東京都生まれ。2007年、早稲田大学法学部卒業。同年双日株式会社に入社、生活産業部門の経理に携わる。その後教育研修会社にてセールス、IT系ベンチャーにてCMOなどを経験し、トライプレックス社を設立。同社代表取締役に就任。
略歴
-現在の仕事についた経緯-
学生時代に「学生起業新聞」という新聞を書いていた関係で、数多くの起業家の話を聞く機会があり、それ以来起業したいという思いがありました。
ただアイデアも無く、自信も無かったので最初は就職することにして、起業家精神の大切さを謳う総合商社に入ることにしました。
ところが大企業ならではの大勢でお神輿を担ぐような仕事の中では、「自分が起業するために必要なことを学ぶのに何年かかるかわからない」と感じました。
大事に大事に新人を育てる、今思えば有難い環境でしたが、当時の自分にはその環境を活かせないと思いました。
そこで2年で退職し、個人や企業向けに教育研修を売る会社に入りました。フルコミッションの売らないと収入が無い仕事だったので営業力や精神力が鍛えられると思いました。
3年程セールスを経験した後、教育×インターネットという切り口で転職先を考え、教育コンテンツの企画・販売を行うベンチャーに入社しました。
以来、9年程ウェブマーケティングに携わり、会社の売上の半分くらいを自分の事業から売れるようになり自信もついたので、前身の会社から担当していた事業部をMBOする形で独立しました。
-仕事へのこだわり-
■自分の強みを軸に仕事をすること
20代の頃、セールスの仕事をやっていて感じたのは、人にはそれぞれ向いている事、向いていない事があるということです。3年間、ほぼ休みなく働き、自分なりに努力をしたつもりでしたが、その割に並の成果しか上がりませんでした。後から入ってきた元気な若者や元保険のセールスレディのような人に成果で抜かれて悔しい思いをした経験もありました。
自分なりにやり切ったので、踏ん切りがついて、自分の得意な事は何だろうと考えるようになりました。その結果、考えたり、文章を書いたりすることが得意だと気づきました。自分で売るのは得意ではないですが、自分が所属していた課で使われていたトークスクリプトは私が書いていたので、書く事×セールスの組み合わせで、オンライン上でのセールスライティングには適性があるのではないか?と思いました。
これが、今の事業で売り上げを立てるためにフル活用しているウェブマーケティングと、そのうちの重要なスキルであるセールスライティングのスキルを磨くきっかけとなりました。成果を挙げる人たちは皆自分の強みを軸に仕事をしていると思います。
■自分の頭で考えること
皆がこうだと思っている常識、上司や偉い人が言っていること、本に書かれていることを参考にはしますが、鵜呑みにはしません。必ずそれについて自分の頭で考え、検証します。その過程で出した答えが自分にとって本当に使える答えになるからです。
特にこれからの時代により重要性を増すのは、自分自身について考えることだと思います。人生を充実させるために学ぶべきことは大きく分けると2つです。それは、「外」のことと「中」のこと。
外の事とはマーケティング・経営・プログラミングなどの、自分の外にある知識、情報の事です。多くの場合、学ぶといった時にはこういった外の情報を学ぶことに一生懸命になります。
ただ、chatGPTにはじまる「何でも知っているAI」が今後さらに発展していったら、外のことはわざわざ学ぶ必要性が薄まるでしょう。それよりは、何でも知っているAIからどんな答えを引き出したいのか?自分は何を求めていて、それはどんな問いとして表現されるのか?という「中」の答えを持っている事の方がより重要になると考えます。
そのために普段から自分とよく対話しておくこと。自分はどんな人生を送りたくて、どんな目標、ゴールを持っていて、どんなことを大切にしたいのか。こういったことを日ごろから考えておくと良いでしょう。自分について理解している度合いは人生の質と比例すると思います。
多くの人は現状に不満を持っていますが、自分が何を求めているのかを意外に理解していません。
“理解はしていないが、ここではないどこかへ行きたがっている” でもどこに行きたいかわかっていないから、他人の意思や意図に従って生きるしかなくなっているのではないでしょうか。
■一点集中すること
ここぞというところで成果を出すには一点集中する事が必要になります。
目の前の仕事、プロジェクト、事業…それ以外全部捨てる気持ちで取り組めば、自ずと成果は付いてくると、これまでの経験から言えます。
-若者へのメッセージ-
自分の人生や自分自身について、「自分にはこれだけしか手に入らない、これだけしかできない」という限界を決め過ぎない事が大事だと思います。
私自身、元は自分に自信がなく、10代~20代の頃は何事も「どうせ自分にはこの程度しかできない」と思って半ば諦めているところがありました。大成功している企業家や有名人を観て、羨んでいじけているタイプでした。
ただ世界の仕組みや法則について学んでいくと、人が人生の中で実現できる事にはそれほど限界はないのではと考えるようになりました。遺伝子的には、世界一の大成功者と私たちはそれほど変わりません。量子の単位で見れば、私たちが現実だと思っているものはそれほど固定化されたものではないのです。
そのことを知ってから、できる限り、「できない」という限界よりも「ひょっとしたらできるかもしれない」可能性のほうに目を向けるようになりました。自分の中で「自分はこの程度だ」とか「できないかもしれない」という声を打ち消して、代わりに「自分ならできる」「やってみなければわからない」という声に変えてきました。
その結果、30代に入ってから人生の質が全く変わったと思います。手に入るもの、出会える人の質が変わりました。昔だったらできないと思っていたことも、徐々に実現しつつあります。世の中ですごいと思われているような成功者も、近づいてみれば意外と普通の人だと思います。
中にはものすごくお金持ちだけど人としてはこの人はどうしようもないな、と感じてしまうような人もいます(笑)。人間は能力的には本当にそんなに変わらないと思います。でも考えている事の大きさや、自分にできると思っていることは人によって雲泥の差があります。その差が人生で手に入れるもの、実現できる事の差を生み出していると考えています。
「ここまでしかできない」という周りの声や自分の中の弱気な声はぶった切って、「やれはきっとできる」「少なくとも何か前には進む」という可能性に目を向けてみるのはどうでしょうか。