INTERVIEW
KARASAWA ISSEI

唐澤一生

株式会社シグネット 代表取締役 https://www.cygnet-pro.co.jp/

略歴

高校卒業後、俳優を目指し上京。数年後、出役ではなくサポートに回りたいと考え起業を目指す。20代、30代で各種スキルや知見が得られる職業を経験し独立。株式会社シグネットを立ち上げ、イベントプロモーションの企画制作を手掛ける。

-現在の仕事についた経緯-

20代前半に、俳優業としての成功が無いことを自覚して裏方に回ることを決意しました。将来起業することを目標に、その時々にやるべきことは何かを自分なりに考えながらアンテナを張ってきた結果、人生の節々で良い方向に導いていただける友人や先輩、取引先に恵まれました。様々なお話に耳を傾け、失敗と成功を繰り返しながら、徐々に結果的に社会の役にたてる範囲が広がっていったのです。

現在はイベントの企画制作という業務を行っており、プロフェッショナルとして収益を上げなければいけませんので、勿論苦労もあり、簡単な仕事ではありませんが、最初から特別な知識や資格、免許が無くても、参加することが出来る業界ではあります。事実、学生時代の文化祭で屋台を出店したり、タレントを呼んでステージを進行したりした経験がある方も多いでしょう。

社名にもあるシグネット(Cygnet)とは、白鳥の雛という意味です。
特別なものは何も持っていなかった、アヒルのような私にも、白鳥を目指すチャンスの機会を与えられた業界だったのです。

-仕事へのこだわり-

■前提として…
仕事だからと特に意識していることはありません。どの業界であろうと狭い業界です。仕事仲間と遊び仲間の違いも無くなってきて、自然と人としての付き合いになっていきます。
情報があふれる現代に限らず、虚実入り混じる情報が身近な関係者に届きます。それらを抑えることは出来ませんし、その都度説明も出来ません。
虚でも実でも良いのです。受け取った身近な方が、どちらを信ずるかどうか。自分のダメなところは自分が良く分かっているでしょうし、ゼロには出来ませんが、誠実に生きることは出来るハズです。
日頃から自分の判断と行動に責任を持つこと。ダメなところもあるけれど、正しくカッコつけましょう。

■そのうえで意識していること…
「あなた」を求められる仕事に向き合い
「あなた」を求めてパートナーと組む
殆どの仕事は、一人ではできません。社内外問わず多くの関係者が、それぞれの想いを持ち寄って、共通のゴールを目指して作り上げていくのが仕事です。だからこそ、ひとりひとりの想いがきちんと込められた仕事ほど、高いクオリティになります。
例えば、入るのが難しい学校や企業に所属出来たとき、立場に満足している人もいます。入るために血が滲む努力をしたのかもしれませんし、そのぶん取り扱っている学習や案件の規模や予算も大きいのかもしれません。勿論、貴方が大きくしたのであれば、大いに喜ぶべきです。
しかしながら社会の肩書に過ぎません。会社のチカラと自分のチカラを取り違わないこと。そういう人は転職した時に分かります。
組織とは社会貢献するための手段であり、あなた自身ではありません。

-若者へのメッセージ-

10代の私は、社会を知りませんでした。世の中にどんな仕事があって、どんな役にたっていて、どんな嬉しいこと、辛いことがあるかも知らない状況。何も知らないので、やりたいことが何もありません。そこにあったのは「今のままではいけない」「世の中に出たい」という漠然とした焦りと、無知が故の「できないはずがない」という自信だけでした。

学生時代は委員長的な役割、アルバイトをすればバイトリーダー的なことはやってきたので、社会が必要としてくれると勝手に思っていましたが、初めて働いた会社では電話の出方もろくに知らず、PCもキーボードを見ながらひとつずつ打つところからのスタートでした。

それからは、目の前の仕事にがむしゃらに向かっていきました。飛び込み営業をタスクとして与えられれば誰よりも数をこなし、山ほど本を買い込み、小手先のテクニックに溺れたこともあります。

私は社会を知るのが遅かったため、追いつくために苦労しました。数えきれないほどの失敗をしてきましたが、一生懸命やった結果でしたので、多くを学びました。
目先の作業だけを見て「やりたいこと」を繰り返していられる仕事など一つもありません。やりたいことが無いという方は、意識が低いのではなく、社会を知らないだけです。

もしそのように悩んでいるような場合、必要なのは行動することです。
掴めないのではなく、そもそも手を伸ばしていないのです。一度手元に持ってこないと良く見えませんよ。