INTERVIEW
IKARASHI SAORI

五十嵐沙織

広尾有栖川法律事務所 代表弁護士 https://hiroo-arisugawa.jp/

略歴

中央大学大学院法務研究科修了。弁護士登録後、法律事務所での勤務や株式会社野村総合研究所での経営コンサルタントの経験を経て、freee株式会社に入社。企業内弁護士として新規事業の立ち上げなどをはじめとした幅広い法務業務を担当するとともに、上場準備室のメンバーとして同社の東証マザーズ(現グロース)上場に貢献。現在は、広尾有栖川法律事務所を開業し、法人から個人まで幅広い案件に対応する傍ら、複数のスタートアップ企業において監査役を務めている。

-現在の仕事についた経緯-

弁護士を目指して法学部に進学し、大学時代は在学中に(旧)司法試験に合格することを目指し、毎日「炎の塔」と呼ばれる大学の施設に籠り、たくさん勉強しました。
しかし、3年生の時に受けた司法試験の結果は不合格でした。その後しばらくは勉強もせず、ひきこもっていましたが、ある時このままでは駄目だと思い、ロースクールに飛び級で進学し、修了後に司法試験に合格し、弁護士になりました。
弁護士登録後、freee株式会社において上場準備に携わった経験が転機となりました。
現在は、広尾有栖川法律事務所を開業し、スタートアップ企業に対するリーガルアドバイスなどに注力しています。スタートアップの法務は、企業の成長をサポートすることができるやりがいのある仕事であると感じています。

-仕事へのこだわり-

若手の頃は、どうしたらクライアントとの間で信頼関係が築けるのかと思い悩むことも多くありましたが、自分が興味を持ったものに対して積極的に挑戦することを大切にしていました。その結果、法律事務所、コンサルティングファーム、企業内弁護士、監査役など、多様な経験をしてきました。
弁護士登録後10年が経った今振り返ってみると、すべての経験が役に立っていると感じています。企業に勤務し、自らクライアントの立場を経験したことで、企業の経営者や担当者が弁護士に何を求めているのかについて知ることができました。そのときの学びが現在の仕事のスタイルに影響を与えています。
現在は、スタートアップ企業に対するアドバイスなどの業務を中心に行っていますが、①クライアントの事業や状況を理解してアドバイスすること、②クライアントの意向を踏まえてリスクを回避する最善の方策を提案し伴走することの2点を特に大切にしています。
企業に対してアドバイスをするにあたっては、法的な知識・経験だけでは対応できないことも多く、法務、財務、経理、労務などの管理部門の業務に関する横断的な理解や経営全般に関する理解も求められています。
近年、政府方針においてもスタートアップ経済的支援の強化が打ち出され、今後ますますスタートアップ企業に対する法的支援も重要になってくると思います。
私自身、まだまだ勉強不足ではありますが、これからも積極的に経験を積み、クライアントに信頼される存在になり、リーガルサービスを通じてスタートアップ企業の企業価値の向上に貢献できるように努めていきたいと思っています。

-若者へのメッセージ-

私自身、若手の頃は他人と比較しがちで自分に自信が持てないことも多かったのですが、挫折や成功体験を経ることで、次第にコンプレックスも薄れてきました。まだ道半ばではありますが、今は他人とは違う自分のユニークな経験や経歴を大切にしながら、自分の道を切り拓いて行きたいと思っています。
私もそうでしたが、若いうちはキャリアの方向性について悩んだりすることも多いかと思いますが、進むべき方向性が定まらないときは、興味を持ったことに対して失敗を恐れず挑戦してほしいと思います。
成功体験を積み重ねれば自信につながりますし、失敗してもきっとすべての経験がその後の人生に役立つと思います。
私は、何か躊躇したときは、「チャンスの神様は前髪しかない。」という言葉を思い出すようにしています。ギリシャ神話に由来する言葉で、「好機はすぐに捉えなければ後から捉えることはできない」という意味だそうです。
この記事をご覧になった皆さんの挑戦の後押しとなれば嬉しく思います。