INTERVIEW
KAWAMURA YASUMOTO

河村泰幹

SDEパートナーズ株式会社 代表 https://sde-partners.com/

略歴

早稲田大学理工学部卒業後、新卒で大手メーカーに入社。外資系企業での勤務を経て米国ワシントン大学セントルイス校に留学、MBAを取得。その後、外資系経営コンサルティング会社を経てヤフーに入社。2013年に起業し、現在に至る。

-現在の仕事についた経緯-

“もともと起業をしたかったから”ということに尽きます。
“うまくいっても自己責任、失敗しても自己責任”という状態に自分を追い込んでみたいと。あとは、孫正義さんから受けた影響が大きいです。
私の生い立ちとして、祖父がいわゆる起業家で、“自分はそういう血を引いているんだ”と勝手に思い込んでいて(笑)。大学卒業時こそは大手企業に就職しましたが、ゆくゆくは自分で会社を作って経営するんだろうな、経営したいな、と考えていました。
その後、米国に留学してMBAを取得して、経営コンサルを経てヤフーに入って、ヤフーの経営会議やソフトバンクアカデミアなどで孫正義さんに直に接したことも大きかったです。
会社を立ち上げてから今年で10年目に入ります。いろいろな経験をしてきましたが、結果としてはまだ何も成し遂げていないと思っています。だからこそ、次の10年に向けて、今を“第2の創業期”と位置付けています。

-仕事へのこだわり-

現状を疑う、将来に対する備えを怠らない。あとは、“Why”を徹底的に掘り下げる、ということでしょうか。
プロダクトライフサイクルの理論があります。どういう商品・サービスも、導入期→成長期→成熟期→衰退期を経て、やがては消えて無くなっていく。つまり、今どんなに花形の業界・職種で働いていて給与や待遇が抜群に良かったとしても、または経営者として順風満帆に事業を運営していたとしても、その状態は永遠には続かない。遅かれ早かれ廃れていく運命にある。
特に昨今においては、成熟期や衰退期を迎えるまでの時間が劇的に短くなってきていることは言うまでもないと思います。盛り上がるのも一瞬、衰退するのも一瞬。
なので、どこかで密かに起こっている変化に常にアンテナを張り巡らせていないといけない。そこで大事になるのが、“なぜこの変化が起こっているのか?”という“Why”を徹底的に掘り下げること。そうすることによって、次に自分がどういう一手を打つべきかが見えてくる。
経営コンサルティングの世界も同じです。一昔前、コンサルタントはクライアント企業の担当者から“先生”なんて呼ばれていた時代もあったそうですが、今や情報の非対称性が解消され、むしろクライアント企業の皆さんの方がよく知っている、勉強している、という風景が当たり前になってきました。その中でどういう風に価値を提供するのか?
また、経営コンサルタントのサラリーマン化も気になります。経営コンサルを名乗るのであれば、自分自身で事業を立ち上げて運営もできないといけないと思っています。だからこそ、事業を創出する、プロデュースするという活動も続けていきたい。自分の腕一本だけでも十分生きていける、稼いでいける、そういう姿が求められてくると思っています。

-若者へのメッセージ-

偉そうなことを言える立場ではありませんが、まず、自分の可能性を信じることと、夢を見ること。それができたら、どういう自分になりたいのかということをより具体的に考えること。その上で、そこに向けてどういうアプローチで近づいていくかを考えて、実行に移す、ということではないでしょうか。シンプルですが。
その過程で、様々な困難や壁が立ちはだかると思います。その際に必要なのは闘争本能と発想の柔軟さ。つまり、“なんとしても実現する”という闘争本能。そして、手を替え品を替え臨機応変に困難を乗り切る発想の柔軟さ。さらに、そういう過程を、“苦行”ではなく“楽しい”と捉える楽観主義的マインドも必要だと思います。
そして、“利己と利他のバランス”も大事です。自分の利益を追求することは否定しませんが、それが結果として“世のため人のため”になっていないといけない。私利私欲から始まったとしても、ある程度の段階になったら利己と利他のバランスが求められます。
そして最後に、健康であること。“心技体”という言葉がありますが、重要な順番で言うと、体→技→心だと思います。つまり、“体”が整っていれば“技”も“心”もついてくる。だから、とにかく“体”を良い状態に保っておくべきだと。ただ、とはいえ、“体”はどんなに努力をしても年齢を重ねれば劣化していくものだと思います(笑)。だからこそ、“心”は常に若く。既成概念に囚われない、素直に物事を受け入れる受容性・寛容性、そして“ガキっぽい自分”を忘れないこと。この先、たとえ体は衰えていったとしても、心は若さを保ち続け、ミレニアム世代の皆さんに負けない情熱としなやかさを持ち続けていこうと思っています。