INTERVIEW
KUSUNOSE YU

楠瀬勇

ARATA株式会社 代表取締役 https://arata-automation.com/

略歴

大阪府立園芸高校を卒業後、某大手不動産グループ傘下の造園土木会社に入社。3年間従事し、個人事業主でモバイル通信業へ転身。業務先で培った業務効率化のスキルを活かし、2021年7月にARATA株式会社を設立。同タイミングで、個人事業主でお世話になっていたモバイル通信会社の執行役員としても選任いただき、組織管理にも携わる。

現在の仕事についた経緯

農業高校を卒業後、造園・土木業の施工管理会社へ就職しました。
3年間従事し、業界の古い考え方や年功序列の社内制度に疑問を抱き、稼ぎたい意欲もあったため、ご縁から個人事業主として通信業界に転身。業務先の大手通信会社にて、業務時間外に開発したVBAマクロから、業務効率化の重要性に気付きました。
VBAのみならずGoogleAppsScriptやPython、他社のRPA製品などの知識とスキルを身に付け、数々の業務を自動化し、そこで得た評価と実績から、他社様からもご依頼をいただき、業務効率化ツールの開発を受注していくようになりました。
2021年にARATA株式会社を設立し、これまでに数十社の業務効率化ツールの開発を行ってきました。
また法人設立と同タイミングで、お世話になっていたモバイル通信会社の執行役員としても選任いただき、組織管理にも携わるようになりました。

仕事へのこだわり

脱サラ当時から、私が大切にしていることは「人を稼ぐ」ことです。
いち経営者として「会社に売上や利益を生むことは最重要事項である」ということは言うまでもありません。
ただ“お金のためだけの経営”にならないように、“数字に比重を置きすぎる人生”にならないようにというのも、同じぐらい大切にしています。
これは自社で働いてくれているスタッフや、弊社に開発をご依頼いただけるクライアント様にも共通していて、常に「働きに見合った報酬を渡せているか?」「いただいた金額が提供したシステムの対価として見合うか?」を、高い低いに関わらず考える癖をつけています。
ここについては単純に、相手が納得していないお金に、そこまで価値を感じないからです。
ビジネスやお金は矛盾だらけで、同じ仕事内容でも、相手や状況によって金額が上下します。
これはある程度仕方のない事だということも、脱サラしてからの数年で理解しています。
ただ、双方がしっくり来ているか、という点については対話によって矛盾を埋められると考えています。
クライアント様へは、“何故この金額になるのか”をしっかり伝え、相手の意思も受け取り、双方が納得した状態でお仕事を進める。
そして余力がある限り、“求められているモノ以上の価値”を提供する。
スタッフについては、それが深夜であっても親身になって相談に乗り、一緒に解決の方法を考えてお仕事を進める。
それにより人から信頼を得ることが出来る。これが「人を稼ぐ」ことだと考えています。
残念ながら今の私には、世界を変えるサービスを作りたいというような壮大なビジョンはまだ見えていません。
これはまだ、私が経営者としても人間としても未熟なためかもしれません。
少なくとも今は、世界を変えて歴史の教科書に載ることよりも、身の回りの大切な仲間たちや、クライアント様一社一社と末永く、深く関われる会社・人間で有りたいと考えています。
そこに共感して集まってくる「人」が増え、会社も大きくなり、最終的にはお金が集まってくる。ということが本質だと思っています。

若者へのメッセージ

とにかく若いうちから色々な人の成功談や失敗談を聞き、本を読んで広く知識を付けることをおすすめします。
ただし、広いだけではいけません。広く浅くだけでは、口だけで夢を語る、薄っぺらい人間になってしまいます。
知識を付けながら、騙されたと思って何か一つのことに熱中する期間もとても重要です。
何をやればいいか分からない時は、とにかく上手くいっている人のマネをしましょう。
お金を稼いでる人でも、オシャレな生活をSNSにアップしている人でも、何でもいいです。(ただし悪い事は辞めましょう。悪い事というのは例えば、相手を傷付けて自分が利益を得ることです。)
自分の中に“自分でも出来た”という自信を付ける事が、今後の人生でとても大きな糧になります。
ただ、前に進めば必ず「このままでいいのか?」「自分はなんでこんなに出来ないんだ」と不安になり、落ち込みます。
そんな時は、存分に悩んでください。
悩むというのは“自分が今までに体験していない壁”にぶち当たっている証拠です。逆を言うと、“悩みが無いときは自分が成長していないとき”だと危機感を持ってください。
壁の越え方は、人生の先輩方や、過去に同じような壁を乗り越えた自分からヒントをもらいましょう。
一度きりの人生です。そして誰のものでもなく“あなた”の人生です。
20代のうちぐらい、本気を出せばいいのです。