INTERVIEW
HATANO YUSUKE

波多野裕介

株式会社呑龍マリン 代表取締役 http://donryumarine.com/

略歴

近畿大学商経学部卒業後、家業の料理旅館呑龍を継ぐために、京都のホテルで2年間修業。愛知県に戻り株式会社呑龍に入社。1992年、株式会社呑龍マリン設立。2010年、一般社団法人アクティブシニアライフ推進協議会設立。現在は大手自動車メーカーさんの会社、組合さんを中心にイベント、福利厚生プログラムの構築、等の業務を展開中。

-現在の仕事についた経緯-

家業の料理旅館を継ぐため、京都のホテルで学ばせて頂いたのが、企画・イベントが中心でした。
実父の体調がすぐれないことを理由に早めに実家に戻りましたが、順調に回復したタイミングで、地元の警察署より大きな民間マリーナが車で5分の場所に建設される情報を頂きました。
施工主である石油卸元の総合計画室に承認頂き呑龍マリンを設立。水上バイクの舟艇保管、マリンショップ、マリーナでのイベント開催、海技免許(ボート免許)等を担当致しました。
マリーナに関連する業務は10年程で撤退しましたが、大手自動車メーカーさんとの出会いでがご縁でイベント、福利厚生プログラムの構築を業務として、現在の仕事が始まりました。

-仕事へのこだわり-

会社設立はしたものの、マリーナオーナーを顧客対象とする営業活動は厳しいものでした。収支の甘さが原因で借金続き、赤字続きの状態でした。
そんな時期に、大手自動車メーカーの事業開発部が船舶を製造・販売することになり、マリーナで合流できたことがきっかけでお付き合いがはじまりました。実家の料理旅館のお客様でもありました、大手自動車メーカーの労働組合に向けて、福利厚生のプログラムをご提案したのもこの時期でした。
私共は、資本力も知名度も無い中、既存のサービス、既存商品の提供では勝ち目がありません。「常に新しい仕組み、モノでなくコトを考えながら創る」お客様の課題解決の為、情報をかき集める為のアンテナを張り巡らせておりました。
業務は手を抜かず時間をかけて進めて参りました。そして“自分の能力の限界”を早めに知る事ができました。出来ないことがいっぱいです。業務領域が違う案件、大勢の人が必要な案件、高度な技術と知識が必要な案件は、恰好つけずに「教えて下さい」「お願いします」と常にお願いすることが出来る自分の姿勢が間違っていないことがわかりました。
イベント業務では、大手テーマパークのエリアプロモーションのお仕事から始まりクライアントさんからのご依頼でテーマパークの貸切イベントの実施。営業活動を行わない音楽アーティストをお招きしてFESの開催ができました。
福利厚生の業務では、飲食チェーン、ホテルチェーン、アウトレットモール、ショッピングセンターなどの物販施設、さまざまなジャンルの契約施設さんにご協力頂いております。
主要顧客である大手自動車メーカーのご担当、労働組合の方々から教えて頂けることが数多くありました。
人物、人格、マナーを含め素晴らしい方々との出会いを大切にして参りましたのが、私の仕事へのこだわりです。

-若者へのメッセージ-

「人生は短い」亡父の口癖でした。
最近、言葉の重さを痛感します。
年齢を時速に例えた監査法人の代表理事公認会計士さんからお聞きしました。
少し極端ですが10代、20代の子供・学生の頃は一日を長く感じて、30代~50代は仕事に追われ一日の速さを痛感し、仕事の第一線を離れきっと悠々自適であろう90歳を過ぎると朝か?夜か?分からなくなってしまうかもしれません、ですって。
昨今あらゆる手段でいろいろな情報が簡単に入手できます。しかも、ものすごい量の情報が氾濫しております。必要な情報の選択と真贋、人についても同様で、見極めと決断は事業を行う重要なタスクです。
ただデジタルで全てを解決することはまだ不可能なのでは?取引先、協力先、そして何かのご縁で出会う人には必ずお互いの役目が有るものです。財閥本家の秘書さんを戦後から長く務めていた方からお聞きしました。
最後に、どんなに優秀な人でも、ご自身の能力には、物理的、時間的に限界があります。
そんな時「教えて下さい」「ご協力ください」「お願いできますか?」とご自分から相手に正直に頼ってみて下さい。結構いい仲間になっていただけます。ご自身も肩の荷がおりて、良い関係が続くと思いますよ。