INTERVIEW
HOSOMI NAOFUMI

細見直史

N-PRO.株式会社 代表取締役社長 https://n-pro-co.com/

略歴

国立舞鶴工業高等専門学校建設システム工学科を卒業後に岐阜大学工学部土木工学科に編入学し、同大学大学院土木工学研究科へ進学。卒業後、2004年に株式会社東京鉄骨橋梁(現:日本ファブテック株式会社)に入社。鋼橋の研究開発、設計、製造業務の傍ら、九州大学大学院工学府で2009年に博士(工学)の学位を取得。その後、鋼橋の調査分析、診断検査、補修補強、評価予測などの業務を経験し、2023年、「人と人とのつながりと 新たな技術で 次なる価値へ」を理念に、N-PRO.株式会社を設立。業務内容は、法政大学で兼任講師を務める教育事業支援や、鋼橋での専門分野を活かしたインフラ事業支援の他に、農業と市場との架け橋となるべく、地方の農地保全と価値創出による地方創生を目指した農業事業支援を手掛ける。

現在の仕事についた経緯

実は起業したいという思いは、数年前まで全くありませんでした。就職超氷河期に採用して頂き、学位の取得まで支援して頂いた日本ファブテック株式会社の大先輩である経営者の方々にはとても感謝しており、心優しい同僚や先輩にも支えて頂き、当時、管理職をしていた私は、会社を支えられる人材になるべく、日々業務に邁進しておりました。
しかし、実家で農業を営みながら元気に暮らしていた父親が4年前に突然他界し、告別式の後、父親が育てていた苗の作付け作業をしたとき、あまりにも大変な作業を文句も言わずに毎年していた父に感謝の念が堪えず、同じ想いをしている全国の方を自分が今、出来ることで支えたいとの思いから、起業を考えるようになりました。

仕事へのこだわり

仕事へのこだわりは特にありませんが、困っている人を見たら助けたいと思ってしまう性格なのか、どうしても自分のことより人のことを優先してしまい、依頼されると時間を忘れて邁進してしまいます。そのお陰で痛い目をみたことも沢山ありますが、様々な方と触れ合う中で、いろいろな経験を沢山させて頂きました。
人との関わりの中で、私が大切にしている言葉があります。それは、「有言実行、義を見て為さざるは勇なきなり」という「四字熟語」や「論語」で、「言ったことは必ず実行する。人として何が正しい行動かを理解していながら実行しないのは、勇気がないからだ。」という意味です。
この言葉を私の中で大切にしているのは、私の恩師でもある九州大学の貝沼重信教授や、様々な仕事を教えて頂いた日本ファブテック株式会社の今は亡き偉大な上司である柳沼安俊課長の仕事や人との関わり方に対する姿勢を連想させる言葉だからです。貝沼先生は、私が学生のころから学術研究に対して、変わらない信念を持ち続けられていて、周囲から不可能と言われながらも、自らの努力と行動により、数々の偉業を果たされ、柳沼課長は依頼されたことは、分からないことでも自分で徹底的に調べ、改善策を提案し、自ら実行される方でした。
私はというと、学生時代はバイトや部活ばかりしていて、友達と貧乏旅行をしたり、鶴友寮(高専の寮)で友達と夜遅くまで語り合ったりすることが大好きで、授業も寝てばかりいました。そんな私は大学4年生で貝沼先生と出会い、先生の指導を受け、探求することの楽しさを知りました。
また、社会に出てみると、様々なルールがあり、仕事のひとつひとつが分からないことだらけで、柳沼課長からも「仕事に情熱はあるの?困ったちゃんやねー」と良く言われるダメ社員でした。しかし、私が失敗したこともその後、温かく先導してくれて、仕事の楽しさを教えて頂きました。
私を導いてくれた両先輩とも、どんなに忙しくても言い訳をせず、人のために尽くし、智と行動力ととてつもない精神力を兼ね備えた偉大な方であり、私もそんな尊敬する先輩に近づきたいというのが、仕事へのこだわりになっているような気がします。

若者へのメッセージ

今の若手は、大谷翔平選手や藤井聡太棋士のように、素晴らしい方が沢山いらっしゃいます。私自身、授業で寝てばかりいて、良く先生から「国の税金がどれだけ使われていると思っているのか」と真っ赤な顔で叱られていました。
今、教壇に立ってみて先生に猛省している身ですので、私のようなものがあまり若い方にメッセージを言えるものではないですが、彼らのとてつもない努力と、本来持っている実力もあって素晴らしい成績を納められている一方、幼少からその裏で支えてこられた両親や素晴らしい指導者との出会いにより偉業を成し遂げられていると思います。その支えて頂いた恩に報いたいという情熱が、努力し続けられるエネルギーを生み出しているように思います。
人には熱があります。私は幸せなことに、恩師や上司から熱を貰い、今でも熱を同じくする高専時代の学友と邂逅して元気を貰っています。ですので、とてつもない情熱は体を動かし、疲れを楽しさに変換してくれます。是非、人との出会いを大切に、沢山の人と触れ合って、良き友達、良き指導者に巡り合って欲しいと思います。
分からないことは自分であらかじめの予習をしてから教えを請い、先輩に甘えて多くのいいところの真似をしてみてください。そして、その支えて頂いた恩を忘れず、いつか絶対に恩返しするという感謝の気持ちを持てば、自然と情熱が湧いてくるような気がします。あとは、失敗を恐れず、失敗したら反省して改善する、この単純作業を繰り返せば、疲れも楽しさに代わるような気がします。
一緒に楽しい未来を創造しましょう。過去からは学び、未来を恐れず、今この瞬間を精一杯生きる。とりあえず、ゆっくり慌てず一歩前に進んでみてください。状況は自分の行動で変えられると信じて、私も一歩ずつ前に進もうと思います。