INTERVIEW
KIRIAKE YUKIHIRO

桐明幸弘

株式会社インテグリティサポート 代表取締役社長 https://intkiri.com

略歴

1980年「東洋信託銀行」(現三菱UFJ信託銀行)入行、1990年M&A仲介専門会社「レコフ」に入社。国際間M&Aアドバイス、不動産証券化企画などを担当。米国不動産専門投資銀行「ソネンブリック・ゴールドマン」を経て、2001年にデロイトトーマツグループ入所、2003年に事業再生部門を立ち上げ、ホテル・旅館・ゴルフ場等を中心に事業再生支援サービスに従事。その後、独立起業し「株式会社インテグリティサポート」代表取締役に就任。過去に福岡市経営補佐顧問、太平洋クラブ株式会社社長なども務める。

現在の仕事についた経緯は?

信託銀行に入行したときに、不動産鑑定士の試験に合格して、日本企業の経営において重要な不動産の知識や信託の知識、金融リテラシーを身につけました。その後M&A仲介会社の老舗であるレコフにてコーポレートファイナンスを学び、海外企業との交渉術なども勉強しています。
2001年に監査法人トーマツに入社して、2003年に監査法人トーマツで事業再生支援のサービス部門を立ち上げてから、中小企業の事業再生や事業承継に尽力しています。中小企業の経営者は、再生や承継の件を相談する専門家の選び方がわからなくて、弁護士やM&A仲介会社の餌食になっていると考えており、そうではない事業の継続を主目的とするコンサルティングを始めようと思いました。

仕事へのこだわり

常に自分の正義感に照らして仕事をしたいと思っていました。仕事においては、依頼者のみの利益を追求するのではなく、依頼者を取り巻く全ての人たち、あるいは敵方であっても、納得して不幸になることのないような仕事をしたいと思っています。ですから、職業上の倫理観は非常に大事にしていますし、その上で体制側や権力者にはつい歯向かっていきたくなる思いを胸にしまって、自分の務めを果たそうとしています。
例えば、信託銀行の時代のお客様で、預金を解約してNTT株式を購入したいという依頼があったときに、株式のリスクを説明して翻意してもらったことがあります。また、メイン銀行から再生支援の依頼があった会社の内情を調査し、銀行から派遣された専務がやっていた店舗売却が間違っていることを銀行に対してきちんとクレームしたこともあります。
監査法人で事業再生の部隊を立ち上げたときに、幹部からは銀行側(債権者側)に逆らうなと言われていましたが、むしろ債務者側への支援を厚くしていました。
そのため、仕事へのこだわりとしては、「強きをくじき、弱きを助ける」というところです。

若者へのメッセージ

現代の若者は、かつての日本企業の繁栄を知らず、停滞した経済の中で育ってきましたから、夢を持てとか、理想を追求しろと言われてもどうしたらいいかわからないのではないでしょうか。しかし、今の時代ほど世の中の仕組みを知ろうとして勉強を独学でできる時代はありません。そのため、自分の周りの社会がどういう仕組みで廻っているのか、誰が大きな声を出して民衆を導こうとしているのか、それが自分の正義にとって合致しているのか、しっかり自分の目で確かめて、自分の方向性を決めてほしいと思います。
決して、他人の言うことを盲目的に信じることだけはしないでください。自分が幸せになりたいと思うのなら、まずは他人の為に働いて、その人から感謝されるようになってください。「情けは他人のためならず」の意味を噛みしめて生きて行かれることを希望します。