INTERVIEW
HARUNO HIDEMICHI

春野英理

株式会社ラグジュアリー 代表取締役 https://luxury-ltd.com/

略歴

九州大学大学院経済学府卒業。2代に渡る公務員の家庭で育ちながらも、22歳で早期に起業。初めの事業領域を美容事業に選定。多数の事業のスタート(立案/構築)からクローズ(譲渡/売却)までの経験をもち、現在では不動産事業・保育事業・人材紹介派遣/教育を主とした企業の代表を務める。

-現在の仕事についた経緯-

私の祖父、父と国家公務員であり、私自身幼少期から多くの転校を繰り返してきました。成長するに連れ当然に転校も難しくなり、単身赴任となる父を長きに渡り見てきた中、勤務形態や働く時間の大切さを考えるようになりました。
仕事中心の父は、家族との時間を一緒に過ごせず、黙々と仕事に取り組む。正直そんな未来が本当に嫌であり、当時はGoogle等の調べる手段も少なく「自分で時間を決める様なフレキシブルな働き方をする為には、会社を経営するしか無い!」そんな幼稚なことを考えながら若年期を過ごしました。
一通りの経営学習を終え、創業期は巨大市場に成長途中であった美容事業を選定しました。美容学校や美容店舗等の経営を経て美容事業をグループ会社化。事業承継、多角事業構築を経て、現在では不動産・保育・人材紹介派遣等の事業を行う企業の代表取締役を担っています。

-仕事へのこだわり-

現時点、自分自身が仕事に心がけている点として、しっかりと【経営者自身がビジネスを理解する努力を怠らない】という点に尽きます。
当社は地域コングロマリット企業を目指しています。コングロマリットと聞くと巨大な企業をイメージするかもしれませんが、地域に必要不可欠な企業を目指すと読み替えても差し支えありません。
前述した様に、大枠の事業として不動産、保育、人材紹介派遣/教育事業になりますが、その業態の中には保育士の免許取得育成講座や子ども食堂、フィットネスジム、コワーキング施設や貸し会議室、行政と連携した創業支援等々、15業種程度の事業が現在稼働しています。
当社の理念パーパスとして「社会のお困りごとは自分ごと」があり、事業の成功は内部要因だけに留まらず、外部要因等の社会的環境に左右されるケースが多くあります。15年前に成功していたビジネスが現在も変わらないことなどほとんどありません。社内外含めてその時点において必要とされる事業が必ず存在します。
とはいえ、専門知見も何もない状態で流行トレンドに乗る事業の成功率が高いはずもありません。
成功の大きな秘訣として経営者の覚悟が大部分を占めており、大抵の方はマズロー5段階理論で提唱される生理的欲求や安全欲求が満たされると覚悟が薄れ怠慢になる傾向があると一部感じています。
多角化への道は成功率が極端に落ちます。垂直統合や水平統合の様に事業領域が近いのであれば当然に知見の併用が可能となりますが、全く異なる事業領域である場合0からのスタートに近い形となります。
ここで私の話を少しさせて頂くと、私自身、当初は自分の住居やテナントを借りる程度であり、ビジネスとしての不動産知識が豊富かと言われるとそうではありませんでした。
しかし、自分自身が学ぶ姿勢を壊さないことで業界の知識を常に吸収出来ます。現在では多くの物件を所有管理しておりますが、知識を高めることを怠っていれば今の現在は無いと感じます。
保育事業においても同様であり、事業開始前は子どものことはあまり良く分かっておらず、どの様なハードウェアをするべきなのか?またソフトウェアするべきなのか?答えが出ない時期もありました。しかし、自身で保育士免許を取得し、子どもの安全対策や成長過程、児童福祉法等を学んだことで事業判断における鈍化が無くなったとも感じます。
これらの様に経営者自身が、携わるビジネスを理解することが最もビジネス成功への近道であると考えます。

-若者へのメッセージ-

地方自治体認可の元、創業支援事業を行っています。趣旨としては起業を目指す子育て世代のアントレプレナーの育成であり、近年若年層と接する機会を多く頂いています。
昨今では働き方改革を皮切りに、副業やフリーランス等々、様々な多様性ある働き方が存在していますが、経験のある経営者達からすると「経営のイロハも知らずに起業するのか!」と叱責を受けることがあるかもしれません。
しかし若年層の熱量は時に熟練の経営者のそれさえも凌駕する考えを持っていることが多々あります。知識は後でもついてくるものであり、努力を怠らなければ必ずついてきます。
過去に執着する必要はありませんし、未来に怯える必要はありません。貴方のアイディアをカタチにすることを諦めずにしっかりと今を生きてください。
その素晴らしいプランを言い続ける事で必ず貴方の周りには素晴らしいステークホルダーが集まると思います。
末尾ながら皆様の素晴らしいアイディアが社会の一翼を担うことを祈願しております。