INTERVIEW
KOBAYASHI YOKO

小林洋子

家事代行piu-c クリエイティブディレクター https://www.piu-c.jp/

略歴

高校卒業後、日本電気株式会社に入社。教員への夢を捨てきれず退社し、玉川大学文学的教育学科(現教育学部)に入学。小学校教諭を目指すも現場の厳しさを目の当たりにして挫折。人材育成の研修会社に入社し、清掃部門にて教育を担当する。その後独立して、現在に至る。

-現在の仕事についた経緯-

この仕事に最初に出会ったのは2001年。
大学を中退し紹介で出会った人材育成の会社の中に、ハウスクリーニング部門がありました。
ほぼ0→1の立ち上げだったので、訪問営業、ポスティング、新聞折込広告、現場スタッフ、全て自分たちでやりました。
マンション管理人が不在の深夜・早朝ポスティング。
掃除道具を持って飛び込み訪問営業し、断られ凹みながら歩き続けた若い日。
経営を座学ではなく実際に動きながら学ぶスタイルが新鮮で面白かったです。
それが20年以上も続く事になろうとは、思いもしませんでした。

-仕事へのこだわり-

コロナ禍以降自分の自宅を仕事場にする人が増えましたが、私は逆です。
「他人の家」が私の仕事場だからです。
家事代行という仕事は一見地味に見えますが、実際その通り。
しかし私はホームではなく、アウェーで信頼を勝ち取ることにやり甲斐を感じてきました。
それは新人時代から一貫してます。
「あなたは私の精神安定剤よ」
「またあなたに来て欲しいわ」
「後のことは頼むよ」
お客様からいただいたこれらの言葉は、ある意味戦利品と言えるかもしれません。

私がお客様のプライベート空間に入らせていただく際、大切にしてきた事が一つあります。
それは「お客様」と「サービス提供者」の線をしっかり引き、また同時にその線を取り払う事。
家族のようで家族ではなく、友達のようで友達ではない。
時に空気のように存在感を消し、時に親友のように側に居てあげる。
そのニュートラルな関係性を大切にし、また楽しんできました。
お掃除、お片付け、それら実務は続けていれば自然に上達しますが、人間関係はお手本も教科書も無い。
私はお客様とのコミュニケーションを通して表現力を磨き、心の在り方を磨き、自分自身と向き合ってきました。

20年間という長きにわたり仕事を通じて自分磨きをしてきましたが、そろそろピリオドを打とうと思います。
これからは仕事を使命に昇華させ、ニュートラルな存在を卒業して、白黒コントラストを付けながら前進していきます。
「自分にしか出来ない仕事」それを実現させるために。

-ゲームチェンジ後の世界を生きる皆さんへ-

●武器を持ちアウェーで信頼を勝ち取れ●
他人への配慮が得意な日本人には、器用貧乏な人が多いように思います。
そんなあなたに足りないのは競争心。
そして武器です。
それさえ克服すれば、アウェーに強いオールラウンドプレーヤーになれる。
他人に持たせた舵を取り返し、自分の人生のプレーヤーになって、未知の世界を楽しもう。