INTERVIEW
KAI TOMOMI

かいともみ

株式会社みのとともに 代表取締役 https://minototomoni.fun/top

略歴

高校生から10年間、音楽活動を行う。福岡で1番有名なガールズフォークトリオを目指し、全国ツアーやTV・雑誌出演など多数の実績あり。結婚式場で歌ったことがきっかけで、メンバー3人が結婚を意識して解散。子どもが生まれたら幸せになれるかなと思ったが上手くいかず、子どもが3歳の時に離婚してシングルマザーに。その後は広告代理で修行し、沖縄で起業。その際にお金はあるのに幸せになれず、悲しみや苦悩を経験。8歳下の旦那と再婚。流産の経験から「生」と「死」についてよく考えるように。現在は1歳の娘、12歳の娘、旦那の4人で生活中。

-現在の仕事についた経緯-

音楽をやっていた時に、私は歌以外にHPを作ったりブログ、制作物(フライヤーやCDのデザインなど)、写真撮影などをやっていたので、何かを作り出すことはとても好きでした。「自分を売り出すためには、どんな制作物を作るといいのか」と、今思えばあの頃から考えていた気がします。
ただ、広告代理でやっていたことは「記事を書くこと」がメインでした。しかも社内にめちゃくちゃかっこいいデザイナーさんがいたので、私はいつもその方にお仕事を依頼しながらも、心のどこかで「デザインができてかっこいいな〜!」って思っていました。働いていた会社を辞める時に「やっぱり、デザインやればいいじゃん!」と思い、35歳を過ぎていましたが起業して講師業をしながら、デザインの学校に通い出したのがきっかけです。

-仕事へのこだわり-

まずは言われた通りにやります。基本形ができていないのにアレンジをしていると、結局自分の世界観に入りすぎて誰にも共感されないものができてしまうからです。

あとは何年やっても何歳になっても「できていないかもしれない」という目線を持つことです。「できている!」という思い込みは自分のアイデアの幅や世の中の変化に気づけなくなるので、その概念は手放しました。「私はまだ気づけていない、解釈が間違っているかもしれない。もっと良いアイデアが転がっているに違いない。」と思うことで、物事を見る目線が変わります。

また、自分が良いと思ってもクライアント様が満足しなければ全てゴミになるんですね。例えば「名刺を作りたい」というオーダーでも、ヒアリングしてみると、「自分のビジネスモデルが定まっていなくて、どう表現していいか分からない」というゼロイチ起業家さんあるあるな内容だったりするのです。
表面的な“カッコイイ・素敵なデザイン”が欲しいというものではないわけです。背伸びし過ぎたり、違和感があると(自分自身が納得していないと)人に配ることもできなくなります。せっかくお金をかけてくれても、無意味になってしまうこともあります。ですので、その方の本当のニーズに耳を傾けることに注力しています。
結局は、傾聴や共に歩み寄ることが大切だと感じています。「聴く」、「コミューニケーション」が1番大切です。デザインはその次です。相手の意見がなんであれ、ジャッジしません。フラットに見るという訓練は日々行っています。

あとは、自分の得意とするところが何なのかを探って、それをいかに開花させられるかを見ています。しっかり綿密な計画を立てて始めることが難しいプロジェクトでも、「ワクワクするか?」、「関わってくれた人を幸せにできるか?」という視点でやるかやらないかも決めています。

-若者へのメッセージ-

今の若い子たちの感性をもっと知って触れたいです!同じ時代を生きていますが、自分を構成してきた文化や思い込みからなかなか外れていないところもあり、いろんな世代のチームがあると気づきも多いんじゃないかと感じています。
これからは、人が幸せになる社会のことをいかに考えられる人が増えるかがキーになるので、若い世代の方と一緒にプロジェクトをしていくこと、仲間作りをしていくことは私の課題です。できないことを探すのではなく、「今、全力で目の前のことに取り組めているかどうか」を確かめ合う仲間が欲しいです。本気で取り組む、出し惜しみなく与えられれば、感謝して受け取ることができます。そんな人生を送れる人が増えたら、きっと世界はもっと幸せになるし循環すると思うのです。
愛あるデザインで人を応援することに関心のある方と繋がれたら嬉しいです。そんな社会づくりに興味のある方はぜひご連絡ください。