INTERVIEW
KUSUMOTO YOSHIMU

楠本仁麦

niho'ohe合同会社 代表社員 https://nihohe.co.jp/

略歴

ハワイ大学大学院を中退後、海洋観測機器専門の輸入商社に入社。プロジェクトリーダーとして洋上ドローンWave Gliderの販売を手掛け、国内初の導入を含む20台余り全ての案件を担当。現在は、観測機器販売の他、人脈を活かして海洋業界で活躍する個人・企業同士の仲介斡旋を行う。

現在の仕事についた経緯

この数年で水域においてもドローンやロボットの利活用が広まってきました。しかしそれらのほとんどは操縦者が付き添うラジコン的なものに限定されています。
見えない場所で完全自動で作業を行う水上水中ロボットについてはニーズが高いものの、実際に運用を行っていくための体制が不十分で、ユーザーにとって運用イメージを持ちづらく導入に至らない状況でした。
自律型ロボット普及の為には売り手が業界に向けて新しい形で解決案を示していく必要があると考え、昨年会社から独立して活動をはじめました。

仕事へのこだわり

理想は日本を海洋ドローン先進国にすることです。海洋事業者が海洋ドローンを材料にサービス提供できる体制づくりを支援し、海洋ドローンの生む利益が広く行き渡る世の中に変えていきたいと思っています。
前職ではWave Gliderというアメリカ製の洋上ドローンの輸入販売を主に行い、最初の内はその関連する運用サービスも自前で提供していました。会社としては利益が集まる二重構造ができて良かったのですが、そうすると製品の保守管理方法などの基本的なノウハウが外に出ていきにくくなり、普及の観点で見るとマイナス要素になっていました。コストが下がらず質は上がりにくい膠着した現状が生まれてしまったので、サービスの自由化によって改善したいと考えるようになりました。
また当初は、自律型ドローンによる自動化でコスト削減が可能という触れ込みで販売活動を行っていました。しかし実際にある程度の導入が進むと、船舶やブイなど従来の観測手法を海洋ロボットで取って代えられる部分は意外に少なく、運用に際しては人の労力は減るどころか、むしろ結構な数の新しくやることが増えました。ドローンはドローンにしかできないことがあって、従来の観測を補強するものという位置づけです。
自動観測するドローンが仕事を増やしたという点は、海洋事業者を巻き込みやすくてポジティブに捉えています。さらに海洋ドローンはサイズ・機能別に小型~超大型まで5段階くらいのクラスがあり、私が主に取り扱っているものは練習にぴったりの3mくらいの中型です。業界に担い手を増やして、いずれ世界中で必ず起こる海洋観測のデジタル化に日本が遅れることがないよう、これからも周辺企業やフリーランスの方はじめ、関係各所との協力を得て海洋ドローンの利用が広がる社会をいち早く実現するよう活動していきます。

【座右の銘】

人を呪わば穴二つ