INTERVIEW
MATSUMURA MASANORI

松村昌典

株式会社Management Intelligence Service 代表取締役 https://mis-jp.net/

略歴

2012年、立命館大学経済学部を卒業。卒業後は地元山口県に帰郷し、山口県中小企業団体中央会に入職。『ものづくり補助金』事務局において事業の推進管理や地域事務委託元との調整業務にあたる。在職中に応用情報技術者資格、中小企業診断士資格を習得する。令和4年に独立し『株式会社Management Intelligence Service』を立ち上げる。『IT×経営』をコンセプトに、ITコンサルティング業や中小企業の現場改善、補助金・助成金獲得サポート業務WEBマーケティング事業などを行う。

現在の仕事についた経緯

優秀な人材は都会に出ていく傾向が顕著です。実際に私の同級生で優秀な人達は、東京や大阪などの都市部で仕事をしている人が多数です。その人達と話をしても、本当は地元で働きたいけど条件のよい仕事がないから都市部で働いている、といった意見が聞かれます。私はご縁があって大学を卒業してすぐに帰郷しましたが、職場環境やIT導入状況、待遇面など、様々な面で都市部と地方の差は顕著だと感じます。
また私は現在、5歳と1歳の子供を育てていますが、子供達が大人になって仕事を探すタイミングで山口県に魅力を感じられるかを真剣に考えるようになりました。そこで、山口県にも成長が見込めて都市部に引けを取らない企業があれば、優秀な人材の流出を防ぐことができ、将来的に地域経済の活性化、ゆくゆくは日本経済の活性化につながるのではないかと考え、起業しました。

仕事へのこだわり

何よりも攻めの姿勢を大切にしています。面白そうなことがあればやってみる、失敗を恐れずにチャレンジする姿勢は前職の頃からずっと大切にしています。前職では中小企業の経営サポートや補助金実施サポートを主に行っていました。またIT関係の業務に携わることも多く、「IT×経営」を当社の軸と設定し創業しました。創業時には経営コンサルタント業務やITを活用した経営改善業務を中心にしていたのですが、2023年3月にご縁があり、WEBマーケティング事業を承継しました。昨今はWEBでの情報をベースに意思決定をするのが一般的になっており、WEBマーケティング事業と既存事業とのシナジーも大変期待をしております。正直、わが社にとって未知の部門ですが、攻めの姿勢で突き進んでいきたいです。
とはいえ、攻撃一手だと会社としてどうなのかと。そこで、優秀な人材の発掘にも力を入れていきたいと考えています。社員に後方支援をしてもらい、私は攻めていく。このスタイルが理想です。優秀な人材は都市部に流出する傾向にありますが、地方にも何らかの理由で埋もれている優秀な人材がいると、私の肌感覚で確信しています。地元志向だったり育児や介護で長時間働けなかったり、定年退職で都会から地元に帰ってきたり、そういった人達を積極的に雇用し適材適所で配置すれば、会社の成長に繋がりますし、ひいては地域経済の活性化につながると考えています。
優秀な人材を発掘するだけではなく、社員の意見を素直に聞き、取り入れられる部分はどんどん取り入れることが重要だと考えています。どうしてもキャリアを積むと自分の考えに縛られてしまいます。社長として譲れない場面も多々出てくると思います。だからこそ、これからもフラットな気持ちで人の意見を聞くことを忘れずにいたいです。わが社はITの会社ですが、やはり最後は人間力だと考えています。

若者へのメッセージ

数年前の常識が常識でなくなる時代、常に学び続けることを大切にしてほしいです。学び続けるには、自分の強みや弱み、興味のあることを把握することが重要です。当たり前だと思われるかもしれませんが、人間は無意識のうちに固定概念に縛られていたり周囲からの期待に応えようとしたりするものです。自分の無意識の領域をキャッチするのは難しいですが、自分自身の自己認識を誤ると将来的に辛くなるため、なるべく早い段階に適切な自己把握をしてほしいです。
就きたい仕事と自分の特性がミスマッチなこともあるでしょう。いくら仕事に対して情熱があっても、根本的に向いていなかったり、人間関係などの職場環境が向いていなければ、いつか辛くなります。もちろん情熱も大切ですが、自分に向いていることを冷静かつ多角的にアセスメントし、主観的な情熱と客観的な適性の折り合いがつく仕事を見つけてほしいです。もちろん、情熱と適性がマッチしていれば『攻めの一手』で突き進んでください。
そしてマッチする仕事がなければ自分でつくる、そんな自由な発想を持っていてほしいです。起業が身近になった今、自分にバイアスをかけずに柔軟な気持ちで自分の仕事、自分の人生に向き合ってほしいです。
『〇〇すべき』から始まった学びは長続きしません。『〇〇したい』から始まる、むしろ気付いたら学んでいた、そんな学びを続けられる仕事に巡り合ってほしいと思います。