INTERVIEW
HIGUCHI HIDEO

樋口秀夫

IAU税理士法人 代表社員 http://iau.tokyo/

略歴

1965年、立教大学経済学部卒業。一般企業に就職した後、家業に入る。
1971年に税理士試験に合格をし、税理士事務所に就職。
1974年、税理士事務所を開業し、現在に至る。

-現在の仕事についた経緯-

大学を卒業して一般の企業へ就職したのですが、実家が下請工場を経営していたため、そちらに移り営業中心の仕事をしていました。
そんな中、高度成長が終わったことで、仕事の成長性が危ぶまれたので、資格を取得することを考え始め、29歳で税理士試験に合格し、税理士事務所に就職しました。
そこでは会社経営の過程で税理士さんと打ち合わせをする機会が多かったのですが、顧問料を払ってお願いしているにも関わらず、税金に関してあまり会社サイドの考えに寄り添ってくれませんでした。
税務署は権力組織ですから、この組織と闘うような事務所経営をすれば、お客様側から喜ばれるのではと考えたことがきっかけですね。

-仕事へのこだわり-

クライアントが税理士に期待するのは、決算書類が適法に作成されていることだと思います。税法は毎年のように改正がありますから、改正内容を理解するとともに、新しい解釈の判例が出た場合には内容を吟味し、日々の業務に反映させていかなければいけません。
そして、節税ということも税理士に期待されるものだと思われます。税金の使途、使われ方について、納税者がどのように感じているか、また、税金を支払うことでどのような恩恵を受けることがあるかなど、納税についてはかなり温度差があると思われます。
いまだに消費税が転嫁されていない業種、企業もありますので、節税を期待される税目も異なり、様々な角度からの節税は研究を要する部分ですね。
税務申告は提出して終わるものではなく、そのあと税務調査がありますので、そこでの対応において税理士としての評価が大きく左右されるのではないかと思います。納税者の権利を守り、行き過ぎた調査をされないよう見守りながら、納税者が納得のいく結果になるように努力していきたいと思っています。

-若者へのメッセージ-

現代ということを考えると、社会全体のインフラは整備され、食糧事情などもはるかに良くなっているにもかかわらず、食べるのがギリギリの層もいます。社会的に格差が広がっている状況です。所得の分配というところに大きなひずみが生じていると思います。
強い企業、有能な個人が成果を多くとるということを否定すると社会の発展性を阻害することになるかとは思いますが、所得の分配をもう少し工夫することにより、貧困がなくなり社会全体が共存できるようになるかもしれません。
税は所得の再分配という目的を持っています。現在の税制はその目的を十分に果たしているとは思われません。制度は変えられますので、未来に向かい頑張っていただきたいと思います。