INTERVIEW
KAMOU NANAKO

鴨生奈々子

株式会社K's Corporation 代表取締役 https://www.ks-co.co.jp/

略歴

文京学院大学卒業。某証券会社に入社、営業として株や投資信託の売買を行っていたが、バブル崩壊の煽りを受け、大手求人会社の子会社に転職。その後、不動産に興味を持ち売買を経験したのち賃貸管理業への道に進む。そしてヘッドハンティングにて不動産業界での転職を繰り返し、役員を務める賃貸管理会社に在籍をしながら、ダンススタジオや建築会社をMAし、現在5社の役員を務め、7社3業種の経営に関与し多種多様な分野へと拡張している。株式会社K's Corporation 代表取締役、NK CREATION 株式会社 代表取締役、株式会社 サンテレス 代表取締役、株式会社 前田 取締役副社長、株式会社 前田ホールディングス 取締役副社長。

現在の仕事についた経緯

私の今現在の本業は不動産会社なのですが、グループ全体で社員数100名を超えており、お蔭様で離職率が低いことから高齢化が進んでおります。定年後はゆっくり休んでください…というのが今までの考え方でしたが、人生100年と言われる時代に60歳、65歳でリタイアするのは早すぎる気がします。
そうは言っても、現状のまま何も対策せずに雇い続けるというのは、若い労働者に負担をかけ、バランスの崩れから経営に負のスパイラルがおきます。
その為、早急に社員の老後の職場を作らなければならないと思った事がきっかけでした。多角経営を図り高齢化した社員がどこかで働けるような環境つくりをしていきます。

仕事へのこだわり

基本的に仕事の業務内容には優劣がないと思っています。
私は若い頃、営業の前線でいわゆる花形と呼ばれる部署に長いこと所属していました。
ただ、花形メンバーだけで仕事が回るかというとそうでは無く、商品の調査や仕入れ、その他利益に付随する業務を他の社員がやってくれて初めて会社としての利益が確保できます。
その為、当時は雑用と思っていた仕事を徹底的に長期に渡り追及してみたのです。
これがまた本当に奥が深い…
見えない業務を理解しておくと、いざ問題が起きた時に迅速に判断し経営者として指示を出すことができます。
トラブルのないビジネスなど存在しません。
全ての人に当てはまる訳ではないでしょうが、自身の仕事以外は他人がやってくれて当たり前と思いながら経験不足で上司になると、多岐にわたる部下のトラブル処理に対応出来なく、他人や環境のせいにして結果何も解決しないということが良くあります。
時間や状況的に他の業務を経験することが難しい時も、自分の仕事がどの部署を通って、どのように実務が行われ、結果としていくらの利益になるのか…という事は常に考えてましたね。
現在も会社の広告塔としての立場は当然として、営業活動や契約書の作成も行いますし、経理業務、人事業務、システム構築なども含め、その他ありとあらゆる雑務を自ら行うことがあります。
経験が多いということは、問題が起きた時に瞬時に解決し、利益を上げるための時間を更に増やすことができます。
当然、任せる時は任せますし、自分の判断でやって欲しいとお願いすることも多いです。
ただ、一番大事なことは、自分だけが全てではなく、自分がやれない仕事をやってくれる人材に感謝することですかね。

若者へのメッセージ

仕事へのこだわりにも書かせていただきましたが、若いうちはあまり焦らず成果を求め過ぎずじっくりとコツコツやる方が後で長続きします。
これから日本は生涯現役時代が来ますから、20代30代から全てのエネルギーを使い切らないようにして欲しいです。
早く成果を上げて他人に認められたいが為に、同期や同年代の人と自分を比較して一喜一憂している光景もよく見かけます。
ただ、本当は手柄をくれてやるくらいの心持ちがあった方が、本当の意味で仕事を楽しむことができて一番の能力アップの近道とも思います。
他人の評価を気にし過ぎたり、価値観の違いを思い悩む時間がどれだけ無駄なことか…
組織というのは、生まれも環境も異なる育ちをしている人間の集合体ですから100人いたら100通りの考え方があります。
その為、自分と他人の常識が合わなくなった時に理不尽と感じるようになります。
是非、心が折れない程度に不平等な事や挫折や苦しみをたくさん経験しておきましょう。
大概の事を許容し、世の中の理不尽こそが常識と思えるようになれば最強になれます。
家族や資金調達のために急がないといけないこともあるかもしれません。
それでも、仕事とは奥が深く…それも含めて人生楽しいなぁという気持ちを忘れずに頑張ってください。