INTERVIEW
KAWASAKI JUN

川﨑淳

アム株式会社 代表取締役 https://umu-inc.com/

現在の仕事についた経緯

弊社はもともと母体である株式会社シンキオンから独立した「株式会社シンキオン・クリエイティブ」という会社で、2020年に社名変更してアム株式会社となりました。
私は2007年にシンキオンへ入社後、通信販売大手であるニッセン様のECサイトの運営ディレクター、チームリーダーを担当。シンキオンが創立10周年を迎えた頃に、代表との話し合いを経て立ち上げたのがシンキオン・クリエイティブでした。
実質はシンキオン時代の社員全員が移籍し、顧客様との契約もすべて移行したため、会社としてまったくのゼロスタートではありませんでしたが、それでも1年目は売り上げが下がるなど苦しい思いもしました。
2年目以降は黒字展開、事業拡大と順調に進み、会社としての新たな佳境を迎えたのは2017年のことです。
従来通りのWeb制作・デザインだけの事業で勝負していくのは苦しいとの判断から、2020年にシステム開発等を行うプロシスタ株式会社と提携。
事業範囲を拡大すると共に、母体のシンキオンから完全に外れることとなったため、名前をお返しするという意味で社名変更し、再スタートを切りました。

仕事へのこだわり

Web制作はあくまで、お客様の経営課題を解決するための1つの施策でしかありません。
ですから、たとえサイトのリニューアルを依頼されても、そもそも効果が薄いと考えられるのならば、私達がデザインやUIを一生懸命考えたところで、ただ見えている課題を叩いているだけのことになってしまいます。
しかし、私がしたいのは常に根本的な課題解決です。
そこで重要なのは、Web制作事業からいったん頭を離して、課題がまず何なのかを見極め、「どう作るのか」より「何をするのか」と戦略を考えることだと思います。
私は「卵の黄身を考えよう」とよく言うのですが、何かを作るにしても、そもそもこれは何のために作っているのかという視点は常に意識しています。

今後の目標

2015年頃からマーケティングに力を入れていこうということで、当時はWeb系広告代理店様とパートナーシップを結び、制作側から集客や広告の数字の部分にコミットしてきましたが、今年からは3C分析等を通じて、お客様の強みをしっかりと見極めていく弊社ならではの本格的なマーケティングを展開したいと思っています。
そして、同時並行でデザインコミュニケーションとコミュニケーションデザインもしっかりと進めていくということが、今後の展望です。
ChatGPIの出現によって人間の仕事が脅かされつつありますが、私達はアウトプットの付加価値を高めていくしかありません。
人間同士のコミュニケーションの中から生まれる不調和や偶発的なものを含め、独創性な考えをさまざまに練り込み、なおかつ対話を重ねながらブラッシュアップしていくことは人間にしかできない芸当であり、まさに私達が大切にしていることでもあります。
もしこの考え方に賛同してもらえる優秀な方がいたら、ぜひ積極的に歓迎したいですね。

若者へのメッセージ

リスクヘッジするのも大切ですが、やったこともないことや、行ったこともないところに理想や思い込みを持って、「これは違う」「これは駄目」というのは少し違うと私は思います。
それよりも、とにかく一歩踏み出してみることです。
やってみることで見えてくることはたくさんあります。
きっと周りの大人の中には「それはやめとけ」とか「向いてない」とかネティブな物言いをする人もいるかもしれませんが、それはその人が歩いてきた道を振り返って言っているだけのことです。
その道を通ってない若い皆さんが、そんな意見を鵜呑みにして足を止めてしまうのはもったいないと思います。
ですから、誰に何と言われようとまずは一歩登る。
そうすればまた次のステップが出てきて、景色は変わります。
ただ1歩上がらないことには次はないのですから、やはり私は「まずはやってみたら」と思います。