表になったとき、リーダーに必要な3つの要素を考えました。「限界をつくらない」「行動で説得する」「華がある」です。皆さんも自分で限界をつくらずに、自ら先頭に立って行動し、常にポジティブでいれば、必ず良い道が開けます。一緒に素晴らしい人生を歩みましょう。押忍。