INTERVIEW
ISOBE NAOKI

磯部直樹

株式会社キューバリュー 代表取締役 https://www.quevalue.co.jp/

略歴

東京農業大学農学部卒業。卒業後、花き装花系事業を手がける大手企業へ就職、小売販売部門を2年経験。その後、自身の成長とマーケティング感性を磨くため、ベンチャーのネット系マーケティングリサーチ企業へ転職。ネットアンケートをベースとした定性・定量調査が中心のリサーチ部門にて10年超にわたりマーケティングおよびデータに対する現場知識を研鑽。その後、ビッグデータを扱う環境を求め大手コンビニ事業企業へ移り、大規模POSデータを活用したCRM関連業務へ従事。約1年後、2022年に独立、2023年5月に現在の会社キューバリューを設立。

-現在の仕事についた経緯-

自身の力で事業を起こし働くというのは長年の目標でした。
但し、事業の内容は明確に決めていたわけではなく、働く中で外部環境を照らし合わせて少しずつ絞り込んでいったという感じです。
当初は漠然と「自分の力で何かを成し遂げる実感」を得るために、そういう目標を設定したように記憶しています。実現のために特に20代の体力が有り余っている時期は出来る事は時間を惜しまず、がむしゃらに取組み、集められる情報は最大限集めました。今後のビジネスでどういう事が求められ、何が強力な武器になっていくかの視点で色々と追い求めた結果、現在の「データ」関連ビジネスに辿り着いたという経緯です。

-仕事へのこだわり-

まず、どんな仕事(自分がやらなくてもよさそうな仕事)も自身の目指すものの為に必ず意味のある事と考えて取り組むようにしてきました。
例えば、自身の積んできたキャリアで高いウェイトを占めているマーケティングリサーチという仕事でいうと、相当泥臭く地味な仕事が多く存在します。
一見マーケティング関連の分野は華があるように見えますが、データを活用していく以上、最初から綺麗なデータ(自らが求める形)というのはほぼ皆無です。そのためゴール(やりたい事・出したいデータ)を目指す過程において、データの単純かつ詳細な確認作業を膨大に行ったり、必要な部分だけを切り出してデータとデータをマージしたり、データの形式を変えたり、そしてそれをまた全て確認したりといった辛抱強さが求められる作業が大半を占めます。
それでも、その1つ1つには自身の将来にとって必ず意味があるもの・糧になるもの(そもそも自分にとって意味のない作業は自分には巡ってこない)と考えて取り組むようにしてきました。事実、今から思い返しても、それらは小さな部分ではあっても自身を助けてくれている事が多いように感じます。

次に、この課題の本質は何か、を考える事を意識してきました。
自身の携わる仕事に発注くださる顧客は、必ず解決したい課題をお持ちです。しかし発注いただく内容によってはその部分解決のための依頼内容となる事が多いのも事実です。その場合、依頼内容通りにアウトプットを納品したとしても先方が納得いく結果とならないケースもよくあります。その背景としてはやはり解決すべき課題の本質を理解しないままに仕事を進めた結果に尽きると感じます。
顧客が求める本来の便益はなにかという本質を理解するだけで、同じ仕事内容でもアプローチが全く変わってくる事もあるため、今もその点(依頼の課題本質は何かを考える事)は仕事を進める上で柱に据えて取り組むよう留意しています。

-若者へのメッセージ-

私自身の実感覚且つ、周りの活躍していく人を見て感じる共通意識として「自分のなりたい姿を意識している」事への重要さを感じます。但しそのレベルは様々で、“明確な将来像”を持っている方もいれば、“とにかく忙しく働きたい”という方や、“30代でこのくらいの資産を持つ”といった方など内容はバラバラです。しかしそのような一旦の着地点を定めている方はとにかく逆境に強く困難な事案に対しても底力が違うなと感じます。

つまり、仕事をしていくうえで楽に稼ぐというのはほぼ不可能で必ず試練が襲ってきます。その時にそれに立ち向かえる「自身の中での頼れる柱」を持っているといないでは結果が大きく変わってきますので、何かしらの「ありたい自分像」を造ることで仕事が格段に進めやすくなってきます。もちろん内容はどんどん変わっていいと思いますし、変わるべきものだとも思っています。

それを踏まえ、私の関与するデータサイエンス・データマーケティング業界においては、次々に新しく革新的な技術が注目され活用されています。
そしてその技術(特にAIや機械学習による予測など)を研究・発信しているのは20代を中心とした若い世代が多いように感じています。将来何をやっていこうか迷っている、定まっていないという方はこの業界・分野が何をやっているのかぜひ覗いてみてください。
きっと自分のやりたい事、なりたい姿の選択肢の1つになり得ると信じています!