大学卒業後、準大手ゼネコンに入社。2012年に大手商社系の人材開発会社へ中途入社し現在に至る。新人、グローバル、管理職向けの研修の企画・開発に従事し、講師としても活動。組織開発の一環として社内コーチングの導入を主導し、その実践を深めながら、データ分析や学会発表を通じてアカデミックな視点からもコーチングを探究。本業でのコーチング活動と並行し、今後ダイバーシティを重視する世の中に合わせ、より多様な対話の深化を求め、社外の様々なクライアントへのコーチングを副業として実践中。
略歴
-現在の仕事についた経緯-
本業では、所属グループ内でコーチングの実践と研修を行ってきました。初めは、グループ内の社員の同質性が高いと感じ、対話の方法が体系的であると予想していました。しかし、実際のデータ分析を基に見ると、予想とは異なり、画一的な対話だけでは太刀打ちできない領域があること、むしろ個々人らしさに向き合うことの重要性を強く感じました。
この認識の奥深さをさらに探求するため、アカデミックな研究と実践の双方でコーチングのスキルを研鑽しました。現代の組織では多様化が進行していることを受け、社外の多様な方々とのセッションが新たな視点や発見をもたらすと確信しました。
そのワクワク感から、副業としてのコーチングを開始し現在も活動を進めています。
-仕事へのこだわり-
私のコーチング活動の根幹には、クライアントが「ありのままの自分」でいられる場を提供したいという信念があります。その信念を実現する上で、3つのことを意識しています。
まず1つ目は、私自身もありのままの姿で相対することです。例えばクライアントとの対話の中で、私自身が余計なバイアスを持たないように心掛けています。五感を最大限に活用し、クライアントの言葉や態度、声のトーンや表情、さらには非言語的なサインにも敏感でいることが、真実の気づきへと導く鍵と考えています。
2つ目としては、あり方です。私の役割は、単にアドバイスや解決策を提供するものではありません。むしろ、クライアントが自分の世界観や価値観、感じていることを言語化し、その中での気づきを自ら得ることをサポートします。私の考えるコーチの役割は、渦中の当事者であるクライアントに外部からの答えを与えるのではなく、クライアント自身が答えや気づきを見つけられるように、鏡のように彼らの内面を映し出すことです。そのために最新の心理学や脳科学の研究を随時キャッチアップし、古今東西の哲学を学びながら、クライアントの多様な課題やモヤモヤに対しても幅広い知識と視点を持ってアプローチしています。
最後に場づくりです。コーチングの場は特別なものであると感じています。日常生活やビジネスの中で、自分の本心や感情を率直に表現できる場は意外と少ないです。私は、クライアントが自分の思いや感情に正直になれる、そしてそれを恐れずに表現できる場を提供することを重要視しています。そのため、私はクライアントの意見や感じていることを「判断」したり、「評価」したりすることは避けます。私の役目は、クライアントが自分自身をより深く理解し、自分の「あり方」に気づくことをサポートすることにあるのです。
私のコーチングの最も大切な価値は「信頼」です。クライアントとの関係性を築く上で、お互いに偽りのない関係を築くことを最も重視しています。クライアントが自分を開示し、本音を語ることができる環境を提供することで、真の変容や成長が生まれると確信しています。
-若者へのメッセージ-
VUCAと言われる現代、我々は未曾有の情報の洪水に晒されています。夢や理想を抱き、社会に飛び出すものの、ある時気づけば、その純粋な願いを見失ってしまっていることは少なくありません。特にSNSやメディアを通じて、絶えず外からの情報に晒される中、自分自身が何を望んでいるのか、どんな価値観を大切にしたいのかがわからなくなってしまうこともあります。
私のクライアントの中にも、「自分を取り戻せました」と複数回のセッションを通じて言ってくれる方がいます。このような声を聞くたび、自分を取り戻す手助けができる対話の場を提供したいと感じ、私はコーチとしての活動を続けています。