1960年、神奈川県出身。1983年、ロッテ商事に営業として入社。大阪支店に配属される。36歳で本社広域営業部のメンバーに抜擢された後、課長、統括支店長、ロッテ商事の代表取締役を歴任。グループ3社の統合にあたり、2018年に代表取締役に就任。現在に至る。
略歴
”自分で考える力”を培うために
「ユーザーオリエンテッド」「オリジナリティ」「クオリティ」という3つのバリューが、創業以来一貫して受け継がれてきた弊社の魂です。しかしなぜ、この3つにこだわってなお突き抜けた成果が出せないのか、それが長年私の抱えてきた疑問でした。そして、「オーナー企業として長年の歴史を持つからこそ、社員達の”自分で考える力”が培われにくかったのかもしれない」と思い至ったのです。
そこで私は、ロッテの歴史と実績、魂を尊重しつつも、さらに新しい時代にマッチできるようなイノベーションを起こすために、3つの原則を打ち出しました。
1つ目は、自由闊達にチャレンジすること。
2つ目は、組織の壁をなくして、なんでも言い合える風土を作ること。
3つ目は、個の力を高め、個性を最大限活用すること。
特に、若い社員達の「お客様に喜んでほしい」という夢、豊富なアイディア、エネルギーに歯止めをかけることなく思う存分発揮させてあげたいと思いますし、それこそ弊社が飛躍するための重要なキーだと考えています。
そして2023年のテーマには「共創」を掲げました。顧客や社内部門、製造工場、中央研究所など、垣根を超えたコラボレーションを通じ、さらにお菓子・アイスという分野に捉われず、お客様に「面白い」と思って頂ける商品を一早く提案できるメーカーを目指していきたいと思っています。「食の安全・安心」や「持続可能な調達」など、サステナビリティ活動にも両軸で取り組み、企業としての社会的責任を果たしていきたいと考えています。
皆が幸せになれる会社を作ること
取り組むべき課題はさまざまにありますが、私の経営の根本は「自分がお世話になった会社を全ての面でよりよくしたい」「社員達に『入ってよかった』と思ってもらえる会社を実現したい」という思いに他なりません。会社は人生の全てではありませんが、やはり人生で大きなウェイトを占めるものと言えるでしょう。だからこそ、皆が幸せになれる会社を作ることは経営者である私の責務なのだと捉えています。
人生には必ず山と谷があります。その中で問題は、谷に落ちたときに自分の無力さ、未熟さを客観的に見つめ、次へ備えるための時間だと前向きに捉えることではないでしょうか。そうした志向が備わっていれば、いつか必ず浮上していくものだと思うのです。
そして私から若い方々にお伝えしたいことは、成功したときも決して奢らず、「周囲があってこその自分」という謙虚な気持ちを忘れないでほしいということ。そこで今1つ足りない部分を学べれば、さらに上を目指すことができるでしょう。私が思うに、誰のものであっても人生はこの繰り返しなのです。山だ谷だと一喜一憂していては時間の無駄になってしまいます。必ず来るものだと備えて、毎日を前向きに過ごしていってください。