高校までを地元堺で過ごし、横浜市立大学を卒業。電機系企業での東京勤務やカナダ短期留学を経て29歳で家業のカネシゲ刃物へ入社。自分が本当にほれ込んだ包丁を作りたいという強い想いで、1年後に『幸之祐』を立ち上げる。その数年後、夢であった輸出を開始。40歳で社長就任。
略歴
-現在の仕事についた経緯-
祖父母と両親が自宅の向かいの会社で働いていたので、小さい頃から仕事の様子をよく見ていました。
将来的には継ぐことを意識しながらも、特に強制されることもなかったので、まずは包丁とは関係のない一般企業に就職しました。
社会人5年目くらいで父親から『手計算での経理処理が大変なので、会社を手伝ってくれないか』という打診があり、自分の力で会社をよくしたいという強い思いと、家業を手伝うという誇りを持って入社しました。
-仕事へのこだわり-
“今まで誰も見たことのないもの”を作ることを心掛けています。
売上を作ることそのものよりも、人の心を動かして喜んでもらうことに自分自身が喜びを感じるので、本当にいいと思ったものだけをラインナップしています。
たとえ売上が見込めそうだとしても、自分自身が好きではないものは『幸之祐』には一切ラインナップしません。
いずれも自分の気持ちをベースにしていますが、それを従業員とも共有することによっていい意味で“尖った”組織づくり、モノづくりができると信じています。
また、よくないものは売りません。その場のごまかしは目先の利益を生むことはあっても、大きな目で見ると必ずマイナスになります。
一見、目先の利益を削るように見えても、それらは同時に『信頼を蓄積すること』につながり、将来的にもっと大切なものが得られると思います。
-若者へのメッセージ-
“よい成績を修めること” “レベルの高い大学を卒業すること”の価値はどんどん下がり、個人的には『それだけでは何の意味もない』とさえ感じる時が多々あります。
あらゆるものをすでに持っている現代人にモノやサービスを買ってもらうために重要なことは、“他にないものをいかに生み出すか”に尽きると思います。
“まだ世の中には存在しないが、自分は本当にいいと思うもの”を生み出そうとする過程では、近しい人も含めて必ず多くの人に否定されると思います。
ただ、例えそれが世の中の0.1%の人にしか理解してもらえないものだとしても、世界中に販売することを考えれば、相当な数の人に理解してもらえるということです。輸出はさほど難しくありません。
自分の直感を信じて、やりたいことをやり続けて下さい!