INTERVIEW
HOSODA HARUOMI

細田悠巨

ネクスター株式会社 代表取締役 https://nexter.tokyo/

略歴

早稲田大学人間科学部中退。学生時代に、ネクスター社を起業。現在はSNSマーケティング事業を主軸に展開。複数社のマーケティングコンサル(OEM等など)、シード / アーリープレAのファイナンス、M&Aのサポートに関与。また過去に80社近くのSNSマーケティングをコーディネート。某エナジードリンク、公的機関の若年層マーケにも携わる。

-現在の仕事についた経緯-

今から12年前の学生時代に親友とスタートアップを起こしました。大学4年時に「実名掲示板サービス」「O2O位置情報サービス(すれ違いSNS)」、某外資系企業のマーケティングを手伝っていたことから「アンバサダーマーケティング事業」などを始めました。
これが私たちの会社、ネクスターの始まりです。
当時は就職氷河期で起業家が今ほど多いわけでもなく、内定先が複数あったにもかかわらず、それを辞退して起業する決断をしました。
当時の風潮としては、公務員が最も人気の職業で、学生起業をしていくというのは選択肢として珍しいものでした。
2011年の東日本大震災の後ということもあり、何か自身の中で影響されたんでしょうね…。
自分の人生で何か生きている意義を示したくて、起業という道を選びました。

-仕事へのこだわり-

約12年間この会社を経営してきましたが、初めから現在に至るまで、仕事へのこだわりは変わらず、顧客ファーストを徹底しています。
自身が学生時代に起業して作り上げたネクスターという組織は、自主自立が基づいている組織(システム)です。しかし、怠けたり手を抜いたりすると、自分自身の成長も止まり、経済的にもまわらないという側面があります。
実は、我々の会社では、決裁権や裁量権を幹部に細分化して託すという特異なスタイルを採用しております。通常の企業ではサラリーマンがP/L(損益計算書)やBS(事業別)を見ることはあまり多くはないと思いますが、当社ではP/Lを作成し、予測と計画を立てて、「自身の給与を設定する」ということがここ3~4年の文化としてあります。
事業計画の解像度を上げて経費等を細分化し、自身の給与を設定します。そして最後に私の承認を取りにくる、といった流れです。
これは他のベンチャー企業と比較しても珍しく、自分自身が学生時代から経営的思考を持つことで、より幅広い視野で物事を考えられるようになったと同時に、社内の人間もその視点視座を持つことで、より一層関わる企業(自社から取引先まで)の力になれると考えています。
このスタイルにより、社員一人一人が経営者思考を持ち、予算の中で求人〜実務までのオペレーション、給料や報酬を自身で決められる制度を設けることで、顧客満足度と社員満足度の両方の引き上げを行っています。

-若者へのメッセージ-

最近、キングコングの西野さんが言っていた内容に共感しています。
今日が人生の一番若い日なので◯◯を始める、というアイデアは既に広く知られている感覚だと思うのですが、資本主義の世界では、できるだけはやく◯◯で勝つことが、そのあとの人生で大きく影響を与える特性があります。
夢を追うことももちろん重要ですが、資本主義社会では、なるべく早く最初の勝利を収めることが重要であると感じます。自身がたいして大きな勝利を得ずに、ほんわかした夢に時間を使って足踏みしてきてしまったことに後悔をしているからというのが本音です。
もう一度言いますが、夢はもちろん重要です。ただその夢や自己実現は、来年や再来年、5年後には結構ブレていたり、しれっと変わっていたりしているかもしれません。今抱いてる夢の形は現時点での自分の経験に基づいて生まれてしまっているので致し方ないでしょう。しかし、どうせ変わってしまうものによくわからん計画を立てて時間を消化するより、なにか小さくてもいいので、ひとつの分野で「勝ち(成功体験)」を得ることを繰り返すことの方が、今後の人生でプラスを生むのではないかと思います。
これも自分が今まで出来ずに後悔してきたことなので、若い皆さんにお伝えしたかったメッセージとして締めさせてください。