INTERVIEW
KIMURA AKIHIRO

木村彰宏

木村アルミ箔株式会社 代表取締役社長 http://www.kimura-alumi.co.jp/

略歴

阪南大学経済学部卒業後、カナダ・上海に駐在。帰国後、海外事業部を立上げ貿易事業を開始。りんくうタウン工場の立上責任者、洋菓子事業の責任者、包材事業の責任者を歴任。常務、専務時代には管理部門・営業部門・製造部門を統括。2021年8月に代表取締役社長に就任。

現在の仕事についた経緯

幼少期からアルミ箔に囲まれて育ちました。小学校低学年から祖父母の家が本社だったのでよくハンディプレス機でアルミホイルカップの製造をしてお小遣いを貰っていました。
大学卒業間近までシガーバーでアルバイトをしながら、お客様としていらっしゃる様々な会社の社長さんに多く刺激を受け、成長と経験を積みました。学生時代のある日、今まで滅多に話さなかった父から会社の会議を見に来ないかと誘われ、渋々参加してみた際に開眼した事を今でも覚えています。
話している内容が異国の言葉の様にちんぷんかんぷんで情けなくなりました。このままではいけないと思い、勉強机を購入。本を読み漁り勉強に目覚めました。この勉強机は今でも自宅でデスクワーク用のPC用机として使用しています。
大学卒業後はグローバル・国際感覚を養う為、必要言語である英語を学びにカナダで1年を過ごし、帰国後は当時世界の工場と言われつつあった中国に目を付け上海に足を運びました。その際に住居も下見に行き、翌月には渡航しました。
恐らく自分自身は家族経営(所謂オーナー企業)の何たるかも分からず、勝手に入社し事業承継するものだという甘さがありました。振り返ると【父の誘い】が無ければこの仕事に就いていなかったと感じております。
幼少期より仕事が忙しく、私とキャッチボールすらした覚えがないほど接する事が無かった父の暗黙の誘導が、今の私をここまで成長させてくれたと思います。感謝と責任を強く感じるきっかけになりました。

仕事へのこだわり

とにかく当初から決め、特化したことは会社のすべてを知るという事です。その上で、次のステップとして社外を知るために海外や国内市場をとにかく積極的に動き回りました。自分の目で見て体で感じたことは、必ずストーリーとして、自分自身の経験となり一生残りますし、いくつになっても覚えているものだと思います。
その次のステップは自分自身の成長です。異業種交流会や銀行の若手経営者会に積極的に参加し、視野が広がりました。今では人を生かすことがプライオリティに変化しますが、経営資源の最大のリソースは「ヒト」です。人の成長が企業の成長です。
常に私は、この状況であればこうしたいと強く思って自分のターンを待ちます。マイターンになればひたすら実行する。私の場合は【スリムでスマートな経営】でした。ひたすらマイターンに成るまで、反面教師も含め第三者的な視点も持ち合わせて準備・用意することを大切にしております。
特に今の現状を鑑みてバランスを見極めるスキルがどんなグレードのポジションでも求められる要素になってきていると感じます。

若者へのメッセージ

私はオーナー企業の跡継ぎというポジションですが、同じポジションでも境遇が違う方もおられるかと思います。事業承継という難しさは一言では計り知れません。携帯やインターネットが普及した初期で今の文明開化とは便利さが特徴的です。これらのツールを上手く活かせる人材が現状打破に必要なピースになってくると私は強く思います。
関西弁で“いっちょかみ”という言葉があります。何にでも興味をもち、積極的に参加し、いち早く経験し、常にポジティブで前を向いていると、仕事においてもプライベートにおいても良いことがあると信じています。
道は開けるので、捲土重来・乾坤一擲の精神で頑張って下さい。