INTERVIEW
JINNOUCHI YUDAI

陣内裕大

株式会社In place 代表取締役 https://inplace-piece.co.jp/

略歴

社会人1年目から英会話教材を販売するフルコミッションセールスに挑戦し、年間の契約件数全国1位を初年度から獲得。その後、不動産ベンチャーの創業期から携わり役員として活躍。自分自身の営業でも、お客様からのクチコミとリピートのみで毎年250件以上の物件探しを8年継続した後、「人の想いを届ける事業がしたい」と独立を決意し現在の株式会社In placeを設立。

-現在の仕事についた経緯-

30歳の時に結婚式を挙げたことがキッカケです。
結婚式の少し前に「自分史」という人生を一冊の本にするサービスを母親にプレゼントしました。私は12歳まで不登校で、母は仕事でも家庭でも大変な時期を過ごしており、少し心の距離が遠くなっていて、しかもお互いに不器用なため“歩み寄りたいけれど歩み寄れない関係”というのがずっと続いていました。
結婚式が終わり、母親の自分史が自宅に届き開封したら「64年間生きてきて一番嬉しかったのは息子の結婚式でした」とタイトルに書かれていて、そのタイトルを始め、本の中に書かれた私への愛情に溢れた言葉を見た時に心がとても軽くなりました。
ずっと「有能な自分でないと価値がない」と思い、有能になろうと頑張っていた自分ですが、「こんなに素敵な母親から、こんなにも愛されて生まれてきたのだから、生まれた時からこの命には価値があったんだ」と気づけました。
この経験を通じて、“身近な人ほど本音を話すことが照れくさくなってしまうけれど、直接ではなく間に何かツールを挟むと言いやすくなるな”と思い、そんなサービスが作りたいと決意して作ったのが現在のオーダーメイド絵本事業です。

-仕事へのこだわり-

「企業の存在目的」を忘れないことです。当社はアートも扱っているので、「アートとワードを通し、人々の想いを表現する架け橋を作り続ける」という存在目的を掲げています。
存在目的は、その企業が存在している目的であり、何のために我々がこの事業をしているのかの行動理由です。オーダーメイド絵本事業だけで言えば、「このキッカケがなければ伝えられなかった愛してるとありがとうを一つでも多く届ける」という目的のために事業をしています。
この存在目的が薄れてしまうと、もっと簡単に儲かりそうな事業に手を出すなど「欲」に動いたり、社内での人間関係の不満などで「負」のエネルギーに向かったりしますが、「僕は、僕たちは、この為に存在しているのだ」という核があることで、一時的にブレたとしても元に戻れるのです。
営業マン時代も、「自分がこの仕事をする目的」を常に大切にしてきました。

-若者へのメッセージ-

私はまだまだ若者にメッセージできるほど人としても経営者としても成熟していないですが、たとえ誰からなんて言われようと自分自身が自分を誇れるような選択をして生きて欲しいなと思います。
私自身、不動産会社で役員を続けて不動産業をしていた方が、“安定した道”、“側から見たら成功している人”という見られ方がある程度約束されたルートだったと思いますし、実際にこの事業を始めるにあたって不安や葛藤はありました。
ただ、死に際を想像した時に、「不動産の仕事を続けて、良い収入をもらい、良い肩書きがあり、良い家に住み、家族とも幸せに過ごせた。けど、本当にやりたかったことは我慢したな。」と、もしも思ったら後悔しそうだなと考え、今の事業を始めることを決意しました。
ただ、これが絶対の正解だとも思っていません。例えば家族のために安定した道を選ぶ人がいたとして、それも正解だと思います。結局は自分が何に人生の価値を置くかだと思いますが、こうしたサイトを見る方は「挑戦」が好きな方だと思ったので、上記のようなエピソードを書かせてもらいました。少しでも参考になっていたら幸いです。