INTERVIEW
HATAKEYAMA TAKUMI

畠山拓巳

BooST 代表 https://boost-ngs.com/

略歴

平成31年、長崎医療技術専門学校 理学療法学科卒業。令和4年、医療法人 重喜会 白浜病院に勤務。生活習慣病の治療に携わる。看護師や介護福祉士への教育にも携わる。令和4年、BooSTを設立。IT技術を医療・介護・スポーツへ導入して「機能向上」と「予防」を目的にDX化を推進している。

-現在の仕事についた経緯-

病院には治療が必要となる重症化した方々が入院されます。怪我や病気を発症すると、100%の状態に戻るケースは非常に稀です。治療には莫大な時間と費用がかかり、何もメリットはありません。
日本では“予防”にフォーカスが当てられることは少なく、発症後の“治療”ばかりにフォーカスが当てられ、日本の医療は海外に遅れをとっています。
テレビで大会前に怪我をしてサポートに回る選手の様子や、闘病の様子が美談として語られていますが、私は違和感しか感じません。なぜなら、怪我や病気を“予防”していれば、このような事態には陥っていないからです。
私は、日本のこの状況を改善したい想いでBooSTを設立し、“予防”を普及したいと思っています。

-仕事へのこだわり-

<健康増進事業>
日本人が65歳まで生存する確率は男性で89%、女性で94%とされています。75歳までだと男性で76%、女性で88%となっています。
令和2年度の国勢調査によると、長崎県は生産年齢人口は54%と過去最低を記録しています。一方、老年人口は33%と増加傾向にあり、マンパワーが不足することが予測されます。
更に、日本理学療法士協会によると、介護老人保健施設に従事する理学療法士は6%と発表しており、介護分野で活躍する理学療法士は圧倒的に不足している状況です。
また、日本は早期退院させる医療機関を評価するシステムを構築しており、在院日数はどんどん短縮されています。以上の理由から、将来的にリハビリ難民が急増することは確実です。
長崎県は離島の数が日本一で過疎化が進んでいます。そのような過疎地域では医療・介護体制の維持が非常に厳しくなることが予想されます。
行政や保険会社は健康に対するインセンティブを与える動きを見せており、“予防”が重要なキーワードになりつつあります。
私は、心地いい場所で生活することが1番だと思っています。その実現に向けてIT技術の活用も1つの手段だと思っています。普及するには時間がかかると思いますが、諦めずにチャレンジを続けていきたいと思います。

<スポーツ事業>
日本スポーツ振興センターによると、負傷・疾病の発生件数は前年と比較して約9万件増加しています。
長崎県の場合、金額に換算すると2億6900万円となります。これは九州で4番目に多い数字です。
スポーツ庁は部活動が地域に移行されることから、医療機関との連携を強化したい考えを示しています。しかし、スポーツ庁によると、実際に資格を保有しているトレーナーの割合は15%であり、スポーツ医学に精通している指導者の割合は非常に少ないことが推察されます。これでは、スポーツ庁の医療との連携を強化するという目標は達成できません。今後、チームと病院の間にBooSTが介入することで、医療機関と選手・チームとの連携をスムーズに行うことができると考えております。
また、その中でも理学療法士の活躍が期待されています。
私は理学療法士であるため、より質が高い“予防”と“パフォーマンス向上”の提供が可能となります。
もし、怪我をしたとしても客観的なデータを集積して、医療機関と連携することで競技復帰をスムーズに行うことができると考えております。
好きなスポーツを生涯にわたってできる身体作りをサポートすることで、日本の医療・介護問題を解決できると思っています。
こちらも諦めずにチャレンジを続けていきたいと思います。

-若者へのメッセージ-

私は、AIなどのテクノロジーを活用して、地域の人材不足の問題を解消できると考えております。
テクノロジーを導入することで仕事量を分散し、人間にしかできない業務に時間を割くことで、業務効率が圧倒的に向上すると考えています。
特に長崎県など、過疎化や人口流出が著しい地域では導入が進むべきだと感じています
私は27歳なので、経験や知識は少ないのではないかと疑われることもしばしばあります。心無い言葉を投げかけられたことも事実です。以前まではクヨクヨしていたと思います。しかし、ある日、クヨクヨしていても何も変わらないことに気付く出来事がありました。クヨクヨしている時間を自分の目標を達成するために費やす方が有意義です。
そもそも、そのような方々の相手に時間を費やすことは無駄です。自分の目標に向かって行動した方が有意義です。
一歩を踏み出すことは勇気が必要ですが、何も考えずに行動してみてください。きっと世界を変えることができます。
If you can dream it , you can become it.
〜もし、夢を見ることができたなら、それを実現することができる〜
私が大切にしている言葉です。皆さんも一歩を踏み出して未来をよりよいものに変えていきましょう。